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横浜FM戦を終えた週明け、ジャーンが今季限りでクラブを去ることが発表された。怪我の回復が思わしくなく、ブラジルでの治療を要する状況だという。現役続行という本人の意思を汲み、早期の治療を行なうべく、急きょ11日（木）に帰国することになった。
湘南がJ2にいた2007年に加入して以来、キャプテンを務めるなど中心選手のひとりとして存在感を放ち、DFラインを統率してチームを鼓舞し続けた。ジャーンの活躍とシンクロするように、チームも一歩ずつJ1復帰へと近づいていった。そして昨季は、大きな怪我もなく、じつに49試合に出場し、クラブの悲願達成に大きく貢献したのだった。
反町康治監督は言う。
「セレソンの実績がありながら日本の2部のチームに来ることには、プライドとの葛藤もあったと思う。だが外国籍選手の出入りも多いなか、先輩格として多大な貢献をしてくれた。クラブにとって大きな存在だった。怪我でプレーできなかったことは本人も悔しいと思うし、戦力面においても残念なことだ。ここぞという場面で力を発揮してくれた」
闘将の帰国をまえに、湘南は台風の影響で延期された第28節の仕切り直しの一戦に臨む。平塚に迎える大宮は先週末、堅守と相手の隙を逃さない戦いぶりで山形を降し、1試合少ない状況下で順位をひとつ上げた。降格圏をより遠ざけ、すぐ上の仙台と山形に肉薄するためにも、この湘南戦に勝って是が非でも勝点3を持ち帰りたい。
8月に熊谷スポーツ文化公園陸上競技場で行なわれた両者の対戦は、3−0で大宮が取った。セットプレーのこぼれ球を詰めて試合開始間もなく先制すると、先日の山形戦と同様に石原直樹が途中出場でゴールを挙げ、最後はカウンターからラファエルが締めた。守っては湘南に攻撃のリズムをつくらせず、縦パスを奪いショートカウンターを繰り出すなど終始ゲームを主導した。大宮の完勝という印象である。
あらためてホームで大宮を迎え撃つ湘南は、指揮官も語っているとおり、個々のコンディションを量りつつメンバーを選ぶことになろう。鈴木伸貴は先日の横浜FM戦を振り返り、「先制されてから受け身になってしまった」と語った。「当たり前のことですが点を取られると苦しくなるので、まずはしっかりとディフェンスしたい。競り合いや球際など、ほんの1センチの頑張りで勝負は左右されてくると思う。また自分が上がることで攻撃も活性化すると思うので、攻撃に絡む回数をいかに増やすか。前にも後ろにもアグレッシブに動きたい」。およそ1カ月ぶりとなる復帰戦に反省は尽きない。反面、ディフェンスを整理し攻撃にも絡んだ後半は、自身にとってヒントになるという。「体力もフィーリングももっとよくなると思う。いまは試合に出てチームのために勝点を取りたい、その思いだけです」。
大宮戦の試合終了後には、サポーターに向けてジャーン自ら挨拶する予定だ。4年間在籍し、クラブの成長に大きく貢献した背番号3の花道に、勝利をたむけたい。
以上
2010.11.09 Reported by 隈元大吾
