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【J2:第11節 湘南 vs 愛媛】プレビュー:堅守を切り崩すのは果たしてどちらか。湘南は勝利のダンスでGWを締め括りたい。(11.05.08)

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5月8日(日)J2 第11節 湘南 vs 愛媛(16:00KICK OFF/平塚チケット販売はこちらリアルタイムスコアボード
スカパー!生中継 Ch182 後03:50〜
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開口一番、こぼれた言葉が耳に残っている。
「決めたかった。チームに申し訳ない」

湘南は前節、アウェイ水戸戦に臨んだ。「お互いに決め手を欠いたゲーム」と反町康治監督が振り返った一戦は、なるほど両チームともにいくつかの決定機を生み出し、ともに粘り強い守備を発揮する展開だった。湘南にとっての決定機のひとつは、前半なかばに訪れたシーンである。大井健太郎のロングフィードが前線で動き出す佐々木竜太を的確に捉え、佐々木もまた巧みにトラップして前を向いた。だが相手DFも必死だ。かわしきれず、ゴールには至らない。開口一番に続けて、「あれは決めなきゃいけないところ」と反省が並ぶ。アシストしても喜ばない点取り屋の、ゴールを逃した悔しさはいかばかりか。

「最後のところで思い切りのよかった水戸に対し、我々はどん詰まりだった」と指揮官は続けている。事実、決定力の有無を秤に乗せる前段で、ビルドアップがゴール方向へとスムーズに流れず、窮屈な体勢からシュートを放つ場面も見受けられた。むろんパスの選択肢は状況に依る。ボールをキープし、ときにサイドを変え、敵の綻びを見るやシフトアップをもくろむ攻撃は、今季の進化のひとひらだ。あわせて、ゴールを意識したトレーニングも変わらず日頃から積んでいる。かたや効果的な崩しがなかなか得られなかったのは、動きの量と質にも関わろう。

永木亮太は振り返っている。「自分たちダブルボランチを含めてダイナミックさが足りなかったように思う。ボールを失くさないという意識が強かったかもしれない。もっとスムーズにテンポよくパスを回せるはず」。菊池大介も自らを省みた。「意欲とか気持ちとかはほんとうに強かった。準備もしっかりしたつもりでした。でも振り返ると走れてないし、効果的なパスもシュートもない。自分の持ち味をまったく出せなかった」。

同じことを繰り返してはならないと、彼らが見据えた今週末、湘南はホームに愛媛を迎える。札幌を2-0で降し開幕戦を白星で飾った愛媛は、アウェイで迎えた再開初戦も東京V を相手に2-1の勝利を収めた。だが続く北九州戦では3失点を喫し、前節も千葉に1-2と敗れている。しかし、である。こと千葉戦においては、敗れこそしたものの組織的な堅い守備が機能していた。鮮やかなフリーキックによって先制を許したが、追いつくことに成功し、その後の相手の決定機も凌ぎながら、最後まで緊迫したゲームを繰り広げている。結果とは裏腹な手応えを手にできたのではなかろうか。

その愛媛に対する印象を反町監督はこう語る。
「前節の水戸と同様、愛媛は選手の力をフルに活かし、選手もベストなパフォーマンスを出している。スピードに乗った攻撃や思い切りのよさ、またディフェンスの考え方も浸透していて、チームとして非常にまとまっている。いいチームであることは間違いない」

愛媛はここまで記録した2勝のいずれの試合でも先制点を奪っている。堅守に定評のあるチームにあって、先手を取るか否かは連敗を止める鍵となろう。対して湘南は、攻撃時のリスクマネジメントがとりわけ重要になる。最終ラインをリードする大井は、「奪われ方が悪いとカウンターの餌食になる。DFとしては後ろからしっかりコーチングし、我慢すべき時間帯は我慢して、落ち着いて守りたい」と語った。もちろん、ここまで1失点の湘南の守備も堅い。攻守の切り替えや先制点がその意味をひときわ深めそうな気配である。

アウェイチームと同様に、湘南もGWに入って以来1敗1分とまだ勝っていない。「3連戦の3試合目、イーブンにしないとな」指揮官のふと呟いた言の葉が、重さを伴いピッチに落ちる。決めるべきときに決める責任も最後を守り抜く使命も個性を出し切る本分も、勝利のためにまっとうすべきは彼ら自身が解っている。

以上


2011.05.07 Reported by 隈元大吾
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