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【J2:第9節 F東京 vs 札幌】レポート:誇れる剣を!F東京との戦力差を埋めた札幌の持つ武器。(11.05.01)

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4月30日(土) 2011 J2リーグ戦 第9節
F東京 0 - 0 札幌 (13:04/味スタ/17,572人)
スカパー!再放送 Ch180 5/2(月)前04:30〜
totoリーグ中断期間を振り返るJ2編
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札幌の石崎信弘監督は、試合後の監督会見にこの言葉を忍び込ませた。「“残念ながら”引き分けてしまいましたが…」。裏を返せば、彼らにはこの一戦に確かな手応えがあったことを含んでいた。

F東京は30日、味の素スタジアムで札幌と対戦し、スコアレスドローに終わった。互いに11本のシュートを打ったが、ゴールネットを揺らすことはできなかった。F東京は1勝1分1敗で13位。札幌は開幕3戦未勝利となったが、連敗を止めて1分2敗の18位。平等に勝点1を積み上げた。
だが、試合直後の両ゴール裏は、対照的な姿だった。ホームゲームで圧倒的な勝利を期待したF東京側からはブーイングが飛び、札幌側からは拍手が送られた。この差が、チームの調子を顕著に表していた。F東京と、札幌には戦力差がある。個々の選手の経験や、実績ではF東京が上回っているが、札幌にはその差を埋める力があった。

札幌にはF東京の喉元に突き立てる剣があった。MFアンドレジーニョが、単独カウンターから東京ゴールを脅かし、近藤祐介が左サイドから迫力ある仕掛けを見せた。そして、守備ではゴール前に人数を掛け、激しい守備でF東京の攻撃に応戦した。「1人交わされた後のカバーリングや、体を張ってゴールを守るという戦う意識はでてきたと思う」と、石崎監督。チームの武器が明快で、それを生かそうという狙いもはっきりと見て取れた。彼らには、F東京の大熊清監督が言う「(自らの)安定と、(相手に与える)脅威」が備わっていた。

逆にF東京には、寄りかかる頑丈な杖がなかった。チームが戦術の柱に考えてきた選手たちを怪我で欠き、チームを再構築している段階。平山相太の高さも、石川直宏の突破も今のチームにはない。ロベルトセザーや、ペドロ・ジュニオールといった新戦力は、未知数とは言わないが、彼らをチームにフィットするまでには時間が必要だった。大熊監督は後半、勝負に出た。54分からセザーと、ペドロを2トップに並べたが、彼らの併用はうまく機能しなかった。「スペースを意識できていなかった」と、指揮官は言う。2人は、中央でドリブルを仕掛け、何度も簡単にボールを奪われてしまった。計算できる武器を持たないチームはやはり辛い。ペドロと、セザーの2人を生かしたグループによるパスワークも効果的と言える代物ではまだなかった。

引き分けという結果は、石崎監督の解説通りだろう。「戦術的な交代ではなく、まだ疲れたから交代しなければいけないというレベルだった。やはり先発で出場する選手は90分戦える力を持たないといけない。そして、途中から出場した選手も、砂川はある程度計算できるが、その他の選手はもっともっと試合時間が少ない分いろんなことをやっていかないといけない」(石崎監督)。アンドレジーニョが63分に退き、近藤も71分にベンチに下がった。脅威となった手札が、ピッチを後にしたことでF東京は救われた。

F東京MF徳永悠平は試合後、「勝ちきれる内容でもなかったし、一方的な展開でもない」と語っている。セザーや、ペドロといった強烈な個性をいかにチームに組み込むかが課題となる。配置や組み合わせは、再考が必要だろう。大熊監督は「前線が固まれば、中盤の構成も決まってくる。やっぱり前だと思う」と、チーム作りについて語っている。逆に言えば、守備意識や、攻守の切り替えなど、ベースとなる部分ではチームの成長を感じているはずだ。F東京は、早く誇れる剣を手に取らなければいけない。原監督時代のヤンチャなオープン攻撃や、城福監督が描いたMoving Football。ファンや、サポーターが、スタジアムで期待するのは明確な武器のはずだ。「F東京はこういうサッカーをするから面白いよ」という誘い文句がなければ、スタジアムの空席は埋まらない。

以上

2011.05.01 Reported by 馬場康平
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