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【J1:第1節 福岡 vs 新潟】レポート:新たな歴史を刻む第一歩は0−3の敗戦。福岡は気持ちを切り替えて、次なる戦いへ向かう。(11.03.06)

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3月5日(土) 2011 J1リーグ戦 第1節
福岡 0 - 3 新潟 (14:04/レベスタ/10,254人)
得点者:52' ミシェウ(新潟)、69' ブルーノロペス(新潟)、75' 藤田征也(新潟)
スカパー!再放送 Ch182 3/7(月)前06:00〜
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福岡の新しい歴史を刻む第1戦。晴天に恵まれたレベルファイブスタジアムには10254人の観衆が足を運んだ。博多の森に厳かにたたずむレベルファイブスタジアムは、いつもの見慣れた光景。しかし、それでいて、いつもとは違う引き締まった感覚を覚える。それは、まだ冷たさが残る空気のせいだけではない。最高峰の舞台が持つ心地よい緊張感が、身も心も正してくれているようだ。そんな舞台を「雰囲気も違うし、とても気持ちのいい場所」と篠田善之監督は語る。
しかし、試合の結果は0−3の敗戦。開幕戦を勝利で飾って勢いをつけたいという福岡の願いはかなわなかった。

試合は、福岡の狙いとする形も見えれば、個の能力の差を痛感させられた試合でもあった。福岡の特徴が出ていたのは前半。ラインを高く上げたコンパクトなゾーンをベースにブロックを形成。連動した守備と、奪ったボールを素早く展開してゴールへ向かう攻撃で、立ち上がりからリズムを掴んだ。キム・ミンジェのドリブル突破から始まった15分の最初の決定機は、ゴール前に人数をかけて何人もの選手が絡んで作ったもの。そのほかにも、シンプルに相手の背後を狙う攻撃に加えて、2列目から前線に飛び出すなど、昨シーズンの攻撃をベースにしながら、新たな形を加えてリズムを刻んだ。
そして守備面では、バランスの取れた守備ブロックを形成。縦に入ってくるボールは、田中誠を中心に丁寧につぶし、最終ラインといい距離感を保つ中町公祐、末吉隼也がセカンドボールを拾って新潟の二次攻撃を防いだ。いくつかの決定機を作られたものの、まずまずの戦い方。それが前半戦の印象だった。

しかし、後半に入ると力の差、特に個の能力の差を思い知らされることになる。「昇格してきた相手だったので、負けられないプレッシャーがあったことは確か」と本間勲(新潟)が話すように、前半は硬さが見られた新潟だったが、シンプルに福岡の最終ラインを狙うことで、いとも簡単にリズムを引き戻した。そしてここから、チョ・ヨンチョルが、その存在感をまざまざと見せつけることになる。

新潟の先制点は、そのチョ・ヨンチョルの突破から生まれる。右サイドに流れていたチョ・ヨンチョルは、藤田征也からのフィードを受けて裏へ抜け出すと、スピードあるドリブルで追走するキム・ミンジェを振り切ってゴール前へ。その折り返しを2列目から飛び込んできたミシェウが右足で流し込んだ。2点目もチョ・ヨンチョルから。左サイドの深い位置でボールをキープ。対峙する山形辰徳が飛び込めずにいると、その動きを見透かしたかのようにクロスボールをゴール前へ。CBの間へ送り込まれた正確なボールをブルーノ・ロペスが頭で合わせた。
そしてさらに3点目のゴールもチョ・ヨンチョルが演出する。左サイドからのドリブルで福岡の守備陣を切り裂いた時点で勝負あり。繰り出された強烈なシュートはGK神山竜一が防いだものの、そのこぼれ球を藤田が押し込んだ。
「チョ・ヨンチョルが攻め残りのような形で張っているのは分かっていたが、そこに入るボールの質と、彼の個の突破は非常に脅威に感じた。1対2の状況を作ろうとはしたが、彼の強引さは、ベンチから見ていても嫌な選手だなと感じていた」とは篠田監督の弁。サイドの攻防が鍵とみられていた試合で、これだけチョ・ヨンチョルに自由にやられてしまっては勝ち目はない。「最初のうちは、アビスパがロングボールを使ってリズムを作っていたが、うちがサイドを起点にして突破したり、ワンツーなどでチャンスを作っていたので、妥当な結果と言えば、妥当な結果だった」と千葉和彦は試合を振り返ったが、福岡にとっては受け入れざるを得ない結果だった。

さて、いきなり厳しさを味わされることになった福岡だが、大切なことは危機感を募らせることでも、試合の結果を悲観することでもない。何よりも求められるのは、試合の結果はもちろん、いい面も、悪い面も冷静に受け止めることだ。もとより、厳しい戦いが待っているのは覚悟の上。その結果に一喜一憂していては、チームの成長はない。求める結果と、現在の力との間にある差を冷静に判断し、トレーニングの中で積み上げていく以外に、J1を勝ち抜いていく方法はない。「引きずらないことが大事」(中町)。その言葉通り、開幕戦の結果を受けて、次に何をすべきかを考えることが何よりも大事なことだ。
唯一、残念だったのは、個々で戦う姿勢を見せた選手がいる反面、チーム全体として、最後まで戦う姿勢を見せられなかったこと。先制点を喫した後は運動量も、集中力も落ちた感は否めない。次節は再びホームゲーム。迎える甲府相手に、最後まで一体感溢れる戦いがしたい。

以上

2011.03.06 Reported by 中倉一志
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