スカパー！生中継 Ch181 後02:50〜
☆totoリーグ
----------
試合ごと着実に内容を改善させて再開後は無敗の清水が、2度目のホームゲームで迎えるのは、攻撃の洗練度がＪ屈指で、開幕以来無敗の広島。非常に厳しい戦いになることは必至だが、今節と次節（アウェイの名古屋戦）は、清水にとって大きな踏ん張りどころ。とくにホームゲームでは、どんな相手でも勝点3だけを目指して戦うことに変わりはない。
広島の印象について、清水のゴトビ監督は「長い間ずっと一緒にやっているチームで、選手たちが役割を理解し合っている。彼らにスペースや時間を与えてしまえば、しっかりとコンビネーションして崩してくる。守備では人数をかけて守り、カウンターを狙ってくる。非常に良いチームだと思う」と語り、相手の力は十分に認めている。速いテンポでのパス回しと、それをベースにしたスピーディーな攻撃が非常にうまく、その意味では今年の清水が目指している攻撃に近い―というよりも、一歩先を行くチームであることは認めざるをえない。
前節の磐田戦でも、広島は持ち前の攻撃力を存分に発揮した。得点はPKによる1点だけにとどまったものの、見事な連係からチャンスを作り出す場面を何度も見せ、アウェイでもゲームを支配する戦いを披露。試合後は広島に戻ることなく、静岡県内で練習を続け、静岡2連戦に備えている。
そんな広島の攻撃に対して、清水のGK山本海人は、「向こうはワンタッチでつなぎながら中央を割ってくるのもうまいので、なるべく（守備布陣を）コンパクトにして、間を通させないようにしたい。トップに当ててくるボールをしっかりとつぶすことも大事だと思う。そうやって相手をサイドに追いやり、センタリングを上げさせるようにしたい」と語る。サイドからのクロスに対しては、清水守備陣は非常に強く、GK山本海もとくに自信を持っている分野。したがって、中央を割られたり、DFラインの裏をとられたり、またカウンターから危ない形を作られたりする場面を最小限にすることが、清水が広島の攻撃を抑えるためには重要となる。
ただ、清水としては「相手がどうプレーしたいのかわかっているが、われわれは自分たちのやり方で戦いたい」（ゴトビ監督）と、必要以上に相手に合わせるつもりはない。再開後の2試合では着実に手応えをつかんでおり、選手たちも徐々に自信を増して、自分たちの力を発揮しやすい雰囲気が出てきている。
とくに、自身初の2試合連続ゴールを決め、攻撃を力強く牽引している大前元紀は、本当に頼もしい存在へと急成長中。「自分はゴールを決めるほど乗ってくるタイプ」と本人も言うだけに、今節も大いに期待できそうだ。
また前節・横浜FM戦では、岩下敬輔のアンカー起用と、小野伸二の左サイドという2つのマイナーチェンジがよく機能し、有力なオプションのひとつとなった。小野は、サイドに入ったことでゆとりを持ってボールを持てる場面が増え、守備の負担も軽減されて、より攻撃での貢献度を増した。岩下は、バイタルエリアを締める役割だけでなく、DFらしからぬパスセンスも発揮して、今後の期待値を高めている。
今節は守備も重要であることを考えると、横浜FM戦でよく機能した岩下と枝村匠馬、山本真希の中盤3枚は動かしにくいだろう。そのため先発は、横浜FM戦の布陣がベースになる可能性が高そうだが、毎節何かしらのサプライズ起用を見せているゴトビ監督のこと、今回もどこかでサプライズがあるかもしれない。
今季は試合2日前から練習を非公開にすることが恒例となっていて、先発の予想は難しいだけに、清水サポーターにとっては、そのサプライズも毎節の楽しみになりそうだ。
それでも、清水が発展途上のチームであるのに対して、広島は非常に完成度の高いチームであるという前提は変わらない。したがって、清水が自分たちの力を十分に発揮できたとしても、苦しい時間帯は必ずあるだろう。そこを粘り強く耐えて、自分たちのチャンスはしっかりと決め、勝点3をつかむことが清水イレブンに与えられたミッションだ。
そのためには、ゴールデンウィーク唯一のホームゲームに数多く駆けつけるであろう清水サポーターの、力強い後押しも絶対に欠かすことはできない。
以上
2011.05.02 Reported by 前島芳雄
