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【J1:第9節 浦和 vs 横浜FM】レポート:横浜FMの策略に嵌った浦和。今回出された宿題を解決し、成長した姿を見せてもらいたい。(11.05.04)

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5月3日(火) 2011 J1リーグ戦 第9節
浦和 0 - 2 横浜FM (14:03/埼玉/47,056人)
得点者:70' 渡邉千真(横浜FM)、90'+4 大黒将志(横浜FM)
スカパー!再放送 Ch183 5/5(木)前07:00〜
totoリーグ
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前半、主導権を握ったのは浦和だった。

浦和はパスをつなぎ、横浜FMを押し込んだ。“ボールを持たされる”展開になったが、仙台戦のように中途半端な形でボールを失うことはなかった。仙台戦ではボールを受ける際のアクションが乏しく、足元でもらおうとしたところで相手に狙い撃ちされていたが、この日は違った。

原口元気、田中達也、エジミウソンの前線トリオはスペースに顔を出してパスコースを作り、柏木陽介、マルシオ・リシャルデスは前線が動いたことでできたスペースに飛び込んでボールに触った。「周りも自分も動けていたし、決定的なチャンスは作れなかったけど、自分たちのサッカーはできていた」と柏木は力を込める。

宇賀神友弥と高橋峻希の両サイドバックも高い位置でプレーできた。「試合前から向こうの中盤があまり守備をしないということはわかっていたので、僕と峻希は高い位置を取って攻撃に厚みをつけていこうと話し合っていた」。特に高橋は序盤から何度も上下動を繰り返し、右サイドを活性化させた。

前半、主導権を握ったのは浦和だった。だが、思惑通りとほくそ笑んだのは横浜FMだった。

横浜FMの木村和司監督は言う。「前半はかなり押し込まれたが、それは狙い通りで、ブロックを作っていけば中に入ってこれないという分析があったので、前半はしのいで、後半に疲れたところで仕掛ける、セットプレーも1つの手だった」。全てはプラン通りだった。

ブロックを築いて守れば点は取られないという自負が横浜FMにはあった。「最近の自分たちの戦い方として引いてブロックを作ったら、あまりやられないというのをみんなわかっていた。しっかりブロックを作り、相手にボールを持たれる時間は長くなるけど、そこはやらせてもいいという感じだった」と小椋祥平は力説する。

浦和にサイドを制圧されたが、それも想定内だった。「中がしっかり守っていれば、そんなには怖くない」。木村監督はしてやったりとばかりに言い切った。高橋は「今日はサイドがガラガラだった」と振り返っていたが、それは中さえ固めておけば大丈夫という横浜FMの自信の表れでもあった。

前半は防戦一方だったが、不安はなかった。「うちのセンターバック2枚は固くて、両サイドバックも守備ができて、なかなかやられることはない。GKもいいし、ミドルなら打たせてもいいという感じでやっていた。攻められていたけど、余裕はあった」と小椋。浦和は前半に7本のシュートを放っているが、そのうち4本はミドルシュート。全ては思惑通りだった。

後半、横浜FMはギアを入れ替え、前への推進力を徐々に高めていく。前半は我慢し、後半に力を入れるのは清水戦でも見られた戦い方だった。対照的に浦和はペースダウン。これも「後半にバテると思っていた」(小椋)と横浜FMにとっては読み通りの展開で、浦和は前半のハイペースがたたって攻守の切り替えが鈍くなった。

そして70分、横浜FMは中村俊輔のFKから、浦和戦に滅法強い渡邉千真が頭で先制点をマーク(これでリーグ戦5試合で5ゴール!)。浦和はもっとも警戒していたはずのセットプレーからゴールを許してしまった。ビハインドを背負った浦和は試合終盤に猛チャージをかけるが、後半アディショナルタイムにカウンターから大黒将志に裏を取られて2失点目を喫し、力尽きた。

横浜FMがどういう戦い方をしてくるかは事前に予測できていた。分かった上で、浦和は正面から力づくでこじ開けようとした。そこにはペトロヴィッチ監督の「目先の勝利ではなく、来年、再来年と自分がいなくなったとしても選手が成長できるような指導をしていく」という思いがあったのだろう。

ただ、サッカーは相手あってのスポーツだ。駆け引きのスポーツでもある。欧州チャンピオンズリーグ準決勝ファーストレグ、レアル・マドリードが守備重視で“試合を殺す”戦い方を見せた際、バルセロナは力を温存して相手の土俵には立たなかった。

“自分たちのサッカーをする”ことと“相手を無視してやりたいようにやる”ことは似て非なるもの。かつて千葉で指揮を執り、日本代表監督も務めたイビチャ・オシム氏はよく「相手をリスペクトすべきだ」と口にしていたが、それは「相手の出方を考慮し、それに応じた形で自分たちの良さを出す」ということでもあった。

「前半すばらしいプレーを見せたので、特に何かを変える必要はないと思っている」とペトロヴィッチ監督が振り返ったように、内容的には今後につながる部分もあった。次は、自分たちの良さを相手にダメージを与える形で出せるように、90分間を通した試合運びができるようになりたい。

以上

2011.05.04 Reported by 神谷正明
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