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【J1:第9節 浦和 vs 横浜FM】プレビュー:懸念された展開で仙台に敗れた浦和。横浜FM戦では割り切った戦い方も必要になる(11.05.02)

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5月3日(火)J1 第9節 浦和 vs 横浜FM(14:00KICK OFF/埼玉チケット販売はこちらリアルタイムスコアボード
スカパー!生中継 Ch183 後01:50〜
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現在地がはっきりした。予想通り、浦和は仙台戦で“ボールを持たされる”展開となったが、ビルドアップし、前線までパスをつなぎ、ラスト3分の1のところで勝負、という形はまったく作れなかった。中途半端な形でパスカットされ、カウンターを受けた。浦和は名古屋にやったことをそのまま仙台にやられて負けた。
今の浦和はやはりボールポゼッションの状態から相手を崩す術に欠けている。それはプレシーズンマッチの頃からはっきり顔を覗かせていた課題だが、仙台が浦和にボールを持たせる戦いをしたことで改めて問題点として浮き彫りとなった。
DFラインからボールをつなぐ際に、パスコースをうまく作れていない。相手がブロックを築いて待ち構えているなかで、受け手となり得る選手たちはマークを外してゾーンの間や相手の裏で受けようとする動きが乏しい。止まっている状態でボールを受けようとするから、相手のDFに狙われてボールをカットされている。「引いた相手に対してアイデアが乏しかった。みんな足が止まっていたような気がする」と永田充は仙台戦を振り返っている。

ただ、動き出しが少ないことは単純に受け手だけの問題ではない。原口元気は「ボールを触る回数が少なかったし、裏を狙えと言われて裏に走ってもボールが出てこなかった」と語る。アクションを起こしてもパスが全然出てこなければ、足が止まってしまうのも仕方のないところだ。
出し手は前線の動き出しがないからパスを出せないと考え、受け手は動いてもボールが出てこないと感じている。狭いエリアでパスをつなぐには、間に顔を出す動きと、その動きに合わせてタイミング良くパスを出すことが必要だが、その根本的な部分でイメージをまったく共有できていないのが現状だ。それは芝が短かったり、水がまかれていたり、パスミスがなくなれば解決するような単純な問題ではない。「チームとしてもう少し考えてやらないとあのように引いた相手には攻められない」と永田は警鐘を鳴らす。ボールを持たされる展開になったら、今のままでは高確率で仙台戦と同じような流れになってしまうだろう。

おそらく、横浜FMは仙台のように浦和にボールを持たせてくる。今の横浜FMは「ちゃぶる」といった遊びの部分は削られ、実利主義的なサッカーで勝点を重ねている。鹿島戦では開始直後にリードを奪ったという条件があったが、前節の清水戦ではイーブンの状況にもかかわらず全員が自陣で守備に入るという形が多く見られた。堅守速攻のもう1つ先を行く“専守防衛”とも言える手堅さが光る。「うちの後ろは固いから、我慢すれば失点しない」と小野裕二は語る。
中澤佑二、栗原勇蔵といった日本代表クラスが最終ラインにそびえる横浜FMが守りを固めれば、まさに金城湯池。試合巧者の鹿島ですら、その牙城を崩せなかっただけに、今の浦和ではビルドアップから彼らの守備を揺さぶるのは難しいだろう。「名古屋戦ではカウンターから何度か点を取ったが、カウンター主体でやっているわけじゃない。ボールを回して攻撃を組み立てる」とペトロヴィッチ監督は力を込めるが、現状は速攻のパターンが相手にとっては一番の脅威となっている。仙台戦から中3日で、課題解消に取り組む時間もない。速攻の流れに持っていけば、名古屋のような強敵も沈めることができた。勝利のためには割り切ることも大切だ。ボールを蹴り合う単調なサッカーになってしまうかもしれないが、“ボールを持たされない”ように戦いたい。

横浜FMは攻撃の際に特殊な動きをするチームだ。攻撃の起点となる中村俊輔はスタートのポジションこそサイドハーフだが、サイドの高い位置にいることは少なく、中央に入ることが多い。また、プレッシャーを避けるためか、下がる傾向が強いため、ボランチのようにDFラインの前でボールをさばくことが多い。そして中村の動きに呼応して、ダブルボランチの小椋祥平、谷口博之が前方に出る。選手たちから話を聞いた限りでは、その連動は監督が仕込んだ戦術ではなく、中村の展開力、小椋と谷口の推進力を生かそうと自然発生的に生まれたようだ。
浦和としてはパスの出どころとなる中村のケアは当然として、ダブルボランチの動き、とりわけ谷口のアクションにも注意を払わなければいけない。谷口は川崎F時代に2度も2桁得点を記録し、北京五輪ではトップ下でプレーしたこともあるほど攻撃適性の高い選手だ。特に神出鬼没な動きで後方から飛び出してきた際に存在感を発揮し、空中戦にも強い。清水の守備陣は谷口のマークをつかみ切れず、混乱する場面が見られた。セカンドストライカーのような動きをする谷口を放っておくと、痛い目を見ることになりかねない。

横浜FMにボールを奪われた際には、小野裕二に気をつけたい。高卒1年目にして背番号10を託された若手有望株は、常にゴールに向かってプレーする。DFラインの裏やサイドバックの背後を狙い、1対1になれば積極果敢にドリブル勝負を挑んでくる。スピードとスキルを高いレベルで兼備し、DFにとっては非常にやっかいな選手だ。カウンターの際にターゲットになることが多く、GKが直接フィードを合わせるケースも少なくないので、浦和DF陣は彼の動きに常に気を配っておく必要がある。
そして注意すべきと言えば、やはりセットプレーは外せない。中村というプレースキックの名手がいて、中澤、栗原を筆頭に空中戦に強い選手が揃っている。「俊輔さんのセットプレーがある」と田中達也も警戒する。セットプレー時に集中を切らさないことはもちろん、自陣深い位置では簡単にファウルしないように気をつけなければならない。
埼玉スタジアムでは2006年を最後に横浜FMには勝てていない。5年ぶりの白星をサポーターとともに祝い、仕切り直しといこうではないか。

以上


2011.05.02 Reported by 神谷正明
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