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名古屋の優勝が決まった中で行われた前節・湘南戦だったが、G大阪のモチベーションは決して落ちてはいなかった。「気持ちも吹っ切れているし、順位が上の相手に当たって砕けろ、的にイキイキとプレーするはず」とDF高木和道が予測した通り、最下位で来季の降格が決まっている湘南が相手とはいえ、決して楽な試合ではなかったが、先制し、追いつかれる展開も、最後は途中出場のMF佐々木勇人の逆転弾で試合を決め、2位に浮上した。その32節の結果、G大阪は今節、横浜FM戦に勝てば最終節を待たずして3位以内が確定し、ACL出場権を獲得できる。しかも、前節に続き、G大阪は今節もホームでの戦い。サポーターの声援を味方につけ、4年連続5回目となるACL出場を決めたい。
「この連戦をホームで戦えるのは大きなアドバンテージだと思っている。サポーターの皆さんと一緒にしっかり戦って勝ちたいと思う」（MF佐々木）
「今の目標は残り2つをしっかり勝って勝点6を積み上げ、自力で獲れる2位を決めることだけど、横浜FM戦に勝てば来季のACL出場は決められるので。まずはこの試合でしっかり勝点3を獲れるようにしたい」（MF遠藤保仁）
前節はDF安田理大、MF武井択也の二人を出場停止で欠いたG大阪だったが、今節は万全の状態で挑む一戦になる。しかも、彼らの代わりに前節で出場機会を得たDF下平匠は先制点に絡む活躍を見せ、ここ数試合、組み合わせを変えているセンターバックもDF高木とDF山口智が高いラインコントロールで安定した守備を見せるなど、個々がいい状態でこの終盤戦を迎えているのも好材料だ。実際、西野朗監督も「今はみんながいい状態にあるので、その、いい状態の選手を競争させる動かし方をしている」と話しており、一時のケガ人続出でメンバーが組みづらかった状況に比べれば、終盤戦を戦うにあたり贅沢な状況にあると言える。今週は火曜日にも試合が行われたため、24日がコンディション調整のみ、25日がオフ、試合前日となる26日も1時間強ほどの軽めの練習に留まっており現時点でスターティングメンバーは定かではないが、いい競争の中で最終メンバーが決定されることだけは間違いなさそうだ。
唯一気になるのが前節で3試合ぶりに先発出場を果たしたものの、精彩を欠いたFW平井将生だ。今季J1リーグではチーム、自身最多の14ゴールを挙げ、現在得点ランク4位と得点王争いにも絡んでいるFW平井だが、10月24日の京都戦以来、約1ヶ月ゴールから遠ざかっている。決してコンディションは悪くないが「今はポストプレー、ディフェンスの意識が強くて、一番のストロングであるスピードを活かして引き出すということころでリズムが出ない。殆どゲームに参加していない状況になっていることが多い」と西野監督は言う。それでも今季、ACLでの4ゴール、天皇杯の2ゴールを含めて『20ゴール』という数字は決してフロックではないはず。残り2試合、チームの勝利とともに得点王争いに絡むためにも奮起を期待したい。
「もっと仕掛ける回数や、裏に抜ける回数など全ての回数を増やさないといけない。ただ、監督にも言われているように、いろんなことをやりすぎようとして本来の持ち味を出せていないのかも。裏に抜けることに専念することでリズムを掴んだ方がいいかもしれない。いずれにしても、FWなんで。点を獲ってナンボだと思っているし、他の日本人選手に負けたくないという気持ちも強い。１点獲れれば、また乗って行けると思うし、とにかく与えられた時間の中で自分の仕事を出来たらいい」（FW平井）
対する横浜FMは天皇杯4回戦で敗れ、J1リーグでも前節・浦和戦で1-4と大敗し『3位以内』の可能性が完全に消滅するなど、大きな目標を失った中で残り2試合を戦う状況にある。ただし、1つでも順位を上げ、来季に繋がる戦いを示すことがモチベーションであることにかわりはない。守備の要、DF中澤佑二やMF栗原勇蔵がケガで離脱中なのに加え、前節に引き続きMF小椋祥平が出場停止と台所事情は厳しい。だが、G大阪との万博でのJ1リーグ戦は06年から4シーズン負けていないというデータもある。相性の良さも味方につけ、J1リーグ3連敗中の悪い流れを断ち切りたい。
以上
※編集部注：文中で「降格」と表記していますが、正式な決定はJリーグ理事会で行われます
2010.11.26 Reported by 高村美砂
