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【J1:第1節 広島 vs 仙台】広島側プレビュー:佐藤寿人不在も、広島には李忠成がいる。チーム全員で攻めて守る広島サッカー、タイトルに向けての第一歩(11.03.05)

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佐藤寿人は、絶好調だった。ロサンゼルスでの自主トレで自らの身体を見つめ直し、チームで落ち着いて調整に専念できたこともあり、キャンプでの切れ味は半端なかった。3月1日に行われた北九州との練習試合ではノーゴールだったが、先制点につながる見事なスルーパスを披露。背番号11は、近年最高の状態で開幕戦を迎える、はずだった。
3日、吹雪の吉田サッカー公園(広島の練習場)に、エースの姿はなかった。インフルエンザのため、前日の夜から発熱してしまったという。「開幕戦(の出場)は難しい。寿人の不在は痛いが、やれるメンバーで闘うしかない」とペトロヴィッチ監督の表情も厳しい。

ただ不思議なもので、ここ最近の広島は必ず、主力不在の穴をカバーする若きヒーローが登場する。例えば昨年、佐藤寿人が右肩鎖関節脱臼の重傷を負い、代役と目された山崎雅人も負傷離脱してしまった時、さっそうと台頭したのが李忠成だった。9月18日の対神戸戦、広島移籍後初めてリーグ戦先発を果たした彼は、身体ごと叩き付けるようなヘッドでゴールネットを揺らす。2009年8月の広島移籍から約1年間かかったリーグ戦ゴールをきっかけに、李は大爆発。12試合で11得点を量産し、一気に日本代表まで上り詰めた。
アジアカップでの優勝ゴールの余波もあり、今や李はJリーグでもっとも注目を集めるストライカーとなった。キャンプでも連日にわたってメディアの取材を受け、彼をお目当てに広島のキャンプ地は連日サポーターでにぎわった。マスコミは「寿人と李、両立は可能か」と書き立て、ペトロヴィッチ監督は何度も同じ質問を突きつけられた。その度に、彼は「誰が先発として出るかではなく、チームの勝利が重要なんだ」という言葉を繰り返したのだが。

その問いに対する指揮官の答えは開幕戦で明確になるはずだったのだが、11番の予期せぬ離脱により回答は先送りとなった。キャンプでは1.5列目に入っていた李忠成が昨年後半同様、1トップに入る確率は高い。そしてその後ろには、キャンプ後半から調子をあげてきた森崎浩司や高萩洋次郎、さらに新外国人選手のムジリなど、多士済々のタレントが並ぶ。特に得点力とゲーム構成力に秀でた森崎浩の好調は、チームにとって力強い材料。さらに技術とアイディアを持つムジリの存在は、昨年まで広島になかった「アクセント」をつけてくれる。
確かに佐藤寿人の離脱は痛すぎるが、それだけで広島の得点力低下を論ずるのは早計すぎるだろう。広島の前線にはタレントがそろっているし、一人のストライカーに依存した攻撃スタイルではないからだ。後ろから数的優位をつくり、マイボールを大切にしつつアイディアを駆使する。サイドにはミキッチや山岸智などの攻撃的なタレントを有し、ボランチの青山敏弘が一気に前線に飛び出してゴールに絡む。サイドからも中央でも攻撃を創れるバリエーションも有し、ショートパスをつないでもロングパス1本でも得点につなげることができる。そんな広島のサッカーが機能すれば、完全に止めることは難しい。

一方で、槙野智章・ストヤノフが移籍した守備陣に不安を感じる向きもあるだろう。だが1対1や高さに強さを見せる水本裕貴が、予想以上に早くチームになじんでくれたことは好材料。日本代表DFの森脇良太も「昨年は槙野が攻撃的だった分、僕は自重して後ろに下がっていた。今季はミズ(水本)くんがいるので、思い切って前にいける」と語り、守備ラインの安定と自らの攻撃参加に自信を見せる。また、激しく上下動して相手にプレスをかける青山敏弘と鋭い予測と球際の強さを見せる森崎和幸、二人のボランチコンビが今季は元気で開幕を迎えたことも、広島の守備の安定にとって大きなポジティブ材料だ。

チームスローガンに「奪取」を掲げ、「この5年間でチームは熟成し、昨年はACL出場やヤマザキナビスコカップ準優勝という実績も残した。タイトルを狙ってもいいレベルにまで来ている」と広島の指揮官は語る。「仙台はアクティブな補強を実行し、能力の高い選手も多い」と対戦相手にリスペクトを表明する一方で「必要以上に怖れることはない。しっかりと我慢して相手の術中に陥ることなく、しっかりと走り、動きをつくる自分たちのサッカーを貫けばいい」と自信も見せた。

明日の広島は晴れの予報。さわやかな早春の陽光を浴びつつ、選手たちは自分たちがここまで準備してきたサッカーをピッチでぶつけ合うことになるだろう。緑の芝生の上で真っ白なボールが幾何学模様を描き、想像もつかないようなプレーがサポーターの歓喜を誘うはずだ。
今年も、Jリーグの季節がやってきた。その初戦をホーム・広島ビッグアーチで迎える喜びを、新しいナイキ製のユニフォームに身を包んだ選手たちは全身で表現してくれるだろう。その瞬間、ぜひライブで。

以上

2011.03.04 Reported by 中野和也
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