11月14日(日) 2010 J2リーグ戦 第34節
北九州 0 - 3 愛媛 (17:03/本城/2,678人)
得点者:61' オウンゴ−ル(愛媛)、62' 内田健太(愛媛)、77' 赤井秀一(愛媛)
スカパー!再放送 Ch182 11/15(月)後06:30〜
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序盤は愛媛が杉浦恭平を軸に攻撃を展開。オーバーラップした高杉亮太と絡んで左サイドを突いてチャンスを作り、14分には高杉のクロス、21分には越智亮介のミドルシュートでゴールを狙う。一方で北九州は佐野裕哉が起点となってゲームを組み立てるが、両サイドバックの上下運動とのタイミングが合わず、上がりを待つ間に囲まれたり、パスがマイナス方向になってしまい前線に送り出せなかった。愛媛の人数をかけた早めのプレスにも北九州は手こずった。
時間が進むにつれてコンパクトに保っていた愛媛の布陣が間延びし始め、北九州が徐々に中盤でボールを回し出す。40分には佐野から右サイドを駆け上がっていた佐藤真也にパスが通り、佐藤のクロスを中嶋雄大が折り返して最後は大島康明がオーバーヘッドキックでゴールを狙う。これは愛媛のGK川北裕介の正面だったが北九州がいいリズムを保って前半を折り返す。
ところが後半に入るとゲームの流れは愛媛に傾く。前半は左サイドが中心だった攻撃も、後半は右サイドハーフの赤井秀一がボールを持つ機会が増え、杉浦と赤井が両サイドからゴール前にボールを供給。そして61分、ジョジマールのセンタリングを北九州がクリアミスしオウンゴール。さらに直後の62分には再びジョジマールが右サイドからクロスを上げ、内田健太が頭で合わせて追加点を奪った。内田はこのゴールを「ヘディングでのゴールは珍しい。Jリーグでは初めて」と振り返った。
愛媛が連続得点で流れを一気に呼び込むと、77分には右サイドの深い位置からの関根永悟のクロスを赤井が巧みな足さばきでコースを変えてゴールネットを揺らし、チームの今季最多得点となる3点目を入れ試合を決定づけた。「3得点という結果が試合のオーソリティを高めることになる」とバルバリッチ監督は話し、内容も求められた試合で3得点を挙げ「この試合は大きな勝利」と手応えを感じていた。
北九州は失点後にリズムを崩してしまう悪い癖をこの試合でも治すことができなかった。最近の試合で散見されるサイドを使われたり、クロスボールへのマークが緩い場面がこの試合でも繰り返され、失点にもつながった。
攻撃にも課題が残る。79分に愛媛・杉浦が2枚目のイエローカードで退場となり北九州は1人多い状態になったが、数的優位をいかせず、愛媛のゴールを最後までこじ開けることはできなかった。大島は「勝てていないチームにある空気というか、良くない流れだと思う。1失点して緊張の糸が切れたという表現が当てはまるかもしれない」と分析し、「結果を出すしかない。気持ちを切らさずに戦いたい」と切り替えていた。
北九州はこれで30試合勝ち星がなく、Jリーグの連続無勝利記録のワーストタイ記録に並んだ。
もちろん監督や選手たちに戦う気持ちがなくなっているわけではない。与那城ジョージ監督は「残り3試合どうにか勝ちたいという気持ちが強くある」と述べ、桑原裕義も「過密スケジュールではあるが意地を見せないと」と話す。左サイドバックに冨士祐樹が復帰したとはいえ故障者や疲労の蓄積で毎試合ベストなメンバーを組めるわけではなく、チームの置かれている状況は厳しいが、「できるだけ前の方からプレッシングを掛けながら、ハードワークしていく」と与那城監督は戦い方は変えない構え。
残り3試合は昇格争いの只中にある千葉にぶつかり、さらには鳥栖、熊本との「バトル オブ 九州」で締めくくる。連敗中の試合以上に難しい試合になるかもしれない。それでも、甘くとも厳しい、厳しくとも甘く熱い声援をイレブンや勇退する与那城監督に届けてほしい。サポーターの声は必ず届く。その声が選手たちを勝利へと突き動かす。
以上
2010.11.15 Reported by 上田真之介
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