スカパー！生中継 Ch181 後01:50〜
試合速報一覧 | クラブサポーター対抗totoリーグ | Jリーグ中継に関するアンケート実施中
----------
J1残留に向けて後がなくなった16位神戸と、ACL出場権獲得に向けて一縷の望みをつないだ5位清水。ホームズスタジアム神戸でのJ1リーグ戦今季ラストゲームでは、眼下の目標に向けて絶対に勝たなければいけない両者が激突する。
そのなかで、俄然厳しい状況なのは、ホームの神戸だ。前節、J1残留争いを繰り広げる大宮との敵地での直接対決で、2度もリードを奪いながら、2-2のドロー。勝点を1しか伸ばすことができなかった。その結果、14位大宮が勝点を38に伸ばしただけでなく、15位Ｆ東京がすでに優勝を決めた名古屋を下して同35としたこともあり、同32の神戸が今節で引き分け以下の場合、クラブ史上2度目のJ2降格という屈辱を味わう可能性も出てきてしまっている。まさに崖っぷちに追い込まれた。
さすがに大宮戦後はがっくりと肩を落とす選手が多かった神戸。ただ、1日のオフを挟んで行われた25日の公開練習の際には、「逆に選手たちも開き直っている部分もあると思うし、すごくみんなスッキリした顔をしている。使命感に燃えている」と和田昌裕監督も言うように、選手たちはこのホーム最終戦に勝つため、前向きにトレーニングに励んでいた。神戸に残された道は、残り2戦2勝のみということもあって、「やるべきことは勝つしかない」（和田監督）、「もう、みんな勝つだけという気持ちの部分ははっきりしている」（宮本恒靖）と、チームに気負いはまったくと言っていいほど見られない。
この約1カ月間、2勝3分と負けなし。「選手たちは本当に今、頑張って、内容的にもすごくいいサッカーをしてくれている」と指揮官も評価する内容を、神戸は実際に残している。ケガでエースの大久保嘉人を欠く中でも、前線から最終ラインまで攻守にハードワークし、アグレッシブな姿勢も目立つなど、イレブンは好パフォーマンスを見せている。司令塔のボッティも「オフェンス面ではしっかりとカウンターがはまっている。ディフェンス面ではしっかりとプレッシャーをかけて、相手のピッチのなかでボールを奪うことができている。本来の神戸の姿が戻ってきている」と述べるなど、チーム全体が自信を持ってプレーできているのも特長的だ。シーズン終盤ということで、遅すぎた感は確かに否めない。それでも、神戸のサッカーができているからこそ、「わずかな可能性をものにできるよう、最後までやろう」（和田監督）という意識は、全体に浸透している。
そして、明るい材料もある。この終盤戦で攻撃の軸として活躍していた吉田孝行が、3試合ぶりにピッチに戻ってくる可能性が出てきた。第30節新潟戦で両足を傷めた吉田だが、「本人もやりたいという気持ちが強い」（和田監督）という思いから、25日の全体練習に参加。「もうやるしかない」と、吉田自身も覚悟はできている。責任感の強い兄貴分の復帰で、チームにまた1つ、活気が戻ってくることは間違いない。
一方、清水も、神戸同様、ここ最近好調だ。第30節以降、湘南、仙台、広島を相手に3連勝。さらに天皇杯でも横浜FMに快勝してベスト8入りを果たしている。長谷川健太監督の退任が発表され、数名の主力選手が今季限りでチームを離れることが報じられるなか、長谷川体制の花道を飾ろうと、チーム一丸となった戦いができている。今節は、前節に引き続き、大黒柱の小野伸二を累積警告による出場停止で欠くものの、前節もゴールを決めた主将の兵働昭弘を中心に、兵庫県出身で神戸の滝川二高卒でもある岡崎慎司ら、選手たちのコンディションは上がっている模様。そして、3位鹿島とは勝点2差に迫り、ACL出場圏内への可能性も残しているだけに、こちらも2戦2勝に向けて、高い意気込みで神戸に乗り込んでくる。
過去の対戦では僅差の勝負が多かっただけに、この神戸と清水の一戦も白熱した好ゲームを期待したいところ。そして神戸は、今季を象徴するような悔しい結果に終わるのか、それとも終盤戦で見せる自分たちのサッカーを発揮して勝利をつかみ、首の皮一枚生き残るのか。「勝って、神戸讃歌を歌って、今シーズンのホーム最後を終えたい」と宮本。「点を取って、勝って、みんなで神戸讃歌を歌うことが一番」と小川慶治朗。その思いを胸に、クリムゾンレッドの大サポーターと、神戸は今季ホーム最後の戦いに臨む。
以上
2010.11.26 Reported by 前田敏勝
