本文へ移動

今日の試合速報

夏休みはJリーグに遊びに行こう! 全国で180,000名様ご招待!
夏休みはJリーグに遊びに行こう! 全国で180,000名様ご招待!

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第9節 岐阜 vs 水戸】レポート:岐阜が木村サッカー全開で初勝利!掴んだ大きなきっかけ。(11.05.01)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
4月30日(土) 2011 J2リーグ戦 第9節
岐阜 2 - 1 水戸 (16:05/長良川/5,832人)
得点者:2' 佐藤洸一(岐阜)、62' 嶋田正吾(岐阜)、89' 小澤司(水戸)
スカパー!再放送 Ch183 5/1(日)後11:00〜
totoリーグ中断期間を振り返るJ2編
----------
岐阜の怒涛の攻撃は試合開始のホイッスルと同時に起こった。「ポイントは前線からのプレスが最初からはまるか。どうしても勝点3がほしい状況で、最初からがむしゃらにやらないといけないと思った」とFW西川優大が語ったように、岐阜は立ち上がりから西川と佐藤洸一の果敢なフォアチェックを中心に、猛プレスを仕掛けていく。

これに出鼻をくじかれた水戸は混乱に陥り、中央でのマークが甘くなっていく。すると2分、左サイドを突破した染矢一樹のクロスを、西川がヘッド。これはゴール右ポストに直撃したが、跳ね返ったボールを佐藤が詰めて、岐阜が今季初となる先制点を奪う。
9分には左サイドの高い位置でボールを奪うと、MF染矢一樹のグラウンダーのクロスに、中央で佐藤がダイレクトシュートを放つが、これはGKの正面。13分には左CKから、再び佐藤がどんぴしゃヘッドで合わせるが、これもGKの正面を突いた。
先制した後も、岐阜のサッカーの勢いは止まらなかった。積極的なプレスに、奪ってからの質の高いカウンター。これまであまりできていなかったこの形が出来たのは、2人のキープレーヤーの存在が大きかった。

西川と三田光。この2人がこの試合で大きな存在感を発揮した。西川は前線で張ったかと思えば、2つ目まで落ちてきて、ボールを集約した。常に相手の嫌がるところに顔を出し、相手のCBとサイドバック、ボランチの気を引かせ、そこで生まれたスペースに、佐藤、右MF嶋田正吾やボランチの橋本卓が絡んで、チャンスを作り出していった。
そして岐阜デビュー戦となった三田光は、中盤の底で絶妙なポジショニングを駆使して、岐阜のアタッキングサッカーのリスクマネジメント係を一任すると、26分にDFラインの裏へ飛び出した染矢に送ったパスのように、得意のロングキックで攻撃の起点にもなった。
これまでのリーグ3試合では、前線からのプレスと奪ってからのショートカウンターが機能する反面、ミスなどで安易にカウンターを食らって失点するシーンが散見された。しかし、この試合では三田がしっかりと全体が攻め上がった時のリスクマネジメントをしてくれたおかげで、ひやりとする場面はあったが、致命傷には至らなかった。

1−0で迎えた後半も、岐阜のサッカーは安定していた。水戸は左サイドバックの鶴野太貴に代えて、ドリブラーの小澤司を投入。染矢と野垣内俊のコンビで、再三チャンスを作られていた右サイドに、小澤を置き、右MFの小池純輝を左サイドバックに移した。野垣内の上がった裏のスペースを小澤に有効活用させようという狙いがあった。
しかし、その小澤に対し、橋本と野垣内がしっかりとケアし、彼の持ち味を消しにかかると、逆に前掛かりになった左サイドをより有効活用していく。52分、左サイドをオーバーラップした野垣内がドリブルで持ち込むと、二アサイドへのプラスのパスを佐藤が受けて、マイナスの折り返し。これを後方から走りこんできた橋本が強烈なシュートを放つが、これはバーを直撃。
すばらしい形で絶好機を演出しながらも、なかなかゴールが割れず、徐々に嫌な空気が流れてきたが、62分、今度は右サイドを切り崩し、貴重な追加点が生まれた。右サイドでボールを受けた嶋田が、中央から縦に走りこんできた西川へパス。西川のすばやい折り返しを、ペナルティエリア内にパス&ゴーで進入してきた嶋田が、豪快に左足を振り抜き、ゴール左サイドネットに突き刺した。これはまだ気が早いが、今季ベストゴールのひとつに挙げてもいいほどのビューティフルゴールだった。
終始劣勢を強いられていた水戸も、89分に小澤が見事な反転シュートを決めて、反撃ののろしを上げ、試合終了間際にもビッグチャンスを迎えるが、これはものに出来ず。開幕3連勝はならなかった。

2−1で岐阜の勝利。先手必勝で先制し、その後もイニシアチブを相手に奪われることなく攻め続け、後半に追加点を挙げる。終盤に相手の個人技から1失点をし、初の完封こそ逃したが、岐阜にとってはまさに理想的な展開だった。
「やっと勝点3が取れて、選手たちにも自信につながる。これまでやってきたことが間違った方向ではなかった。チームにとって大きな1勝だと思う」と木村監督が語ったように、この試合のサッカーこそが、木村監督が掲げるサッカー。ついにやりたいサッカーを形作ることができた。これは今後に向けて非常に大きなきっかけとなる。

ただ、素晴らしい試合を見せてくれたからこそ、あえてここで釘を刺しておきたい。この勝利はあくまで、冒頭の西川の言葉のように、開幕からリーグ2連敗でチームが悪い流れの中にあり、そこからの脱却を誓って選手全員がとにかく必死で戦ったからこそ、生まれたものである。つまり切羽詰った状況で、選手たちの「もうやるしかない」という気持ちがあったからこその勝利。毎試合このテンションで試合をすることは難しい。それだけにこの勝利で掴んだいいイメージはしっかりと残し、どこが良かったのか、逆にどこが状況を一変させるような危険なシーンだったのかを整理しなければならない。どんなテンションのときでもこのサッカーが実行できるように、しっかりと共通理解を深める作業をしてほしい。この試合の真価はここから問われることを忘れてはならない。

以上

2011.05.01 Reported by 安藤隆人
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2024/07/29(月) 00:00 ハイライト:岐阜vs鳥取【明治安田J3 第23節】