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穏やかな陽気がすこし続いたかと思えば、あくる日の吐息は白く凍えている。日頃から1枚余分に衣服を要する馬入の土手だ。寒の戻りともなれば身に沁む寒さはひときわである。それでも練習試合やトレーニングに日々サポーターが足を運ぶのは、高まる期待ゆえだろう。三寒四温が春とともに今季の開幕を運んできた。
1月21日に始動して以来、湘南はトレーニングや練習試合、タイキャンプなどを経てチームづくりを進めてきた。昨季J1ワーストに沈んだ失点を踏まえ、始動以降まずは守備に重心を置いた今季である。攻撃をとことん磨き、その対価として守備力を得ていく過去2年とは対照的なスタンスだ。就任3年目となる反町康治監督が今季掲げる変化の一端である。「整理されてきた」と選手たちが口々に語るように、日々を重ねるごとに組織的な守備は構築されてきた。
一方、攻撃面については1週間のタイキャンプを終えてから本格的に着手した。J1の新潟や昇格を争うことになるであろう横浜FCとのトレーニングマッチなど、90分間を戦い切るゲーム体力とともに実戦を重ねてきた。ただ、18名が新たに加わり生まれ変わったチームである。「すこしずつ攻撃にも動きが出てきた」と指揮官が語るとおり、さながら三寒四温のごとく前進と反省を繰り返しながら、徐々にチームは逞しくなっていくに違いない。
「たとえうまくいかなくても、一生懸命やらなければいけない」今季湘南に加入した巻佑樹は開幕に向けて言葉に力を込める。「お互いのプレースタイルは分かってきているので、試合中にも話し合いながら連係を取りたい。サポーターのために、結果はもちろん一生懸命戦う姿を見せなければいけないと思ってます」。同じく今季加入した大井健太郎も声の大切さを語った。「急に成長できるものではないが、コミュニケーションを多くとったりパスコースをひとつでも多くつくるように動いたり、意識の面でよりよく変えていくことはできる。流れが悪い時間帯は必ずあるので、そのときにどれだけクールにプレーできるかが大事だと思います」。
開幕戦となる今節、ホームに迎える岡山とは、彼らがJ2に昇格した2009年に対戦し、湘南が3戦3勝を挙げている。だが、当時ヘッドコーチだった岡山の影山雅永監督は過去に捉われていない。「まったく歯が立たなかったわけではありません。『こういうゲームができるんだ』と開幕1,2戦で示すことができれば、自分たちにとって自信になる」。一方の反町監督も、「我々は生まれ変わって間もない発展途上のチームだ。力関係は互角だろう」と過去の戦績を封印した。
新しい湘南を築く途上にあり、また怪我もあって、これまでの練習試合では思うような結果を残せてはいない。一方で、新潟と行なったトレーニングマッチはひとつの拠り所となるだろう。張りつめた集中力とともに、攻守の切り替え鋭く、ピッチ上で声を掛け合い、守備で主導権を握りながら幾度かチャンスも生み出した。
開幕戦に向け、反町監督は続ける。「ここまでトレーニングの成果としてはよくなっている。試合を重ねるごとにチーム力が上がっていければいい。相手の良さを抑え、我々の良さを出していくようにしたい」。産みの苦しみ然り、春への道のりはたやすくはなかろう。ただそのうえで、新チームの道しるべとなる1勝をまずはホームで挙げたい。
以上
2011.03.05 Reported by 隈元大吾