11月14日(日)J2 第34節 東京V vs 千葉(17:00KICK OFF/味スタ)
スカパー!生中継 Ch183 後04:50〜
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「大事じゃない試合なんて、1つもない」と、日頃から多くの選手が話す通り、全試合すべてが重要なことは百も承知である。だが、あえて言ってしまう。
「大一番ですね」(平本一樹)
4位東京Vと5位千葉の、昇格圏内(3位以内)入りを巡る直接対決。
間違いなく今季最も重要な一戦となるだろう。
前節のvs富山戦、0−2のビハインドからの後半アディショナルタイムでの大逆転勝利は、今季ここまでの東京Vには見られなかった勝ち方だった。チームのムードはより一層高まり、非常に良い状態で今節を迎えている。
その東京Vにとって、千葉は最もリベンジを果たしたい宿敵だ。
前回の対戦(5月22日第14節)は、5試合負けなしで臨んだが、完敗だった。「チームが勝ちだして、昨季までJ1だった千葉にどの程度通用するかと思ったら、回しの不安定さなど、若さが出てしまった。個々でテクニカルな選手はウチの方が多くても、ゲームで使えるパス回しが、あの時は千葉の方が上だった」と語る川勝良一監督はじめ、土屋征夫も、「相手の方が、チーム力、組織力が断然上だった」と、当時の東京Vと千葉の差を振り返る。だが、川勝監督、土屋とも「でも、ここまで全員が全力で戦い、勝ったり負けたりしてきた中で、ウチもたくさんの経験を積んできた。あの頃とは全然違うというのを見せる良い機会。自分たちの方が強いと思っている」と、最後は結ぶ。
「今、昇格争いができる位置にいられるのは、グラウンドできっちりとやってきた結果が出てきているということ。今節と、次の福岡は自分たちの価値を自分たちで決めるのに本当に良い相手。気負わず、いつも通りに熱く戦えばいい」土屋の言葉を先頭に、東京Vは経験に裏付けされた自信を胸に大一番に挑む。
その中で、特に期待したいのが、平本一樹だ。
富山戦でのベンチスタートが、彼の闘争心に再び火をつけたようだ。「DFからFWに戻って感じていた初々しさを、最近は少し忘れかけていた。でも、この間の富山戦で先発から外されて悔しくてたまらなくて、試合に対する初々しさが戻ってきた。この時期にベンチスタートというのは、信頼されていない証拠。失った信頼をもう一度取り戻すためにも、必死で結果を出しに行きます」と、燃えている。
ポイントは、相棒・河野広貴とのコンビネーションだろう。「河野には、自由にやりたいようにやってもらって、アイツの良さを出せるようにしてあげたい。俺と河野2人のコンビで崩したら、相手は絶対に怖いと思うはず。でも、最近は個々の勝負が多くなってしまって、『怖い』と思わせることができていないと思う。なんとか2人の関係で点を取りたい」と、平本は語る。
一方の河野も、「残り4試合、力を全部使いきる。次は絶対に点、取りますよ!!」と、ゴール宣言。自らにも言い聞かせ、モチベーションを上げていた。
チームとしては、「大一番で、ヘディングで競る勇気、きついところで受けて捌いてラストパスを狙う勇気、足を振ってシュートを打てる勇気を持てるか」を、川勝監督はテーマとする。「安全なプレーを選んでいるようだけど、バックパスや蹴るだけのサッカーは逆に自分たちを苦しめることになる。今までやってきたことと違うことで90分間終わっていいのか、ずっと積み重ねてきたことで勝ち星をとるか。どっちを選ぶか?」
その答えを、ハッキリとピッチ上で体現して欲しい。
対する千葉にとっても、この試合がいかに重要かは言うまでもない。ここにきてまさかの3連敗中なだけに、まさに正念場となる。
前節の札幌戦も、内容自体は決して悪くはなかった。しかし、昇格をかけたこの状況では、善戦も、最も重要な勝点3を失っては本末転倒と言えよう。
決定機も多く、22本のシュートを浴びせながらも無得点に終わった戦況を、「良い攻撃はできていた」と捉えるのか、「決定力がなかった」と捉えるのか。その意味では今節、チーム得点王ネットの出場停止が明けるのは大きい。
2試合ゲームから遠ざかっていること、また、代わって先発してきた青木孝太も好調とあり、復帰後即先発起用するかは、江尻篤彦監督の采配いかんだが、得点力は間違いなくアップするはずだ。
内容と結果を一致させるためにも、作ったチャンスをしっかりと得点に結びつけられるかが、最大のポイントだろう。
また、選手層からみても、千葉は東京V以上にJ1昇格を至上命題とされているはずだ。残り試合が減っていく中、かかるプレッシャーが増しているのは宿命と言えよう。どれだけ気持ちをリフレッシュできているか。メンタルコントロールもまた、重要な鍵を握っているのではないだろうか。
ところで、この試合へ向け、東京Vは8月から【SAVE OUR VERDY】を掲げ、5万人動員を目標に必死の集客活動を行ってきた。その甲斐あり、2年ぶりに2万人を超える観客数が見込まれている。
大観衆の前でのプレーを、選手たちは非常に楽しみにしている。
「やりがいと喜び、ワクワクする気持ちでいっぱいになる。サッカー選手である幸せを感じられる瞬間。90分間があっという間に過ぎてしまう」と、富澤清太郎は仙台時代の大観衆の前でのプレー経験を思い出し、熱く語る。そして、「多くの人が、僕たちのためを思って作ってくれた最高の舞台。素晴らしい雰囲気を、1分1秒を無駄なく楽しみたい。そして、そんな僕らのプレーを見て、楽しんでもらいたい」と続けた。
これまで動員に携わった多くの人、千葉サポーターを含め、当日スタジアムに足を運んでくれる人、いつも支えとなっているクラブ関係者・スタッフ、家族、サポーター・・・ 関わる全ての人へ、最高のパフォーマンスを魅せることで感謝を伝えたい。
以上
2010.11.13 Reported by 上岡真里江
J’s GOALニュース
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