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【J1:第30節 仙台 vs 磐田】プレビュー:無残な敗戦からの立ち上がりを求められる仙台。カップウィナーを相手に、ホームで、取り戻せ闘争本能。(10.11.14)

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11月14日(日)J1 第30節 仙台 vs 磐田(17:00KICK OFF/ユアスタチケット販売はこちらリアルタイムスコアボード
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太田吉彰が、中原貴之が、そしてフェルナンジーニョが。試合会場のユアテックスタジアム仙台で行われた12日の紅白戦の中、仙台の選手が次々とピッチに倒れていく。
 …と書くと「すわ、緊急事態」と錯誤させてしまいそうだが、彼らは痛みを堪えつつも皆起き上がり、戦線に戻っていく。
つまり何が言いたいかというと、それだけ今週の仙台は、トレーニングから「激しさ」がみなぎっているということだ。

なぜ仙台がこうした変貌を見せたか。それには前節を振り返る必要がある。先週土曜日、仙台はアウェイで神戸と対戦したのだが、降格圏ながら、17位、18位の京都、湘南と比べれば残留への可能性をまだ多分に残す神戸には、手が届く順位にいる仙台との対戦において並々ならぬ意気込みがみなぎっていて、仙台は立ち上がりからの神戸のこうした気合いに完全に飲み込まれてしまった。アウェイでも冷静に相手の裏を取っていくはずだったのだが、逆に神戸による前線からの素早いチェイシングに後手に回ると、チーム全体の気持ちがこもったかのような吉田孝行の超変化ミドルで開始4分に先制を許す。そしてそこから先も球際で機先を制され続け、終始効果的な反撃を繰り出すことができずに敗れてしまった。言ってしまえば、仙台にとって今季のワーストに近い出来である。
ただ、綺麗な傷口ほど治りは早いというべきか「今日は誰も良くなかった。良くなかったら負ける」という手倉森誠監督の試合後会見が示すとおり、チームの全員が最悪だった一戦を認識することで、チームは磐田戦に向けて立ち直ろうと、すぐに気持ちを切り替えることが出来たようだ。

そして話は、冒頭に戻る。この紅白戦直前にも、あえて手倉森監督は選手たちに神戸戦の話を「戦い方でも心理の面でも、受けて立ちすぎた」と振り返った上で「球際の激しさ、テンポ、サッカーで勝利を分ける原則をもう一度思い出せ」と檄を飛ばしてピッチに送り出した。その結果が、激しい接触の相次いだ今週の紅白戦となったわけである。
また前節の敗戦は、選手個々の激しさだけでなく、メンバー編成にも大きな影響を与えた。監督が「自分たちから仕掛けるサッカーをやるためのメンバーを並べてみた」と語る紅白戦1本目のAチームメンバーは、前節のスタメンから4人もの変更が加えられたものに。過去を調べても、リーグ戦で前節から4人が変わったというのは、第9節C大阪戦から第10節F東京戦への4人変更以来となるが、その時は4人中2人がケガでのメンバー外だったことを思えば、今節の「大ナタぶり」が際立つ。
さらにこの磐田戦に向け、紅白戦の後半では4−3−3のシステムも試された。面白いのはこの陣容が、その気になれば4−4−2にも戻せる選手の並びであること。これまでの4−3−3が、どちらかと言えば守備をしっかり固めてカウンターを狙う意図を持った布陣だったのに対し、今回のそれは(これまでの4−3−3ならば前線のウイングの位置に入っていた)梁が中盤の3人にいることからも、おそらく拮抗したスコアのまま後半を迎えた際の、少し積極的な攻撃を意図したオプションとなるのだろう。裏を返せば、前節のような早い失点は絶対に避けつつ、流れによっては後半に勝負に出ようとする仙台のゲームプランの表れとも言える気がするが果たして。

ともかく、失点を防ぐ並々ならぬ意気込みを持たなければ、今の磐田の攻撃を凌ぎきることは難しいだろう。壮絶な撃ち合いの末にヤマザキナビスコカップを制し、直後のリーグ戦新潟戦でも、先制を許しながら後半ロスタイムに前田遼一のゴールでドローへ持ち込んだ磐田。前田は現在14ゴールと、得点ランクで現在首位、16ゴールのケネディ(名古屋)まであと2ゴール差と、2年連続の得点王も視野に入る位置にいる。ケネディは今節出場停止であるため、ここで追いついておきたいところだろう。
仙台としては今節、センターバックでコンビを組む予定の鎌田次郎、渡辺広大の2人に「前田止め」を託すことになるが、彼ら2人の奮闘だけでなく、古巣の磐田戦でスタメン返り咲きが予想される太田吉彰が「出し手のところでも早めのプレスを心がけて、前田、ジウシーニョにボールを入れさせないように」と語るように、それこそ前節足りなかった局面での激しい守備が求められるに違いない。

また最近の磐田で向上してきたのは、むしろ守備だという声も。後半戦12試合での失点は12。前半戦17試合での25失点に比べれば、著しく状況は改善している。その成果が、後半戦わずか1敗(リーグ唯一)という結果にも表れている。「守備が連動していて、中盤もコンパクトに。そこから、引き出しの速さを持つ2トップにボールを預けることで、チャンスが作れている」(手倉森監督)今の磐田。後半戦リーグ2位タイとなる勝点23という数字は、決してダテではなく、文字どおり仙台には厳しい一戦となる。

だが仙台も、後半戦勝点20(6位タイ)という数字は悪くない。前節があまりもひどすぎたのなら、後半戦の良い戦いを思い出せれば、仙台だって決して磐田に引けを取るチームとはならないはずだ。前節から続く関口訓充、富田晋伍の長期離脱は痛手だが、何とかそれを乗り越えた姿を、ホームのサポーターは待っている。
そのためにも、前節に足りなかった個々の奮闘は必須となるが、さあ仙台は「闘争本能」を取り戻せているか。

以上
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