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【J2:第9節 鳥栖 vs 東京V】レポート:前節の流れをそのままにホーム開幕戦を飾った鳥栖。流れを引き寄せる力がついた。ミスからの失点で流れを握りきれなかった東京Vは、次節に初勝利を誓う。(11.05.01)

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4月30日(土) 2011 J2リーグ戦 第9節
鳥栖 3 - 1 東京V (13:06/ベアスタ/5,481人)
得点者:27' 早坂良太(鳥栖)、45' 早坂良太(鳥栖)、60' 平繁龍一(東京V)、86' 豊田陽平(鳥栖)
スカパー!再放送 Ch181 5/1(日)後00:30〜
totoリーグ中断期間を振り返るJ2編
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勢いとは、こういうことを言うのだろう。
前節の試合同様に、鳥栖は左からのクロスに合わせてシュートを放った。2分の池田圭のヘディングはバーを越えたが、27分の早坂良太は左足で東京Vのゴールネットを揺らした。これが口火となり、終わってみると3−1で鳥栖が勝利を収めた。放ったシュート本数は12本と東京Vの13本を下回った。相手のシュートが多かったのも前節同様ならば、スコアも3−1と同じ。今の鳥栖には、この勢いがある。
対した東京Vも、前節同様にミスからの失点で苦境に自らを追い込んでしまい、後半に1点を返すもひっくり返すことはできなかった。「前節のコピーのような試合」と川勝良一監督(東京V)も認める内容だった。

とはいえ、図って試合になるほどサッカーは甘くない。そこに至るまでの伏線があるわけで、互いに相手のストロングポイントとウィークポイントを知っているからこその結果だったのかもしれない。
鳥栖は開始早々から積極的に攻めた。2トップに入った池田圭と野田隆之介をうまく使い、高い良い位置でボールをコントロールしようとした。この2人へボールを預ける起点が、今季の鳥栖には多くあるのがストロングポイントである。ボランチに入る岡本知剛と永田亮太のパスセンスは誰もが認めるところ。彼らがボールを持った瞬間に攻撃のスイッチが入ることは、前節で実証済みである。今節も、幾度となくその瞬間を見ることができた。
その極め付けが27分である。やや左サイドに流れた永田亮太が東京Vからボールを奪うと、前を向いて走り出した池田圭にボールを送った。池田圭のスピードも、前節に実証済みである。うまくDF裏に抜け、一瞬中を見た時に右サイドから中に入った早坂良太の姿を捉えていた。
「圭からボールが来ると感じた」と早坂良太はその時のことを試合後に振り返った。この阿吽の呼吸も今の鳥栖にはストロングポイントである。低い弾道のパスを、東京VのCBの前で左足で合わせて先制点を挙げた。
この先制点で勢いに乗った鳥栖は、前半の残り20分をほぼ自分たちのペースで試合を運ぶことができた。45分には、野田隆之介のキープからこぼれたボールが早坂良太の所に流れて追加点が生まれた。
良い流れの中で追加点を奪うことができるのも、今の鳥栖のストロングポイントである。
しかし、この良い流れのままに90分を終えることができないのが、鳥栖のウィークポイントといえる。東京Vは、後半開始からFWに平繁龍一を入れて状況の打開を図った。前線にターゲットができると中盤のパス回しが生きてきた。この中盤でのパス回しから相手を崩すのが東京Vのストロングポイントである。細かなパス回しで状況を打開しシュートコースを空けてからフィニッシュまで持っていく力を東京Vは持っている。菊岡拓朗や河野広貴のドリブルとパス交換で徐々に鳥栖の守備網に穴が見え始めてきた。流れが東京Vに傾きかけていた。
この傾きかけた勢いは、守備の中でも生きてくる。60分には押し込まれた中からカウンターで鳥栖のDFを切り裂いた。クリアボールから右サイドの菊岡拓朗が持ち上がり、中央に走り込んだ平繁龍一が右足で決めて1点差に詰め寄った。菊岡拓朗も途中出場の平繁龍一も試合を通して3本ずつのシュートを放っている。個のチカラで状況を打開できるのも東京Vのストロングポイントである。

この直後から、鳥栖は東京Vの中央からの攻撃を阻止するために、黒木晃平を池田圭に代えてMFの位置にいれ、4−1−4−1のシステムに変更した。
流れを変えるためには、メンバーの変更やシステム変更はサッカーの世界では定石である。25分という残り時間の中で、尹晶煥監督は鳥栖の選手に守備のスイッチを入れたのだろう。それまでのように前線からボールを追っていては、疲労が顕著に出てくることも考えられる。現に野田隆之介の足の疲労はピークに差し掛かっていたし、MFやDFのプレスも甘くはなってきていた。東京Vに傾きかけた勢いを止めるには、一気に守備モードにチェンジすることも必要であった。
この、一気にシステムを変更する事ができるのも、今季の鳥栖のストロングポイントである。

前がかりになった東京Vに緊張の糸が切れる瞬間が出た。86分のことである。この一瞬の緩みで、鳥栖の今季のホーム初勝利が確定し、東京Vの今季の初勝利が次節以降に持ち越されることになった。
自陣左サイドからのスローインを佐伯直哉とGK土肥洋一が互いに譲り合った格好となり、FW豊田陽平(鳥栖)が右足で豪快に蹴りこんで試合を決定付けた。
最後までボールを追う姿勢は、今季の鳥栖の最大のストロングポイントである。

今季もベストアメニティスタジアムに鳥栖がその姿を見せてくれた。戦う姿勢と最後まであきらめない気持ちを持って。
その姿を見るたびに、鳥栖への愛着とサッカーへの興味が深くなっていく。
地元にサッカーがある喜び。応援するチームがあることから得られる勇気や希望。スポーツの魅力の奥深さにあらためて気づかされる。仙台をはじめ、東北・北関東の方々も同じことを感じているのではないだろうか。
前節の仙台の試合を見て、遠く離れた私たちの方が力を貰っていることにも気づいた。
今こそ、同じフィールドで、同じルールで、同じ競技で、気持ちをひとつにする絶好の機会である。
サッカーでできること。サッカーしか出来ないこと。サッカーファミリーは、同じ使命を持っているのである。

TEAM AS ONE=チカラをひとつに=

以上

2011.05.01 Reported by サカクラゲン
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