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【J2:第1節 熊本 vs 東京V】レポート:前線からのプレスが機能して主導権を握った熊本が、1-0で東京Vを下す。4年目にして初の開幕戦勝利で昇格に向け好発進。(11.03.07)

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3月6日(日) 2011 J2リーグ戦 第1節
熊本 1 - 0 東京V (15:07/熊本/6,611人)
得点者:39' 根占真伍(熊本)
スカパー!再放送 Ch185 3/8(火)前10:00〜
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 冷たい雨が降ったことも響いて観客数は6,611人と伸び悩んだが、開幕にふさわしい、熱い雰囲気のゲームとなった。キックオフ前には両チームのサポーター間でエールの交換(昨シーズン、東京Vのサポーターが熊本で協力を募った署名活動へのお礼を込めたもの)が行われ、サッカーでつながる素晴らしさと、新たなシーズンを迎えられた喜びを噛み締めることができた。
 試合の方は、ホームの熊本が1−0と辛勝。Jリーグ4年目にして初めて開幕戦を勝利で飾り、目標である昇格に向けて幸先の良いスタートを切った。

 スコアは1点差だが、内容的には熊本のゲームだったと言っていい。試合後に高木琢也監督も振り返っているとおり、熊本の勝因としては、アグレッシブな姿勢のディフェンスを貫いた点が挙げられる。対戦相手の情報が少ないという開幕戦独特の難しさも含め、高木監督はこの試合について「守備に回る時間が長くなると思う」と話していた。しかし実際には、熊本の方がボールを支配する展開に。
 というのも、決して「引いて守る」のではなく、前からの積極的なプレッシャーに連動したコンパクトな守備ができていたからだ。選手たちの口からも聞かれたが、新加入の長沢駿と宇留野純の2トップ、さらにトップ下のファビオと両サイドの根占真伍、片山奨典のバランスや距離が非常によく、高い位置でボールを奪って攻撃に転じては、流動的に動いて上手くボールを引き出すなど、攻守両面で連続性を発揮。この試合では特に中盤で東京Vの攻撃を潰した原田拓の働きも顕著で、すべての選手が球際での激しさを見せてセカンドボールの争いで優位に立てたことも、熊本が主導権を握る一因となった。
 一方の東京Vは、スリッピーなピッチ状況に加えて川勝良一監督が言う固さも影響して、立ち上がりから思うようにボールを動かせない状況。熊本が全体的にラインを押し上げて両サイドバックも攻撃に絡んでいたことで、2列目の菊岡拓朗と飯尾一慶が前線のサポートにうまく入れない。また、熊本のプレスを受けてボランチの富澤清太郎にボールをつけて左右に広げるという形もままならず。さらに「いいタイミングの動きがほとんどなかった」(川勝監督)こともあって、前の3人がやや孤立気味になり、攻撃に厚みを出すことができなかった。
 しかし熊本としても、ボールを保持する時間が長かった割には、先制点までに思いのほか時間を要した。立ち上がりから右の市村篤司を中心に両方のサイドで再三起点を作っていたものの、なかなかフィニッシュまで至らず、記録上、前半のシュートは5本。16分に左からのクロスを根占がつないで宇留野が流し込んだ場面はオフサイドで無効となり、押し込みながらも点が奪えないという、いささか嫌な流れになりかけていた。そんな状況を打破したのは、広く動いて前線の流動性にも一役買っていた根占である。
 39分、中央の浮き球を片山が頭で落とすと、距離にして約25mの位置から、根占は思い切って左足でシュート。他の選手に当たってコースが変わるというラッキーな形だったが、「リフレクションやイレギュラーなことが起こってもおかしくない状況なので、打つことによって変化が起きる」という高木監督の目論見通りの先制点だったと言える。
 リードされた東京Vは後半開始から市川雅彦に代えてマラニョンを投入。これにより少しずつ前への圧力が増し、両サイドも攻撃に絡み始める。その後も井上平、小林祐希とフレッシュな選手を送るが、ミスが目立って逆にカウンターからチャンスを与える場面が頻発。しかし熊本も69分筑城和人、70分宇留野、71分ファビオと立て続けに決定機を迎えるなど、後半だけで9本のシュートを放ったが追加点は奪えず、1−0のまま試合終了となった。

 東京Vにしてみれば、失点は確かにアクシデント的なものだったが、選手個々、そしてチームとして本来のスキルを十分に発揮できなかったことが悔やまれる。川勝監督も「悪い意味で形にこだわりすぎたというか、フィニッシュまでの過程でも違う形が必要だった」と会見で述べているように、攻撃面でのアイデアや積極性を高めることが、この試合で見えた課題。とは言え、怪我人も多く決して万全とは言えない状況を考えれば、シーズンを通して昇格争いに絡む存在であることは間違いない。
 さて、熊本はしっかりと勝点3を手に入れ、目標に向けて上々の滑り出し。当然、追加点を奪えなかったことは修正すべき項目の一つだが、攻撃面では昨年からの進化を感じさせる場面を多く作れたこと、南雄太のセーブもあって無失点で終えたことは小さくない収穫だ。もっとも、戦いは始まったばかり。チームが成熟度を増し、夢の実現に向けて加速するのはこれからだ。

以上

2011.03.07 Reported by 井芹貴志
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