12月4日(土) 2010 J1リーグ戦 第34節
浦和 0 - 4 神戸 (15:34/埼玉/45,941人)
得点者:31' 吉田孝行(神戸)、52' 吉田孝行(神戸)、59' 朴康造(神戸)、90'+3 小川慶治朗(神戸)
スカパー!再放送 Ch185 12/5(日)後03:30〜
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まるで優勝でも決まったかのようだった。
試合終了のホイッスルが吹かれた瞬間、神戸の選手、スタッフ、関係者が雪崩のようにピッチに流れ込み、歓喜を爆発させた。ピッチに崩れ落ちて感動で打ち震える者、仲間と抱き合って祝福する者、興奮でたがが外れた者。みな、思い思いの形で喜びを表現していた。ついには監督の胴上げまで始まった。
「奇跡と言うほかない」(吉田孝行)。勝利しか許されない、勝利しても残留できるとは限らない、他力本願の苦しい状況からの逆転残留。優勝にこそ相応しい胴上げは、あるいは少しおおげさだったかもしれないが、この日ばかりはそれも許されるだろう。
序盤は苦しんだ。神戸は持ち味である前線からのプレッシングで優位に立とうとしたが、ホーム最終戦で負けられない浦和の前進を徐々に止められなくなっていった。「2つのシーンで(徳重)健太が止めてくれたのは大きなプレーだった」と北本久仁衛が守護神に感謝したように、18分のエスクデロ セルヒオの決定的なシュート、その直後のポンテの一撃が決まっていれば、試合の流れは全く違ったものになっていただろう。
ただ、神戸は劣勢のなかでも、常に最短ルートでゴールを目指していた。ボールを奪ったら、常に吉田、ポポに素早くボールを入れようとしていた。狙いもはっきりしていた。浦和の両サイドバックの裏と、センターバックである濱田水輝のところ。浦和のサイドバックは攻撃参加に積極的なので裏が空きやすく、濱田はこの試合がリーグ初先発。神戸は何かが起こる可能性の高い場所をひたすら狙った。
すると31分、神戸のもくろみがピタリと当たる。茂木弘人が蹴ったロングボールは何の変哲もなかったが、濱田が処理を誤り、後ろから飛び出した吉田がGKと一対一に。ビッグチャンスを迎えた吉田は「最後は割と冷静に決めることができた」と右足アウトで落ち着いてGKの脇を抜いた。
この1点で神戸はペースをつかんだ。「先制点でみんなの呪縛が取れた」とは北本。吉田の値千金の一発で前半を1−0で折り返すと、後半も守りに入らず果敢に追加点を狙いにいった。
「守ることは考えていなかった。守りに入ると負けるので、攻撃的にプレッシャーをかけて、あと2、3点取るつもりで戦っていた」(吉田)。
その姿勢が功を奏したのが52分。北本のパスから小川慶治朗がゴール前に抜け出そうとしたところ、濱田に足をかけられPKを獲得。これを吉田が「冷静にGKの動きを見て蹴ったので絶対に入ると思っていた」ときっちりと沈め、勝利に大きく近づく2点目を奪った。
これで試合の流れは決まった。前のめりになる浦和に対し、神戸は速攻で逆襲。59分にポポのお膳立てから朴康造がダメ押しの3点目を入れると、後半アディショナルタイムには小川がこれまでのシュートミスを帳消しにするゴールで4−0。神戸はリーグ戦7戦負けなしと驚異の追い上げで奇跡の残留を勝ち取った。
浦和はまたしてもホーム最終戦でショッキングな敗戦を喫し、4年連続で有終の美を飾れず。ロブソン ポンテ、フォルカーフィンケ監督にとっては埼玉スタジアムに別れを告げる試合だったが、2人のために勝利の花道を用意することができなかった。ただ、この1敗で、ポンテがこれまで築き上げてきた栄光の歴史、フィンケ監督が挑んできた冒険の日々が色褪せるわけではない。
試合後、埼玉スタジアムでは、ポンテを送り出すセレモニーが開かれた。浦和の繁栄を司った背番号10は日本語でサポーター、クラブへの愛と感謝を伝えた。サポーターはハートの10とリボンをあしらったコレオグラフィーで5年半にわたる活躍を称えた。「一生忘れられない」。スタンドをぐるりと一周する巨大なリボンは、偉人のハートも優しく包み込んだ。10番のための賛美歌はしばらく鳴り止まなかった。
以上
2010.12.05 Reported by 神谷正明
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