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【J1:第9節 山形 vs 柏】レポート:堅固な守備からゲームをつくった山形が今季初勝利。連勝が3で止まった柏は首位から一歩後退。(11.05.04)

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5月3日(火) 2011 J1リーグ戦 第9節
山形 2 - 1 柏 (14:03/NDスタ/10,414人)
得点者:61' 石井秀典(山形)、70' 北嶋秀朗(柏)、83' 長谷川悠(山形)
スカパー!再放送 Ch183 5/5(木)前04:00〜
totoリーグ
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開幕から3連勝と首位を走る柏と、ホームで今季初勝利を挙げたい山形の前半45分は静かに過ぎていった。

山形は3試合ぶりに先発復帰した長谷川悠以外は前節と同じメンバーでスタート。いつもよりラインを落としたように見えたのは、4-2-2-2の柏に対し、「中盤の選手が真ん中に入ってきてボックスのような状態になるので、そこはケアするように言われていた」(秋葉勝)ため。柏の2トップと2列目の2人を、ディフェンスラインの4枚とアンカーの佐藤健太郎の5人で見る形がベースとなった。宮本卓也と小林亮の両サイドバックが中央寄りに絞るため、柏の両サイドバックの上がりに対してはウイングの北村知隆と宮沢が自陣で対応した。開始から5分にはマークがずれ、バイタルでフリーになったレアンドロ ドミンゲスに対して、宮沢が慌てて中央に絞って対応する場面があったが、その後は時間とともにマークの受け渡しも確実に行われるようになり、落ち着いたディフェンスワークを遂行した。

攻撃では、奪ったあとに長谷川が相手陣内でターゲットとして奮闘するものの、サポートが少ない状態で起点がつくれず、14分にGK植草裕樹のフリーキックから長谷川がフリックオンで流したボールに北村が飛び出すなど単発的な攻撃が多かった。また、中央では人数が多い相手のプレッシャーが厳しく、その影響からパスミスも多く見られた。35分過ぎからは宮本がようやく高い位置でボールを持つようになり、何度かクロスの機会をうかがったが、フィニッシュの形に持ち込むことはできなかった。

柏はセンターバックのパク ドンヒョク、左サイドバックのジョルジ ワグネルとディフェンター2枚を怪我で欠き、それぞれ村上佑介と橋本和が今季初出場の機会を得た。引いて守る相手に対しポゼッションでは大きく上回るものの、こちらもシュートチャンスまでたどり着くことがなかなかできずにいた。20分にはペナルティーエリアのこぼれ球を、2試合ぶりの復帰となった大津祐樹がボレーシュートを打ち込むがキーパーに防がれ、24分にも大谷秀和の縦パスに大津が飛び出し、相手ディフェンダーをかわしたもののシュートには至らなかった。それでも、最近の2戦でシステム変更とともに流れを変え、得点も挙げている実績から、柏も前半は無理にリスクをかける攻撃よりは全体のバランスを重視する。酒井宏樹と橋本の両サイドバックもボランチと同じ高さをキープし、攻め上がりも単発。前半の終盤にはややポジションを上げ、アディショナルタイム直前には酒井が高い位置からクロスを上げ、ファーに抜けたボールを橋本が再び中に折り返したが、これもキーパーに弾かれた。

スコアレスで迎えた後半、先に動いたのは柏・ネルシーニョ監督だった。攻撃に絡めなかった茨田陽生に代え、移籍後初のプレーとなる兵働昭弘をピッチへ送ると、前半よりもボールへのプレッシャーを強めて序盤の主導権を握った。自陣に押し込まれ、うまくボールを運び出せなくなった山形・小林伸二監督は、宮沢に代えて伊東俊を投入。再び流れが山形へ傾きかけたことで、柏ベンチでは北嶋秀朗と水野晃樹の2人を呼んで交代の準備を始めたが、その矢先の61分のことだった。左サイド遠目からのフリーキックを得た山形は、直接ゴール前に蹴らずにいったん手前の伊東に預け、伊東からクロス。アウトにかけたボールが柏最終ラインの目の前を通過してファーサイドの前田和哉に届く。「ゴリさん(前田)と目が合ったので、『あ、ニア狙ってるな』とわかりました」という石井秀典が、ワントラップ後に折り返されたボールをニアで合わせ、山形が待望の先制点を挙げた。

先制されたあとも山形の流れが変わらなかったことから、柏も65分までに2枚替え。結実したのが70分のゴールだった。自陣に押し込まれた山形が足元につけようとしたパスを、右サイドで酒井が厳しくタックル。こぼれ球を前方のスペースへ持ち出した水野のクロスに、北嶋が飛び込みヘッドで合わせた。集中が一瞬途切れた山形に対し、交代で入った2人が直接点に絡み、采配がズバリ的中した。さらに柏の勢いは続く。中央からの短い浮き球にレアンドロ ドミンゲスが抜け出すが、ここは北村の対応でシュートまで持ち込めず、倒れたもののファウルの判定もなかった。

守備がバタつく山形は75分、北村に代えて下村東美をピッチへ。ボランチを2枚にし守備を落ち着かせると、残り10分のところで船山祐二に代えて廣瀬智靖を投入した。オフサイドになったものの、レアンドロドミンゲスから北嶋へのパスでディフェンスラインを割られかけたこともあり、山形は自陣に構え守備をしながらじっとチャンスをうかがった。状況を打開したのは植草のパントキック。手前でカットされそうになったが、「植草さんのボールが無回転だった。信じて走った甲斐があった」とボールは裏を突いた廣瀬のもとに。そのままドリブルから強烈なシュートを打ち込むと、GK菅野孝憲が弾いたボールを、ディフェンダーと競りながら長谷川が冷静に押し込んだ。後半開始から、選手交代によって一進一退を繰り返した展開は、この決勝ゴールで終息した。

柏の開幕からの連勝は3でストップ。首位の座も、連勝を続ける仙台に明け渡した。しかし、スペースがない状態で相手のブロックをどう破るかとの課題は浮き彫りになったが、兵働が移籍後初めてプレーするなど選手層は充実の方向だ。次節は国立に浦和を迎えてのホームゲーム。昇格組の真価はこの先も問われ続ける。「まだ先にはいろんなことがありますから、そのための準備を怠らないでやっていくべき」。ネルシーニョ監督は、この1敗でこれまで続けてきた何物も揺るがないことを明確にした。

少しずつチーム状態が快方に向かっていた山形は、昨年より1試合早い4試合目でシーズン初勝利を挙げた。勢いのある首位チームから奪った勝点3にさらに自信は深まるが、安定した守備と、攻撃へ一気にギアを上げるオプションで、当初のプランから大きく軌道を外れない試合運びができていることも大きい。「個人というより、グループでボールを運べたり、飛び出すことができるようになった。確かにそこで、取られてカウンターを食らって痛い目に遭ってるんですけど、そこをやっていかないと次のステージに入れない」(小林監督)。0-0もやむなしだった再開戦から予想以上に早い立ち直りで、山形は再び攻撃力アップへの意欲を示し始めている。

以上


2011.05.04 Reported by 佐藤円
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