11月14日(日)J2 第34節 北九州 vs 愛媛(17:00KICK OFF/本城)
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北九州・与那城ジョージ監督の今季限りでの退任が決まり、その直後に行われた甲府戦では選手たちの奮起が期待されたが6失点で完敗。Jリーグの1シーズン内での連続無勝利記録も更新してしまった。
「なんとか花道を飾ってもらいたい」。チーム最多得点の大島康明が絞り出すように話す。北九州は甲府戦、ボールを前線につなげないままイージーミスから反撃されて失点を積み重ねた。ストライカーにもボールが集まらず、大島も思ったようなプレーはできなかった。
ただ大敗の甲府戦にも収穫はあった。宮川大輔や長谷川太郎を投入した後半は両サイドからの攻撃が活性化。半年ぶりに復帰した左サイドバックの冨士祐樹が軽快に駆け、宮川のクロスを頭で合わせてゴールを狙うなど冨士の存在感を強く印象づけた。左サイドハーフに入ることが多い池元友樹は「本職が帰ってきた。サポートもしてくれるし、やりやすい」と冨士の復帰を歓迎。冨士本人は「体がついていかなかった」と話すが、愛媛戦については「押し込まれる前に押し込みたい」と展望も語った。
Jリーグ初出場となったGK時久省吾も「大きな経験になった。練習から意識を高めたい」と話し気持ちの切り替えはできている。またDFの選手たちは大量失点を省み、それぞれの考え方をぶつけ合ったという。「自然に集まって話すことができた。細かいところや考え方を理解し合え、いい時間を持てた」(河端和哉)。
与那城監督は「立ち上がりがゆるい。ボールに対してゆるいので、ハードワークして、フリーにさせないようにしないと」と引き締める。最近の試合では全般的にプレスが弱く、守備陣の連携も安定していなかったが、DF同士が話し合ったように選手たちは結果を重く受け止め、模索を続けている。「同じことをしていてはやられる」(大島)。結果次第では最下位も決まりかねない一戦に向け、士気は高まっている。
愛媛は前節は草津と対戦。組織的な攻めが噛み合って4試合ぶりの白星を挙げ、勝点を41にまで伸ばした。バルバリッチ監督は「それほど望ましい内容ではなかった」としたが、「次の試合はある程度落ち着いて臨める。今回よりいい内容で試合を運べると期待している」と話す。その"次の試合"である今節の北九州戦は上位を伺う上では落とせない。
高いラインを保ち、赤井秀一を軸に敵陣の奥深くまで入り込みたい。得点こそ少なめだがジョジマールも上り調子。ぴたりとはまれば手のつけにくい攻撃が展開できるだろう。
一方で中盤でボールを失うと攻撃的な選手をそろえる北九州にリズムを与えてしまう。北九州との前回対戦では危険な場面がいくつもあり、このときはGK山本浩正の好セーブで1失点に押さえ込んだが、内容では北九州が上回った。勝利とともに内容が求められる今節ではキーパー頼みの守備をするわけにはいかない。
愛媛が確実に勝点3を手にするには、攻め込まれる前に攻め込み、先制点を丁寧に守り抜くことが求められる。北九州は前回対戦ほど自由にはボールを持てないだろう。攻撃は確実にワンチャンスを得点につなげ、ディフェンスは甲府戦の二の舞をしない強い決意が必要だ。「チャンスはある。それをものにしないと」。池元もそう力強く話した。
以上
2010.11.12 Reported by 上田真之介
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