スカパー！生中継 Ch181 後07:20〜
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ここ２試合、残留争いの渦中にあるチームの勢いに押され、勝ちきれない試合が続いているガンバ大阪。だが、難しい終盤戦とはいえ、相手の勢いに屈していいはずはない。可能性を残す『タイトル』への望みを自ら断ち切らないためにも、執念をしっかりと示し、最後まで勝ち続けることで上位にプレッシャーをかけ続けたい。
「当然、神戸もFC東京も「残留』が懸かるだけにモチベーションの高さを当然感じたけれど、我々もまた違う目標に向かっていることを考えれば、そうした圧力を常に受ける状態になってはいけないし、これから先の５試合も、相手を上回る高いモチベーションで試合に向かわなければいけない。そこが最低限のベースになる（西野朗監督）」
『G大阪VS広島』の対戦は今年４回目。リーグ戦１回、カップ戦２回を戦っている。結果は、G大阪の2勝1敗。勝率では上回るもののヤマザキナビスコカップでは、ホームでの第２戦で17分という早い時間帯にDF加地亮が退場になる中で敗れ、準決勝進出の道を断たれたという屈辱を味わっている。そのリベンジを果たすためにも、また自ら『優勝』争いから脱落しないためにも、勝点３をしっかり積み上げたい。
ただ、広島も同じように『勝点３』に執着して万博に乗り込んでくることは間違いない。しかも、G大阪を倒して勝ち進んだ11月3日のヤマザキナビスコカップ決勝では死闘の末、磐田に敗れたものの、広島らしい勢いを感じたし、屈辱を引きずることなく戦ったJ1リーグ、前節の浦和戦でも、終了間際にFW佐藤寿人が追加点を奪って逆転勝利をおさめ、ACLの条件である『３位以内』確保に粘りを見せている。特に戦列復帰を果たしたばかりのエースの復活弾は、リーグ終盤のチームを心身両面で勢いづける要素になったといっていい。しかも今季の万博は３つの対戦の中で唯一、白星を挙げ、ナビスコ準決勝進出を決めた場所。決して悪いイメージはないだろう。
見どころは、G大阪と同じくポゼッションサッカーを身上とする広島に対し、自分たちの持ち味を出し切り、『攻撃』で上回れるか。結果的に、G大阪が勝利した２勝は、いずれも効率よく先手をとる中で優位に試合を運びはしたが、ビハインドを負った広島が攻勢に出てくる中では相手に一方的に押し込まれた時間帯も少なくはなかった。そのあたりの反省を踏まえ、例え相手にトドメを刺す追加点をいかに効率よく重ねていけるかも大事になってくるだろう。
「広島はハイリスクを負いながらも、ボールを失わないようポゼッションを考えているチーム。全てがゴールに直結している訳ではないけどボールを動かす事に自信を持っている。そういうスタイルに対してディフェンシブな戦いになると向こうが優位に試合を運ぶことになる。だからこそ、相手にやらせないためのボール奪取力、相手を上回るポゼッション、戦いをしなければいけない（西野朗監督）』
注目は、FWイ・グノ。移籍当初はなかなかチームスタイルに馴染めず、持ち味を発揮できずにいたが、本人が何よりも望んでいた『ゴール』を奪えたことで少し気負いがなくなったのか、最近は周囲との連携の深まりが感じられる中で、コンスタントに安定したパフォーマンスを示せている。今節でも取り戻したFWとしての『自信』を武器に、広島ゴールを陥れて欲しい。
「広島は攻撃的なチームだが、一方で守備の脆さを感じる部分もある。そこをしっかり突いて、相手を上回りたい。コンディションはすごくいい。結果を求めて戦いたい（FWイ・グノ）」
先に書いた通り、ヤマザキナビスコカップでは広島に屈したG大阪だが、『西野ガンバ』体制で戦ったリーグ戦では一度も敗れたことがない。実際、選手たちも「やりにくさは全くない（FW平井将生）」と自信をのぞかせる。そのジンクスが今回も破られずにすむか。
ただし、G大阪が欲しているのは、あくまで勝点３。サポーターが期待しているのは、当然『負けない』ガンバではなく『勝つ』ガンバだ。さぁ、J1リーグも残り５試合。正念場だからこそ「一番は、気持ちの勝負になる（DF安田理大）」。
以上
2010.11.13 Reported by 高村美砂
