今季の補強の目玉として、再び栃木SCに戻ってきた河原和寿選手。サポーターから大いに期待されていたものの、ザスパ草津との開幕戦では浦和レッズとのプレシーズンマッチから唯一スタメン落ち。浦和戦と草津戦を観て本来の姿とは少しギャップがあるように感じたので、「実はスロースターターですか?」と尋ねたところ、苦笑いを浮かべながらこう答えてくれました。
「走ることは問題ないけど、ボールのフィーリングとか、移籍を繰り返しているので周囲とのコミュニケーションを取ることに時間が掛かります。今は自分の良さがどうして出ないのか悩むことが多いですね。でも、それも成長する上ではいい悩みだと思っています」
一昨年も栃木に在籍していたことでチーム戦術の理解度は高く、難易度の高いゾーンディフェンスにも適応できていたものの、攻撃面では得意とする背後への飛び出しなど持ち味を出し切れていない印象を受けました。周囲との連係に関しても改善すべき点があるようにも映りました。攻守交代の際に見せる守備意識の高さは途中出場した開幕戦でも見られ、献身的な姿勢は昇格を狙うチームには不可欠ではあるものの、どこか物足りなさを感じていたのも事実です。それは13ゴールを挙げた一昨年、ストライカーとして存在感を示した強烈な記憶が残っているから。
東北・関東大震災の影響でリーグ戦が中断。地震の被害に遭った栃木はトレーニングがオフになり、再始動したのは3月25日。リスタートを切ってから軽快な動きを見せていたのが河原選手でした。チームプレーをしっかりこなしつつ、個人プレーでも特長を発揮。震災後に初めて臨んだ大宮アルディージャとのトレーニングマッチ(30分×4本)では、主力組として出場し2ゴールに絡む活躍。「今日はシュートよりもパスの方が確実だと思えたし、冷静にプレーできました」と水沼宏太選手のゴールをお膳立てしたパスを振り返り、「あとはフィニッシュの形を作りたい」とゴールへの意欲も語りました。
ようやくエンジンがかかってきた河原選手は、開幕スタメン落ちを「開幕から外されたことで刺激をもらいました。ある意味、監督からの喝かもしれなかったと真摯に受け止めました」。そう解釈した上で、「そこで沈むのではなく、跳ね上がるのが僕の今の立ち位置。もらったチャンスを生かさないといけない。そうじゃないと次はない。危機感を持ちながら、一度下がったからには失うものはないと考えてプレーしたい」と、レギュラー奪取へ向けた逆襲を誓ってくれました。
チーム得点王になった一昨年も、ファーストゴールを奪ったのは4月の後半。リーグ再開は4月23日、カターレ富山戦。ゴールが生まれる時期としては申し分ありません。2度目の“開幕戦”でスロースターターがロケットスタートを切れるのか。ぜひ注目してください。
以上
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2011.04.04 Reported by 大塚秀毅
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