5月8日(日)J2 第11節 熊本 vs 札幌(16:00KICK OFF/熊本)
スカパー!生中継 Ch183 後03:50〜
☆totoリーグ
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熊本は前節、北九州に対して終始ゲームを支配しながら1点が奪えずに引き分けた。チャンス自体は作っていながらも最後のところで精度を欠いたことに加え、終盤を迎えるまで攻撃そのものが左サイドに偏ってしまい、効果的なサイドチェンジを入れてピッチをワイドに使う展開ができなかったこともひとつの要因。古巣との対戦を前に、前節その持ち味である攻撃参加の回数が少なかった市村篤司は話す。
「同サイドで崩せるほど甘くはないし、揺さぶらないと相手に対して怖さを感じさせる攻撃にはならない」
そうした点において今節、熊本のポイントとなるのは、いかにピッチを広く使って札幌に揺さぶりをかけられるかということ。片方のサイドでいったん作った後に、相手の枚数が薄くなる逆サイドへ展開するタイミングをチームとして共有し、その回数を増やすことが求められる。
しかしながら、中3日で続いたGW3連戦の最後という条件を考慮すると、選手たちに疲労が蓄積していることも否定できない。もちろん長距離を移動してくる札幌の選手たちに比べ、ホームでの連戦というアドバンテージはあるものの、これまでのような前線からの激しいプレッシングは、終盤の運動量に影響を及ぼしかねない。前節の試合後の会見で「こういうスタイルでやっていくということを選手たちにも伝えている」と話していた高木琢也監督だが、この一戦については、「余裕を持って、整えた状態で奪いに行く方が、今までと違う形でチャンスを作れる」と話しており、9節の布陣からメンバーを変えて臨んだ前節同様、戦い方も含めて若干のアレンジを示唆している。
特に札幌の攻撃は、トップに入った三上陽輔、2列目の近藤祐介と古田寛幸、さらにはトップ下に控えるアンドレジーニョも左右に広く動いてボールに絡むなど個性のあるタレントが揃い、前にかかったときの迫力は十分。前節の草津戦でようやく今季初得点を記録したとは言え、チャンス自体は数多く作っているうえ、タメが作れて精度の高いプレースキックを持つ砂川誠(昨シーズン最終節にも1発やられているのは記憶に新しい)やテクニックのある岡本賢明ら、交代で流れを変えられる選手がベンチには控えている。
熊本としては、あくまで守備から入って流れを掴むことが狙いで、前述の高木監督のコメントを踏まえれば、ボールの奪いどころもひとつの焦点になる。同時に、奪った位置から札幌の守備陣形が整う前にアタッキングゾーンへどうボールを運ぶかという、切り替えの部分も意識しなくてはならない。縦へのスピードと左右の揺さぶりの組み合わせで、札幌のDFライン、そして芳賀博信と宮澤裕樹のバランスの取れたボランチにギャップを生じさせることができれば、得点のチャンスを作り出すことは可能だろう。
ただ、札幌は個の力が高く、ちょっとしたミスでもすぐさまつけこまれる可能性が大きい。前節の北九州戦でも見られたが、クロスを入れられる場面で躊躇したり中途半端な位置でのパスミスなどからボールを奪われたりするとカウンターのリスクが増すことから、アラートした状態をできるだけキープし、また自陣なのか、あるいはアタッキングゾーンなのかといった争点の位置、そして時間帯などの状況に応じて、セーフティなプレーとチャレンジするプレーを正しく選択する必要がある。そうした意味においてキーワードとなるのは、今シーズン始動した頃から高木監督の口から聞かれている自主性だ。
プレッシングをスタートさせる位置やタイミング、サイドチェンジの判断といった具体的なことはもちろん、例えば流れの悪い時にどう引き戻すかといったことまで、選手一人ひとりが主体的に判断し、動くこと。それはこの一戦に限ったことではなく、今後のリーグ戦を戦い抜いていくためにはどうしても高めていかなければならないもの。若い選手が多いからこそ、そうした部分での成長も昇格を実現させるためには不可欠だ。
過去の対戦を振り返ると、昨シーズンの最終節と初対戦となった09年6節でいずれもホームチームが4−0というスコアで勝っているが、それ以外は僅差(09年27節。この試合では原田拓が警告2枚で退場し1人少ない状態で23本のシュートを浴びながら、吉井孝輔のシュートで奪った1点を守りきった)か、ドローという結果になっており、お互いが緊張感をもって臨めば見ごたえのある締まったゲームになる期待も持てる。ここ数試合の両チームの結果からは、チャンスを作りながらも点が奪えていないという共通の課題が浮かび上がってくるが、それを打破して勝点3を手にできるのは果たしてどちらか。
以上
2011.05.07 Reported by 井芹貴志
J’s GOALニュース
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