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この一戦は、総力戦の様相を呈しそうだ。
横浜Ｆ・マリノスには11日、悪いニュースが流れる。中澤佑二が練習中に左ヒザを負傷。前節の湘南ベルマーレ戦で先発復帰したばかりだというのに、再び全治６週間の重傷を負ったのだ。その湘南戦では栗原勇蔵が左太モモ裏の肉離れを起こす。２人とも今季リーグ戦への出場は絶望的で、チームは総力戦を余儀なくされた。
今節のセンターバックには、小椋祥平が入るのは妥当だが、もう一枚が誰になるかは不透明。河合竜二か松田直樹、または天皇杯サガン鳥栖戦で、その位置を務めた波戸康広のベテラン３人の中から選ばれるのではないか。
FC東京の方も、今節DF２枚を欠く。森重真人とキム ヨングンだ。森重は累積警告の出場停止、キムはU-21韓国代表としてアジア大会に参戦中。特に森重の欠場については「相当痛い」と今野泰幸は吐露ししたが、すぐに「これからは総力戦。全員で戦いたい」と気持ちを切り替えた。今回は、その今野と徳永悠平がDF中央でコンビを組むと予想される。
そこで、勝敗を分けるポイントは必然的に、両チームの急造センターバックの出来にかかっていると、言っていいだろう。
横浜FMのDFは、大黒将志と平山相太という相手の先鋒２人を抑えなければならない。リーグ戦の直近５戦で２人のアベック弾は２度あり、大黒はその５試合で４発と、ハイアベレージで得点を稼ぐ。
当然、横浜FMは２人を警戒するが、小椋は強気の姿勢を崩さない。
「(長身の)平山選手に自由にやらせないよう、体を寄せて高さに対抗したい。大黒選手は裏をとる動きや、動き出しが上手。そこは、しっかりコミュニケーションをとり、マークの受け渡しなどをハッキリさせたい。それができれば大丈夫」
今季の小椋は本職のボランチだけでなく、DFとしてプレーする機会も多い。木村和司監督は信頼しており、「どちらでも出来る選手。このポジション(センターバック)の方が合っているかも」と、冗談抜きに言うほど。今回も獅子奮迅の活躍を見せて貢献したい。
対するＦ東京も、山瀬功治と小野裕二の好調２トップを相手にしなければいけない。前節、山瀬は１得点を挙げ、小野はゴールこそなかったが、キレキレのドリブルで２得点を演出。
「功治さんとの距離もいい感じに保てたと思う。２人で連動して動けていた。だから、いつもよりもボールを受けやすかった。あとは決めるだけでしたね」と、余裕すら感じさせた。
Ｆ東京の今野と徳永は、この17歳と山瀬を調子に乗らせてはいけない。ただし、１対１に強い熟練の２人にとって、ドリブラーはむしろ『ウエルカム』な相手なのかも。果たしてその通り、封殺することができるか。
また『国見高対決』が見られるのも、この一戦の楽しみ。横浜FMは兵藤慎剛、Ｆ東京は平山、徳永、中村北斗と、国見高卒業生４人がピッチに立つはず。特に兵藤、平山、中村は同級生。兵藤は２人に対して「絶対に負けたくない」と語気を強め、対抗意識を燃やしていた。彼らの個の戦いにも注視しよう。
以上
2010.11.12 Reported by 小林智明（インサイド）
