3月2日（水） AFCチャンピオンズリーグ2011
Ｃ大阪 2 - 1 アレマ　（19:00／長居／10,856人）
得点者：14' ホドリゴ ピンパォン（Ｃ大阪）、50' アラム・シャー（アレマ）、76' ホドリゴ ピンパォン（Ｃ大阪）
☆ACL特集
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今季初の公式戦にして、ＡＣＬ初陣をホームの大阪長居スタジアムでスタートしたＣ大阪は、インドネシア王者のアレマ・インドネシアに２−１と勝利。新戦力のホドリゴ ピンパォンの２ゴールにより、アジアの舞台で初の勝点３を獲得した。しかし、「もっと点を取らなければいけない試合」（レヴィー・クルピ監督）、「今日は何もいいところがなかった」（乾貴士）、「内容はまったくよくなかった」（倉田秋）と中身は低調なものとなり、新シーズンの船出で、Ｃ大阪は課題が多く残った。

気温５．６度。試合前には雨も落ちてきて、冷たい風が吹き抜け、どんよりと雨雲が上空にたなびく。そんなぐずついた天候のなかでも、１万８５６人の観衆が記念すべきＣ大阪のＡＣＬ初戦を一目見ようと、長居の地に詰めかけた。また、現在負傷のため一時帰国中の日本代表MF香川真司（現ドルトムント／ドイツ）も、古巣の応援に駆けつけた。

その声援に応えようと意気込むＣ大阪は、キックオフ直後からゲームを支配。すると、14分、キム・ボギョンの前線からのプレスをきっかけに、このボールをカットした丸橋祐介からショートカウンターが起動。倉田、キム・ボギョン、乾と素早くつなぎ、左サイドに流れた乾からゴール前に絶妙の左クロスが送られると、そこに待っていたピンパォンがヘッドで冷静に流し込み、幸先よく先制点をＣ大阪が奪う。
これで一気にたたみかけるかと思われたＣ大阪だが、その後はボールこそ支配するも、「パスのクオリティーが低かった。前半はまったくセレッソのサッカーになっていなかった」（レヴィー・クルピ監督）、「特に前線４人のプレーの質の低さが今日は目立った」（倉田）というように、ちぐはぐな展開が続く。ただし、茂庭照幸、上本大海のセンターバックコンビの頑張りもあって、前半は相手のシュートをわずか２本に押さえ込み、１点リードで折り返す。

流れを変えたかった後半も、開始早々にアレマにカウンターからシュートを許したＣ大阪。その直後の相手ＣＫの流れで、上本がペナルティーエリアでハンドの反則を取られてしまい、ＰＫを献上。これをアレマの主将、ノー・アラム・シャーに決められて、試合は振り出しに戻った。
それでも、１−１になってようやく目が覚めたのか、倉田、キム・ボギョンらの動きがよくなり、攻勢に転じたＣ大阪は、60分を過ぎたあたりから立て続けに決定機を作る。そして、決勝点を決めたのは、今季からＣ大阪の９番を担う伊達男だった。76分、左サイドで得たＦＫから、中後雅喜がゴール前に絶妙のボールを入れ、マルチネスがニアでスルーすると、その背後に詰めていたのが、ピンパォン。右足で軽く合わせて、ゴールネットを揺らし、勝ち越しに成功。この瞬間、スタジアムにＣ大阪サポーターの歓声が響いた。

その後、１点リードの終盤、追加点が取れず、逆に自陣でのミスパスなどでピンチを招いたＣ大阪だったが、ゴールライン上での茂庭のクリアなど、守備陣の踏ん張りでこれらを何とか凌ぎ、２−１でタイムアップ。薄氷を踏むような内容だったが、「今日は最低限の結果は出すことができた」（高橋大輔）。

「今日の勝利はセレッソの歴史に残るものだと思う」とレヴィー・クルピ監督は言いつつも、「決して内容はよくなかった。選手たちは今日の後半のようなサッカーを見せないと、絶対にガンバには勝てないというのは、みんな十分にわかっていると思う」と、３日後に迫ったＪ１開幕戦となる大阪ダービーに向けて、手綱を締め直すことも忘れてはいなかった。
一方のアレマ・インドネシアは、U-23インドネシア代表に帯同中の主力４選手が抜けたなかでも、ショートパスによる丁寧なつなぎや、ノー・アラム・シャーのスピードを活かしたカウンターでＣ大阪を苦しめるなど、長居に集ったアレマサポーター、「アレマニア」の熱狂的な応援も味方に、最後まで健闘。惜しくも勝点獲得はならなかったが、アレマのミロスラフ・ジャヌ監督は、「我々のチームは規律正しく、よく頑張った。今日のような寒いコンディションのなかでも、彼らは最大限のパフォーマンスを見せてくれた」と、選手たちをねぎらっていた。

以上


2011.03.03 Reported by 前田敏勝