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【J2:第34節 熊本 vs 富山】プレビュー:熊本が復調の兆しを見せる富山を迎える一戦。これまで築いた要素を発揮して、ホーム3連勝なるか。(10.11.14)

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11月14日(日)J2 第34節 熊本 vs 富山(13:00KICK OFF/熊本チケット販売はこちらリアルタイムスコアボード
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 柏が3位以内を決め、残る昇格の椅子は2つとなった。熊本は前節試合がなかったが、3位福岡が栃木に敗れたため勝点差は12のまま。福岡の結果次第という側面もあって現実的には難しい状況ではあるにせよ、3位以内に入る可能性はまだある。リーグも終盤に入り新戦力獲得への動きが表面化するなど、ピッチ外のニュースも目にする時期になったが、いい形で今シーズンを締めくくり、そして来シーズンにつなげるためには、残りの5試合で全てを出し切らなくてはならない。

 今節迎える富山は現在18位と、苦しい2年目のシーズンとなっているが、シーズン途中にヘッドコーチだった安間貴義氏が監督に就任し、10試合勝ち無しという状況で迎えた北九州戦、3-3-3-1という新しいシステムで臨んで逆転勝ち。前節は東京Vに逆転負けを喫したが、鋭いカウンターから先制、追加点を挙げる等、浮上のきっかけをつかみつつある。前節は3失点しているが、前線でプレッシャーをかけながら左右にスライドしてコースを限定するなど、組織的な守備を整備してきた。「ペナルティーエリア内でフリーの状態でシュートを打たせていないし、なかなか侵入もさせていない」という試合後の安間監督のコメントからも、一定の手応えを掴んでいることがうかがえる。
 そうした守備をいかに崩すかだが、3-3-3-1というシステムにおける選手の配置を考えれば、いくつかのポイントが自ずと見えてくる。富山のシステムについて、「選手間の距離が近く、複数の選手が(ボールに)チャレンジすることが可能になっている」と高木琢也監督は話しているが、アプローチを外していく上では、相手の間合いに詰められる前に、細かく、しかもアングルをつけてボールを動かすことが必要。さらに12日の練習で行なった紅白戦でも頻繁に見られたように、ピッチを広く使ったサイドチェンジ等、大きな展開を織り交ぜてサイドのスペースをうまく攻略することができれば、富山の守備ラインに綻びを生じさせる可能性は高まる。

 しかしながら、例えばDFラインの背後を狙うフィードが多かった前々節の鳥栖戦のように、攻撃が単調になってしまうと富山の思惑にはまってしまいかねない。高木監督も「1タッチとか、3人目の動きとか、背後を狙うとか、当たり前のことを普通にやること」と話しており、サイドばかりに固執するのではなく、状況を見て時には積極的にクサビを打ち込んだり、ドリブルで仕掛けたり、あるいは早い段階でクロスを入れたりと、相手の守備陣形が整う前にシュートまで持ち込む工夫も求められよう。タテと横、ショートとロング、ドリブルとパス、そうした要素の組み合せが、ゴールをこじ開けるための鍵だ。
 守備においては、1トップに入っている苔口卓也のスペースへの飛び出しや黒部光昭の高さと強さも要注意だが、気をつけたいのはやはりカウンター。特に前節2得点に絡んでいる朝日大輔と石田英之の両サイドはスピードもあり運動量も豊富。そこをさらに追い越してくる谷田悠介と舩津徹也も含め流動的な動きに対してもしっかりとケアしたい。そうした良さを出させないためには、ボールを奪われた時点で即座に切り替えて攻撃を遅らせることに加え、「シュートなどはっきりした形で終わる」(DF筑城和人)ことも大事になる。

 過去に対戦したことがない、富山の3-3-3-1というシステムにどう対峙するかという部分も気にはなるが、そもそも今節も前節同様のシステムでくるかは、メンバーが発表されるまで分からないところもある。相手がどういう布陣であれ、「セカンドボールを拾うとか、玉際を厳しく行くとか、切り替えを早くするとか。そういう最低限のこと」(原田拓)を「今までやってきたベース通りにやるだけ」(福王忠世)だ。

以上

2010.11.13 Reported by 井芹貴志
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