11月1日、岸野靖之監督が来季も指揮を執ることが発表されました。おそらく今年のJ2のクラブでは一番乗りだと思います。実は、横浜FCの歴史の中で同じ監督が2シーズンにまたがって指揮を執ることは、あまり多くありませんでした。2年のシーズンを全うした監督という意味では、1999年から2000年、2003年から2004年に指揮を執ったピエール・リトバルスキー監督しかいません。
一般論として、チームを強化して結果を残してJ1昇格に至るのに近道はありません。新しい監督が着任して、その監督の考え方をチームに浸透させながら、最大限の力を発揮できるような編成にすべく補強を行っていく必要があります。すると自然に1年ではなく、2年、3年と時間がかかっていくことになります。ですから、これまでの横浜FCには、チームの姿を模索してもがき続けた苦しさが表れているのかもしれません。
岸野監督は、就任してすぐの頃に「横浜FCはどんなサッカーをするの? と聞かれても、今は誰も答えられないだろうし、選手によってばらばらな答えになるだろう」と述べていました。今シーズンを通じて監督に話を聞いていても、横浜FCのサッカーが構築できたかどうかという点については、「まだまだ」という答えが返ってくることが多いのが現状です。ただ、やはり今シーズンの新体制発表会で「出し切るチームにしたい」と語った姿は、少しずつ出せているのではないでしょうか。ホベルトが出場した5月22日の鳥栖戦以降、横浜FCは2敗しかしていません。3−0から4点を取って逆転したり、アディショナルタイムでのゴールで勝利するなど、1つの目標に向かって力を出しきるチームへの体質改善は着実に進んでいます。高地系治選手は、そのチームの変化を以下のように述べています。
「最初は連敗していたが、そこから立て直せたのは選手もそうだけど、チーム全体としてもう1回やらないといけないということが明確になったから。コーチ、選手、スタッフがやろうとして一丸となってやれたのがこういう結果になった。選手だけでできたわけではない」
昇格も決めていないのに、こんなに早い時期での続投が発表されたというのは、チーム全体が1つになることによる強化が、目に見えて進んでいることの表れだと思います。
もちろん、情熱的な表情とは裏腹に、サッカーの戦術的な分析まで探求心の塊の岸野監督ですから、「横浜FCのサッカー」を「根性」の土台の上にこれから描いていくことだと思います。J1昇格の可能性が消えない残り試合の行き詰まる熱戦の中に、その片鱗が見えてくるのではないかと期待しています。
以上
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2010.11.08 Reported by 松尾真一郎
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