スカパー！生中継 Ch184 後01:50〜
☆totoリーグ
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昇格組ながら3連勝で首位に立つ柏がNDスタに乗り込み、17位・山形と対戦する。
ホームの山形がここまで3試合で挙げた勝点は1。しかし、対戦したのは川崎F、C大阪、G大阪と、昨シーズンのトップ3や上位の常連だ。G大阪戦では2点差を追いつき勝点1を得るチャンスもあったことを考えれば、現在の順位に必要以上に落胆することはない。逆に再開時と比べて格段にゲーム感覚が戻り、修正の成果が試合で表れてきていること、前節で佐藤健太郎がチーム今季初となる自身J1初ゴールを、宮本卓也がJ初ゴールを挙げているなどプラス材料も多い。
ただし、5月はその内容を勝点に結びつけるための、勝負の1カ月になる。5月の対戦は柏に始まり、磐田、大宮、仙台、甲府と続く。ここでの勝点の奪い合いは今後の残留動向にも大きく影響するだけに、開幕から好スタートを切れなかった山形としてはできる限りの結果が欲しいところ。5月最初の日に、小林伸二監督も「この5つのゲームを大事にしたい。それは今日一番はじめに選手に話をしました。勝ち越しをするような形にしていかないと苦しくなると思っています」と話している。
Ｃ大阪を無失点に抑えることも、G大阪を相手に2点差を追いつくこともできた山形が、今節でまず目指すべきものは、やはり相手に先制点を与えない試合運びで勝点3を得ることだ。最近では「引いて守れば失点しない」と守備に自信を持つ言葉も選手から聞かれるようになっている。失点パターンは、攻撃と守備の意思にズレができ守備に徹することができなかった場合、そして自分たちがボールを持ちながら悪い奪われ方をした場合だ。思った以上にボールが奪えている時間帯、ボールが回せている時間帯でこそ細心のリスク管理をすることはやさしいことではないが、そこを克服した先にチームとしての前進がある。運動量が求められるウイングに廣瀬智靖、伊東俊を投入し、攻撃モードに切り替えるパターンも確立しているが、まずはそこまで粘り強さを発揮したい。
柏は開幕戦で、ゴトビ監督を迎えた新生・清水を内容でも圧倒し3-0と勝利した。その日の出の勢いは、6週間の中断期間を経てもとどまる気配がない。第7節・大宮戦の前半は押されたが耐え、後半にレアンドロ・ドミンゲスの一撃で連勝すると、大津祐樹を欠いた前節・甲府戦も前半にPKを与え0-1とリードされて折り返したが、後半に田中順也と途中出場の北嶋秀朗がゴールを決めて逆転勝ち。大宮戦では4-4-2でスタートしながらハーフタイムに4-2-3-1に変更。甲府戦では逆に4-2-3-1でスタートし、後半は4-4-2に変更しているが、試合途中でのシステム修正も功を奏し、苦しい試合もモノにしてきた。ネルシーニョ監督は「まだどのチームも本調子じゃない中で、特にレイソルは本来の力を出せていない。その中でも勝っていけるというところは選手たちにとって、チームにとって大きい」と、ここまでの勝負強さを強調する。
フレッシュなFWが裏やサイドのスペースへ積極的に飛び出し、レアンドロ・ドミンゲスの決定力を中心に仕留める攻撃力は相手に脅威を与えているが、忘れてならないのは、守備を支える大谷秀和、栗澤僚一のボランチコンビの奮闘ぶりだ。2人でバランスを取りながらバイタルエリアでは相手の起点を厳しく潰し、サイドを割られる危険を察知すれば数的優位をつくりにいく。守備の薄いところを先回りし確実に下支えしているからこそ、思い切りのいい攻撃も機能している。また、怪我で長期離脱していた選手では水野晃樹が前節で復帰を果たし、兵働昭弘が前節ベンチ入りするなど、この連戦中に一気に走り出す態勢を整えつつある。
山形の昇格によりJ1での初対戦となった09年は、山形の1勝1分。特に、13位・山形と16位・柏が勝点7差で対戦した日立台での第30節は、両チームの選手、サポーターの記憶に今でも深く刻まれているに違いない。結果は山形が宮沢克行のゴールで1-0と勝利。残り4試合で両チームの勝点差が10に広まったことで、山形はJ1初のシーズンでの残留をほぼ手中にし、一方の柏はその後2連勝と最後の粘りを見せたが、第33節・大宮とのスコアレスドローで力尽きている。
ライジング・サンは東北の空でも燦然と輝くのか。それとも、山の懐に沈むのか。注目の一戦は14時キックオフ。
以上
2011.05.02 Reported by 佐藤円
