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☆2011開幕特集｜totoリーグ ｜顔写真クイズ
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F東京は強くはなかった。３ヶ月前の１２月４日。重圧に押しつぶされ、西京極のピッチでひざを落とした。逆境に打ち勝つだけの力が昨年までの彼らにはまだ足りなかった。そして、今年、憧れ続けた「強さ」を追い求める。大熊清監督は今シーズンの目標として「強くなってJ１復帰」を掲げた。もう一度、這い上がるために強い選手、強いクラブを目指す。
大熊東京は、チーム始動日から新たなスタイルに取り組み続けている。とは言っても、真新しいことをやるわけではない。これまで積み上げてきたことに別のスタイルを積み上げようとしている。
J２の猛者たちが相手だ。J１よりさらにタフなリーグに違いない。対戦相手は、「一泡吹かせてやろう」と挑んでくる。計算や、定石が通じない試合も出てくるだろう。だからこそ、相反する2つの戦い方が必要になってくる。
ショートパスを重ねてきたビルドアップには、ピッチの縦横を幅広く使った攻撃を加える。両ワイドに起点を置くだけではなく、最終ラインの背後を突くことで縦に広げることも求めている。
ゴール前では、サイドからのクロスボールに、縦への突破を織り交ぜる。サイドからのクロスで平山の高さを生かしつつ、新戦力のペドロ ジュニオール、ロベルト セザーのように個人で局面を打開する選手も絡める。
さらに、守備では、しっかりと３ラインのブロックを築く守備だけではなく、前線からのプレッシングにもチャレンジしている。今野泰幸が言う「90分間相手に隙を与えないチーム」を目指すには不可欠な戦術といえるだろう。
90分間、目まぐるしく変わる戦況の中で、臨機応変に最良の選択を下していく。この流動自在のスタイルを身につければ、必ず目指す「強さ」を手に入れることができるはずだ。そして、この「強さ」を追い求める戦いは、明日の開幕・鳥栖戦から始まる。鳥栖は、前線からのプレッシングをベースにしている。高い位置で奪ってからの速攻が主体のチームだ。「もし、前線からプレッシャーをかけてくるのであれば、やりやすさはある。ただ、あまりにも前線から激しく来るのであれば、（平山）相太くんに割り切って（ロングボールを）当てることも必要になってくるのかもしれない」と、森重真人。鳥栖のハイプレスをいかに交わすかが、ゲームの焦点となる。ただ、それも戦況次第だ。時間帯によっては、相手にプレッシャーをかけ続けて敵陣でサッカーをし続けるという戦い方もあるだろう。
「流れによって変わるし、いかに臨機応変にできるかだと思う。パスを回して疲れさせるやり方もあるし、攻撃するために奪うところも必要になる。なかなか両立は難しいが、相手の出所にもプレッシャーをかけたい。今年は、積極的にアグレッシブな試合を見て欲しいからね」（大熊清監督）
初戦からすべてがうまくいくわけではないが、大熊監督は「オンザピッチで、勝ち続けて感動を与えたい」と話す。指揮官が目指すもう一つの目標が叶うとき、F東京は本当の「強さ」を手に入れるはずだ。
試合は、明日14時、ホーム味の素スタジアムでキックオフする。強いF東京に生まれ変わるための道程は、明日の一戦から始まる。
以上
2011.03.04 Reported by 馬場康平
