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【J2:第11節 岐阜 vs 東京V】レポート:自滅の敗戦。岐阜よ、この敗戦で奮い立て!!(11.05.09)

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5月8日(日) 2011 J2リーグ戦 第11節
岐阜 1 - 3 東京V (19:04/長良川/3,083人)
得点者:6' 井上平(東京V)、24' 嶋田正吾(岐阜)、59' 井上平(東京V)、62' 飯尾一慶(東京V)
スカパー!再放送 Ch183 5/9(月)後01:00〜
totoリーグ
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自滅。この試合を一言で表現するならこうだ。スコアは1-3で岐阜の敗戦。しかし、試合を見ていて、この敗戦はすんなりと受け入れられるものではなかった。

試合の入り方からして、こうなることの予兆はあった。岐阜にとって、一番してはいけなかった、一番嫌な展開で試合が始まったのだ。試合が落ち着かない試合開始からの10分間。前線からの激しいプレスとショートカウンターを身上とする岐阜にとって、先に失点をすることは、それからの試合展開を非常に難しくすることを指す。特に相手が東京Vであればなおさらだった。

東京Vはこれまで3敗1分けと波に乗り切れておらず、その直接的な原因は決定力不足にあった。FW平繁龍一、MF河野広貴、飯尾一慶、小林祐希というテクニックやパスセンスに優れた選手がおり、攻撃のバリエーションは豊富で、これまでの試合も決定的なチャンスは作っていた。しかし、肝心のゴールに結びつかなかった。この4試合で奪ったゴールは僅かに2ゴール。攻めれど結果が出ない状況が続いていた。ただ、裏を返せば、点が入れば、一気に波に乗る危険性ははらんでいた。
だからこそ、早々の失点は避けたかった。しかし6分、思わぬ形でその失点は生まれてしまった。右サイドのFKで、河野の上げたボールをGK野田恭平が痛恨のキャッチミス。こぼれたボールをMF井上平に楽々押し込まれた。

だが、これで完全に東京Vペースにはならなかった。逆にこの失点から岐阜の動きがスムーズになっていく。東京Vは平繁の1トップに対し、河野、飯尾、井上という突破を得意とするアタッカーが果敢に前線に飛び出してくるものの、DFラインとボランチラインのビルドアップ面がうまく機能せず、前線になだれ込もうとする前の4人のとの距離間が開いてしまい、2次、3次の攻撃を仕掛けられない。

岐阜にとってこれはチャンスだった。2列目のラインとボランチラインにぽっかりと空いたスペースを岐阜は有効活用した。相手の攻撃を食い止めると、すぐにそのスペースにボランチの橋本卓、FW押谷祐樹が顔を出し、ボールを受け、そこから染矢一樹と嶋田正吾の左右のサイドアタッカーとFW佐藤洸一を絡めて、ショートカウンターを効率よく繰り出した。

これはボランチの三田光がアンカー役を務め、橋本が攻撃のコンダクターとして自由に動き、佐藤を前線に張らせ、さらに右の嶋田が頻繁に中に絞ってくることで、押谷もボールを受けに落ちてくる。この2人が効果的にこのスペースに顔を出してボールを受けられるようになったことが、岐阜にリズムを生み出した最大の要因となった。
そして、同点ゴールは狙い通りの形で生まれた。24分、このスペースでボールを受けた押谷が、華麗なヒールで前線にボールを送ると、ダイアゴナルランでCBのギャップに飛び込んだ嶋田が、鋭い切り返しから華麗なループシュート。これがゴールに吸い込まれ、岐阜が追いついた。

その後も岐阜は同じような形でチャンスを作り出し、東京Vを圧倒する。ここまでの流れは、岐阜の成長を大きく感じさせるものであった。だがしかし、光が差し込んできた状況が後半に入ると一変する。川勝良一監督は河野に代え、MF高木善朗を投入。
「足元へのパスが多すぎたので、裏を狙えと言った。中盤でボールを受ける選手が下がりすぎていたので、小林にももっと前に出て、トップ下に近いところまで行ってもかまわないと伝えた。ワイドの選手にももっと中に絞って来いと言いました」。
この川勝監督のハーフタイムの指示は、非常に的確だった。前半は常にフラットの関係にあった佐伯直哉と小林の関係を、小林をより前に出し、さらに飯尾と井上の両ワイドを中に絞らせて、岐阜に有効活用されていたスペースを消しにかかった。

これに対し、岐阜は前半と同じように攻めてしまったために、東京Vのボールを奪うポイントをみすみす与えてしまった。ここで岐阜が打開策をとるとするならば、もっとサイドバックを上げるべきだった。例えば、嶋田が中に絞った時に、右サイドバックの野田明弘が果敢に右サイドのスペースに飛び出していけば、佐伯を外に引っ張り出すことが出来、小林も飯尾もポジショニングに修正を加えなければならない状況を引き起こせただろう。リスクマネジメントも野田明が上がって出来たスペースに田中をスライドさせることで、野垣内、秋田、田中のスリーバックの状態で、後ろをケアすることは十分に出来た。
しかし、佐伯を引き出したり、飯尾、小林のポジションを下げられないまま、前半同様に攻めてしまったことで、前半にストロングポイントだったところが、『綻びの導線』となってしまった。

59分には岐阜の右サイドのミドルスペース(MFとDFの間のスペース)で飯尾にフリーでのプレーを許し、クロスを簡単に上げられてしまう。このボールをまたしてもGK野田恭がパンチングミス。こぼれ球をこれもまたしても井上にあっさりと決められてしまった。
これで集中力が切れたのか、62分には右からのFKを、GK野田恭のパンチングがヒットせず、フリーの飯尾の前にこぼれていく。このボールを豪快に突き刺され、ダメ押しの3点目。
まるですべて1失点目のリプレーを見ているかのような失点。このゴールで勝敗は決した。前半の内容は岐阜が明らかに上だった。しかし、クロスに対する対応という初歩的なミスと、攻め方を修正できなかった2つのミスが、せっかくつかんだ流れを手放し、結果として敗戦を招いてしまった。

東京Vの修正力も見事だったが、それ以上に岐阜の自滅が目立ちすぎた。だからこそ、試合後、サポーターからはこれまでないほどのブーイングが巻き起こった。サインを待つファンゾーンの人数も少なかった。

これを持つ意味は何か。岐阜よ、もっとファイティングスピリットを見せてくれ。確かに連戦の疲れもあるが、今日の負け方はあまりにも拙すぎた。この敗戦で奮い立て!今はこれしか言う言葉はない。1勝4敗という成績以上に、今日の試合はやりきれなさを感じるものだったのだから。

以上

2011.05.09 Reported by 安藤隆人
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