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【 AFCチャンピオンズリーグ2011 名古屋 vs 杭州】過密日程に突入した名古屋。アウェイで喫した完敗のリベンジを果たし、グループリーグ突破を確定させたい(11.05.02)

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5月4日(水) AFCチャンピオンズリーグ2011 名古屋 vs 杭州(14:00KICK OFF/瑞穂陸)
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ゴールデンウィークの名古屋は日本で一番の多忙なチームである。4月29日の川崎F戦から中4日でこのAFCチャンピオンズリーグ・杭州緑城戦を迎え、そこからわずか中2日で清水とのホームゲームがやってくる。そして翌週水曜日(11日)にはUAEでのACLアルアイン戦を戦い、すぐさま中3日で甲府とのアウェイゲームに向かうのだ。2週間で5試合はただでさえハードスケジュールだというのに、その中にはるか中東への海外遠征が挟まれる。選手層の厚い名古屋のフルメンバーがフルコンディションで揃っていても、簡単には戦い抜けない厳しい日程と言えるだろう。

「フルメンバーが、フルコンディションで」と書いたのは理由がある。名古屋はいま、負傷に悩まされているからだ。川崎F戦で攻守の要・田中マルクス闘莉王が負傷交代。この原稿執筆時点では負傷の内容は明らかにされていないが、ピッチ上の様子、交代後にベンチで観戦していた様子を合わせて見るに、持病ともいえる太ももの肉離れであることが濃厚だ。治療には時間を要する上に、復帰のタイミングを慎重に図らなければいけない類いのケガだけに、復帰時期も不透明だ。さらには中盤守備の職人・吉村圭司も右足の負傷で全治5週間。前線の核であるケネディまでもが太ももの負傷で戦線を一時離脱した。先の川崎F戦では玉田圭司が復帰し、いきなり2得点を挙げたが、負傷欠場中のダニルソンや金崎夢生、ブルザノビッチと合わせて戦力面でのマイナスは増加している。

そこで迎えるのが、アウェイで完敗を喫した杭州である。コンタクト、スピードともに強力なフィジカル能力を備え、コンパクトかつアグレッシブな守備組織で、ACL初戦では名古屋を90分にわたって封じ込めた。特徴的だったのは、引きながらも前に出る守備だ。3月のホームゲームでは11人全てが自陣に下がる超守備的な守り方かと思いきや、ボールへのアプローチは常に前向きで、追いすがるような形を作らない。前へ出てボールを奪うので、守備から攻撃へのいわゆるポジティブ・トランジッションが非常に速く、また名古屋がポゼッションに人数をかけるために相手陣に豊富に空いたスペースを利して強力なカウンターを仕掛けられていた。個々の選手を見ても、中国代表でもキャプテンを務めるセンターバックDU WEI(背番号5)を筆頭に、突破力のあるサイドハーフSHEN LONGYUAN(背番号12)やロンドンオリンピック世代のBALI MAIMAITIYILI(背番号20)、シンプルなボールさばきが持ち味のゲームメイカーWANG SONG(背番号6)、MASIERO(背番号10)など能力は高い。前回対戦でもゴールを決めたホンジュラス人FWのRAMIREZは190cmの巨漢で、ポストプレーヤーとしても良い働きを見せていた。手負いの名古屋にとって、このチームから勝利を奪うことは、少なくともアウェイでの戦いを考えれば容易なことではない。

では、名古屋はいかにして戦うのか。最前線と最後列のキーマンを欠く中で、メンバー構成から察するに布陣は4−4−2が濃厚とみられる。闘莉王の代役には千代反田充が、ケネディ不在の攻撃陣は、永井謙佑と玉田の2トップに加え、藤本淳吾と中村直志が守備的な中盤を、サイドアタッカーに小川佳純と新人の吉田眞紀人あたりが起用されるだろう。ACLで評価を上げてきた吉田は、試合を追うごとに落ち着きを増し、動きも効果的になってきた。同じく評価を上げてきた磯村亮太を中盤の底に配し、藤本をサイドハーフで使う手も考えられる。アウェイでのFCソウル戦のように主力を大幅に欠く中での戦いとなった今回も、若手の奮起が名古屋の鍵を握りそうだ。

玉田もまた、重要人物である。突破力とキープ力だけでなく、パスワークの流れとリズムを作り出せる存在として、彼の復帰の意味は大きい。チームを引っ張る精神的支柱としても、経験豊富な玉田の存在は心強い限りだ。川崎F戦でボランチを務めた藤本は「タマさんが起点を作ってくれるので、低い位置でボールを受けに行った」と、ビルドアップにおける貢献度の高さを感じていた。復帰戦で見せた決定力は、勝負強さと言い換えてもいい。最高の復活劇で勢いに乗る背番号11は、名古屋にとって数少ない明るいニュースである。

どちらのチームにとってもモチベーションは高い一戦となる。名古屋は勝てばグループリーグ突破が決まる。杭州にとっては突破の可能性をつなぐための戦いだ。今大会は勝点の次に当該チームの対戦成績が重要視されるレギュレーションのため、名古屋は杭州に引き分けると、最終戦での戦い方も難しくなってしまう。つまり、両チームが狙うのは勝点3の獲得のみ。オープンな展開とはならないまでも、全体としても局面としても激しい試合になることは間違いない。勝てばACLに余裕が出る名古屋は、大胆なターンオーバーで負担を和らげることもできるだろう。にわかに5月の勝負どころとなってきた一戦で、目論見どおりの結果を挙げられるか注目だ。

以上


2011.05.02 Reported by 今井雄一朗
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