本文へ移動

今日の試合速報

夏休みはJリーグに遊びに行こう! 全国で180,000名様ご招待!
夏休みはJリーグに遊びに行こう! 全国で180,000名様ご招待!

J’s GOALニュース

一覧へ

【J1:第1節 甲府 vs 磐田】レポート:負けてもポジティブ。負けたことは甲府にとって大きな問題ではない。やれるという自信が次に繋がる(11.03.06)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
3月5日(土) 2011 J1リーグ戦 第1節
甲府 0 - 1 磐田 (14:03/中銀スタ/15,040人)
得点者:81' 山本康裕(磐田)
スカパー!再放送 Ch185 3/7(月)後01:00〜
試合速報一覧
2011開幕特集totoリーグ顔写真クイズ
----------
開幕戦の勝敗だけにこだわるのなら甲府にとって残念な結果だが、荻晃太は「この試合で得たものは『ある程度やれるという自信』」と話した。初昇格の06年のホーム開幕戦(対清水)も、今回と同じシュート数11本対8本で相手を上回りながらも敗れた。しかし、2度目は浮かれることもなく「今年は難しいシーズンになる」という共通認識をみんなが持っている。だからこそ、「何で勝てないんだ」なんて闇雲に悩まず・騒がず、冷静に結果を受け入れ、次に繋げるにはどうすればいいのかを現実的に考えることが出来る。これも2回目の昇格を果たした現場、フロント、サポーター、スポンサーなど甲府に関わるみんなの経験の蓄積がもたらせる成長ではないだろうか。今年はそこに経験豊富な選手が加わっているので06年、07年とはまた違った反応が見られそうだ。

磐田の柳下正明監督は、大卒ルーキーの小林裕紀をボランチで先発させ、山田大記、金園英学を途中出場させるなど新加入選手を積極的に起用してきた。チームの実情を詳しく知るわけではないが、磐田は磐田で身の丈の補強を行い、新時代を創り上げようとする流れの中にあるのではないだろうか。その第一歩なら、ルーキーにとってもポジションを争うライバルにとってもいいモチベーションに繋がるはず。会見では柳下監督から「前半は何人かの選手が慌てていたり」という言葉があったが、前半から後半のような――縦パスを入れ、ボールを失わないFWがペナルティエリア内でDFを抜いてシュートを打つ――サッカーをやられていたら甲府は結構しんどかったかもしれない。

甲府はボールを持てる時間が予想以上に長かったので、組織を完成させてじっくり守るゾーンディフェンスの本領発揮というシーンは少なかった。この試合で問われたのは攻守の切り替えとなったが、前半はシュートを2本に抑えたし大きな問題はなかった。よかったのは攻撃。無得点で「よかった」というのは誤解を招くかもしれないが、マスコミ関係者に降格候補のツートップに挙げられるほど人気のチームなので、決定機が開幕前より増えたことは進歩として捉えることができる。松橋優は「『養父(雄仁)がボールを持ったらこんなパスが来る』というふうに、お互いがお互いの特徴を理解できるようになったから、ボールを持っている選手の特徴に合わせた動きが出来るようになった。中央にはマイク(ハーフナー)がいるから、繋ぐだけでなくシンプルなクロスも生きてくる」と話す。

昨年は第25節のアウェイ鳥栖戦の決勝ゴールが唯一のゴールだった松橋。「(去年は)あれだけですもん。悔しかった。今年は15000人もお客さんが来てくれた開幕戦で先発できて幸せ。完全移籍になったし、オフを短くして早い時期から身体を動かして頑張った甲斐がある」。前半開始直後のヘディングシュートのチャンスは「相当力んでしまった」そうだが、そのあとは冷静にシュートを打てた。ただ、「今日は紙一重の試合だけど、決めるところは決めないと駄目。次の福岡戦は絶対に勝つ」と気持ちが入っている。決定機も作り、11本のシュートを打ったのだから無得点でも、福岡とツートップを組む甲府にとって悪くない内容。できれば、早めにツートップから外れて降格候補のサブになりたい。

開幕戦ということもあってか、お互いに少し硬かったかもしれないが凡ミスが少なく前半から試合内容はよかった。45分間を短く感じたこともその理由のひとつ。しかし、後半は磐田の縦パスを許してペナルティエリア付近は忙しくなった。前田遼一にセンターバックが抜かれるシーンもあってJ1のタイトルを持つクラブの個のレベルの高さを思い知らされた。J2ではセンターバックが抜かれるのは、カウンターのときくらいしかなかったが2年連続得点王の前田は凄い。今年からはスポーツニュースで見る前田でなく、実際に対戦するのだから甲府のセンターバックのやる気・危機感も高まるだろう。それでも、何とか最後の最後の部分では抑えていたのだが、81分に山本康裕にやられてしまう。U-18代表の頃は期待されながらも大人しく積極性が少し足りない選手のように感じていたが、コーナーキック3連発の流れからクリアのこぼれ球を右足でゴール隅に蹴り込んだ。ゴールを決めた後には、「投げキッス」をやるくらいだからいろいろ成長したのだろう。

0−1になってからのメンタリティが勝負だと思っていたが、三浦俊也監督は85分に甲府育成組織の至宝・18歳の堀米勇輝を投入した。ベンチに座ったことはあるが、ピッチに立つのは初めて。それも、磐田陣内でのフリーキックの場面に投入して、彼に蹴らせる采配。この流れでゴールが決まれば堀米も三浦監督も2〜3日は神様になれると思って見ていたが、磐田は跳ね返した。低くて速いボールを蹴り込んだが、磐田のディフェンスラインは反応する。この1本も堀米にとって大きな経験になるはず。「もっと上手くなりたい」という想いがボーボーと燃え上がれば収穫。そのままスコアが動かずに試合が終わると、スタジアムDJが可能な限り心を込めないで、「ご覧の通り0−1でジュビロ磐田が勝ちました」と早口になる一歩手前のスピードでアナウンスをした。どこのスタジアムでもホームチームが負ければこんな感じだが、12年連続開幕戦未勝利の実績は揺るがなかった。ただ、ヤマザキナビスコカップチャンピオン・磐田のお陰で自信と課題とモチベーションをいっしょこたにした前向きのエネルギーを貰えたことに感謝したい。「負けたけれど惜しかった」という試合を繰り返してしまうことは怖いが、開幕戦に関しては負けてもちゃんと受け止めることが出来る。自棄酒を飲みたくなる試合ではない。「まだまだ〜これから〜」。次はツートップの直接対決だけに、反りが合わなさそうな(勝手な推測)三浦監督と篠田善之監督(福岡)のバチバチが楽しみ。まってろ中州。

以上

2011.03.06 Reported by 松尾潤
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2024/07/28(日) 22:30 ハイライト:京都vsシュトゥットガルト【Jリーグインターナショナルシリーズ2024 powered by docomo】