11月14日(日) 2010 J2リーグ戦 第34節
水戸 1 - 1 札幌 (17:04/Ksスタ/3,056人)
得点者:35' 西嶋弘之(札幌)、49' 大和田真史(水戸)
スカパー!再放送 Ch185 11/16(火)前08:00〜
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水戸にとって不完全燃焼の90分であった。序盤から主導権を握り、攻め込む時間が続いたものの、ミスで流れを断ってしまう繰り返し。90分で放ったシュートはわずか7。ゴールマウスを捉えたものはほとんどなかった。35分にCKから失点を喫するものの、49分にCKからゴールを奪って同点に追いつく。その後は水戸が試合を優位に進めながらもチャンスには至らず。リーグ最多となる今季13試合目の引き分けを記録することとなった。そんな試合内容を踏まえて木山隆之監督は「悪いゲームではないけど、勝ちきれない。今季の水戸を象徴する試合」と肩を落とし、「精度さえあればもっと勝てた試合があったと思う。そこが今年レベルアップできなかった大きな課題」と嘆いた。
ただ、決して後ろ向きのゲームでなかったことは確かだ。シーズン終盤になっても、自分たちが目指してきたサッカーを発展させようとしたうえでの停滞であったと言えよう。大和田真史は言う。「パスミスは多かったけど、とにかく質を上げるしかない。でも、今やろうとしているのは、パスをつなぐサッカー。その中でミスが出るのは仕方がない。大事なのはビビらずにボールを受けるために顔を出すこと。それはできていた」。確かにミスは多かった。ただ、いずれも意図がまったく分からないものではなくて、そのパスが通っていればチャンスにつながっていたであろうものが少なくなかった。もしミスが怖ければ、ロングボールを蹴りこめばいい。だが、今季水戸が標榜したサッカーはそうではない。中盤でしっかりボールを動かしながら、チーム全体で攻めるサッカーである。着実にチーム内にその『意識』が芽生えていることは感じられた。あとは精度の問題と言えるだろう。
そのためにも「もっと1つ1つのプレーにこだわらないといけない」と常盤聡は険しい表情を見せる。「ちょっとしたところのこだわりがまだまだ足りない」と本間幸司が言うように、1mや数cmのこだわりを若い選手たちがどれだけ持ってやれるか。そこに今後の水戸の命運は懸かっている。この試合ではボールを奪ってから前にボールを動かすところまではできていた。その後の質を上げることが今後最も大事な作業になってくる。
3年という月日をかけて、木山監督は自分たちからアクションを起こして攻めるサッカーを植えつけた。それが今後の水戸の礎となるはず。この流れを断ち切らないためにも、残り4試合でもこのサッカーにトライし続けなければならない。この試合のように、ミスが出てしまうかもしれないが、そこに躊躇していては先へは進めない。水戸は発展途上のチームである。歩みを止めないためにも、最後まで前だけを向いて戦い続けなければならない。それが来季以降につながることとなる。
札幌にとっても煮え切らない試合となった。前節千葉に勝利した勢いを持って今節に臨みたかったが、札幌も水戸同様「イージーミスが多すぎた」(石崎信弘監督)ことで流れに乗ることができなかった。ボールを奪って速攻を仕掛けようとするものの、1本目のパスを相手に渡してしまい、再び守備に追われる繰り返し。後半、何本か狙い通りクサビのパスを入れて攻めようとするシーンを見ることができたが、単発に終わってしまい、畳み掛けることができなかった。ただ、水戸と同じように、来季以降に進むためにもミスを怖れずに自分たちのサッカーを貫くことが必要だ。札幌も若い選手が多い発展途上のチーム。残り試合、歩みを止めずにトライし続けることが来季以降の糧となるに違いない。
以上
2010.11.15 Reported by 佐藤拓也
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