5月8日(日) 2011 J2リーグ戦 第11節
栃木 2 - 1 横浜FC (13:03/栃木グ/6,105人)
得点者:5' オウンゴ−ル(栃木)、50' 藤田祥史(横浜FC)、74' 渡部博文(栃木)
スカパー!再放送 Ch183 5/9(月)後08:30〜
☆totoリーグ
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クロスゲームを勝ち切れたことに質問が及ぶ。決勝弾を決めた渡部博文は一呼吸置いてから言った。「大きいですよ」。安堵の表情を浮かべながら続ける。「ハードな試合だったし、きつかった」。激闘を振り返り、勝利の味を噛み締めた。
簡単に掴んだ勝点3ではなかった。だからこそ、首位を堅持する勝点3には重みがあった。横浜FCの反撃を1点に抑えた栃木SCは、ホーム3連勝を飾り、勝点を13に伸ばした。開幕から唯一、無敗を守った。
「立ち上がりは良くなかったので、逆に1点取れて良かった」(渡部)
立ち上がりから横浜FCは特攻隊長の難波宏明が、持ち味のチェイシングから栃木のDFラインに圧を掛けた。難波に触発されるように、横浜FCは忘れかけていた球際での強さを発揮する。ややもたついた感のあった栃木にとって、アグレッシブに来た相手の勢いを殺ぐには、オウンゴールは申し分のないものだった。西澤代志也、水沼宏太、リカルド・ロボと右サイドでボールが繋がり、水沼がロボとのワンツーで抜け出し、鋭いクロスを入れる。これを朴台洪が自陣ゴールにヘディングシュート。「相手に触れられずに味方に合わせられれば良かった」と水沼は悔やんだが、サイドから崩す形はトレーニング通り、相手の左サイドバック裏のスペースを突くことも狙い通りだった。早い時間帯での失点に泣いている横浜FCにとって、少なくないダメージが残った。
目論見通りに先制した栃木。上手くボールを動かせる場面もあったが、ボールホルダーが受け手を探している間に、後ろから突っつかれてボールを失うなど、中盤でのミスが目立つ。また、生命線の守備では安定感が感じられず。攻めても河原和寿とロボがショートカウンターを仕掛けるが、追加点は成らなかった。一方、自ら首を絞めた横浜FCは、バイタルエリアに上手く侵入し、藤田祥史が果敢にミドルを放つ。29分にはピッチをワイドに使う。高地系治のサイドチェンジから荒堀謙次が上げたクロスが左サイドへ流れて佐藤謙介がシュート。しかし、絶好機はGK武田博行の好守に阻まれる。
後半から寺田紳一と野崎陽介を投入した横浜FC。この交代が奏功し、野崎のドリブル突破から獲得したPKを藤田が蹴り込み同点とする。その後も高地がさばき、寺田と野崎がドリブルを仕掛け、立て続けに決定機を生み出した。だが、この日のGK武田の壁を2度は破れずに逸機。苦しい時間を耐え抜いた栃木は、再三に渡りイニシアチブを取っていたCKから渡部が2試合連続弾で勝ち越し。今季初めて栃木は試合内容で相手に劣ったが、しぶとく勝負をものにした。例え内容が悪くても結果を残す。昇格に不可欠な要素を満たした。
「チームが進歩しているという手応えはある」と敗戦の中にも希望の光を見出した岸野靖之監督。試合には負けたが、前節の不甲斐なかった鳥取戦に比べれば、格段に目指すサッカーが表現できた。高地を中心にゲームを組み立て、サイドバックも絡んだ攻撃には迫力があった。栃木戦のパフォーマンスを最低ラインとして、戦う姿勢を持ち続け、離脱している外国籍選手が復帰すれば、岸野監督が言う「強いチーム、勝てるチーム、勝つ試合」に近付くはずだ。課題であるセットプレーからの守備を改善し、ベースアップを図り、最下位からの逆襲を狙う。
前節の岡山戦の後味の悪いドローを引きずらず、大久保裕樹、高木和正、パウリーニョ、崔根植(途中出場)と主力を欠きながら、サブスローガンの「ノーエクスキューズ」のもと3連戦を勝利で締めくくれたのは、栃木が成長している証拠だ。たが、問題点は多々あった。水沼は中盤の守備を、鈴木修人は攻守の切り替えを、渡部は押し込まれた時の対応を、宇佐美宏和は気の緩みを、反省点として挙げた。若い選手が多いが、浮かれる素振りなど見せず、むしろ自分を厳しく律することができるのは、それぞれが高い向上心の持ち主だからだ。勝つことで自信は深めるが、過信はしない。常にチームが、個人が良くなるためにどうすればいいのか考え続ける。思考停止しない集団は強い。そんな集団に栃木は成りつつある。だから、栃木はまだまだ強くなる。
以上
2011.05.09 Reported by 大塚秀毅
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