それでも、このクラブに属する者は、各々の方法で被災者のことを思い、動いた。それぞれの地元に帰っていた選手たちは、仙台に戻るやいなや、避難所への物資配布活動に勤しんだ。クラブスタッフもまた同じで、サポーター有志の活動と連係し、日本中から仙台に送られた生活物資の仕分けと、被災地への配布に奔走した。
さらに震災後初めての合流日となった3月28日、チームは練習など全ての活動を差し置いて、まず被災地である石巻への復興支援活動に赴いた。「復興に向け、まず自分たちが先頭に立つという、被災地の当事者意識を持ってやらなければいけない。被災地に行くことで、厳しい現状を目の当たりにすれば、逆にパワーをもらって帰ってこられるだろうと思う」とは、出発前の手倉森誠監督の言葉。全体練習開始以降も、選手・スタッフは、関東でのミニキャンプに向かう直前まで、被災地の慰問や支援活動に励んでいた。
そして別の形で、被災地のために戦ったのが、梁勇基と関口訓充。3月29日のチャリティーマッチで「Jリーグ TEAM AS ONE(Jリーグ選抜)」に選出された2人は、「カントリーロード」が鳴り響いた長居で奮闘。震災発生後の日々で疲れがたまっていた仙台サポーターの気持ちを高ぶらせた。
仙台を離れてのミニキャンプの最中、宮城で最大震度6強の余震が発生、それが引き金となり、一旦は再来日を果たしてくれていたマルキーニョスが帰国を決断するなど、今回の震災はチームにも小さくない痛手を与えた。だが市原、平塚、大宮での練習試合を通じて、チームは得点力維持のため様々な方策にトライしている。震災に打ち勝った姿を見せるために、チームはきっと、この課題も乗り越えてくれるはずだ。
●再開に向けて 梁勇基選手コメント
「(中断期間、仙台で練習ができない中、練習場を無償提供してくれた市原市など、様々な支援を受けたことについて)本当に感謝の一言に尽きると思いますし、そういった方々の協力やご支援がなければ、こうやってキャンプもできず、Jリーグ再開に向けて、より不安になったりコンディションを上げるのも難しくなったと思います。
本当に感謝したいですし、何かの形で、自分たちも恩返しができればと思います。
(再開初戦の)川崎F 戦は、本当に注目される一戦だと思います。どのチームも勝っていいスタートを切りたいと思っているでしょうけれども、特に自分たちは今年、やっぱり勝たなければいけないと思うので、勝ちたい気持ちを今まで以上に出して戦いたいと思います。
自分たちもサッカーを通じて、たくさんの人に元気を与えられるように頑張りたいですし、Jリーグの試合以外でも、自分たちが直接足を運んで、一緒にボールを蹴ったり、子どもたちと話をしたりという部分で、できる限りやっていきたいと思っています。下を向かずに、被災地の方々や子どもたちと一緒に頑張っていきたいです」
●再開後のスケジュール
■第7節
4月23日(土)J1 第7節 川崎F vs 仙台(14:00KICK OFF/等々力)
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■第8節
4月29日(金)J1 第8節 仙台 vs 浦和(14:00KICK OFF/ユアスタ)
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以上