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【J2:第33節 札幌 vs 千葉】プレビュー:3位・福岡に迫りたい千葉と、3位入り消滅も地元で意地を見せたい札幌が激突。7月以来の札幌ドームでの試合、双方が熱く攻め合うはず。(10.11.07)

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11月7日(日)J2 第33節 札幌 vs 千葉(16:00KICK OFF/札幌ドチケット販売はこちらリアルタイムスコアボード
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11月最初の試合となる第33節。徐々に本格的な冷え込みが始まってきた札幌市内では勝点35で15位の札幌と、同51で4位の千葉が札幌ドームで対戦する。4位の千葉はJ1昇格権のある3位までとの勝点差が7。札幌は前節の敗戦(対草津、●0−1)により3位入りの可能性が消滅している。

札幌は前節、ホームで草津に敗戦。「相手にシュートを打たせなかったし、前半はほぼ完璧だった」と石崎信弘監督も振り返っており、それだけに、得点を奪えず一瞬の隙を突かれて敗戦したのは痛かった。グループでの守備もある程度の機能を見せていたし、細かなパス交換からの崩しも見られた。それでもやはりシュート場面まではなかなか持っていけず、チャンスをうまく生かせなかったのである。その部分について石崎監督は「意識というよりも、パスの精度だとか、そういった部分が足りなくてシュートも少なくなっていた」と見ている。
ただしその一方で、「崩しの部分では練習でやってきたことが出せていると思う」と石崎監督は強調する。キャプテンの石川直樹も「いいリズムで攻撃ができるようになってきた」と最終ラインから見た感想を明かす。もちろん、得点が取れなければどれだけたくさんチャンスを作っても意味はないが、チャンスがなければ得点も生まれないわけだから、その部分が向上しているということに関してはポジティブに捉えるべきだろう。

前述したように前節の敗戦により札幌は3位以内に入る可能性を消滅させてしまった。しかし、「今週のトレーニングに入る前にミーティングで残り試合の大切さを話したし、チームはモチベーションを落としていない様子だ」と石崎監督。その言葉通り今週のトレーニングでは、狭い局面でもスムーズにパスが回る場面が多く、チームの土台は高まっている印象だ。けが人の多さは気になるも、残るメンバーはしっかりとプレーできている。そして「上位の相手に勝って、意地を見せたい」と語る選手がほとんど。いいテンションでこの試合に挑めそうな気配だ。

対する千葉は前節、ホームで甲府に1−2のスコアで敗戦。上位同士の対戦だったし、3位・福岡との勝点差を広げられてしまったこともあって非常に手痛い結果だった。さらに3連勝の後の2連敗ということもあり、ここで何としても流れを元に戻したいところである。

そしてその甲府戦では個の力を見せつけられてしまった感もある。パウリーニョにはゴールまで約30メートルもの距離からの直接FKを含めた2点を叩きこまれ、長身のハーフナー・マイクに攻撃の起点作りを何度も許してしまっている。「練習では『ハーフナーではない、その周りだ』ということで、トレーニングをしていたんですけど、出せなかった」と江尻篤彦監督は悔しさを口にした。

ただし、グループとしてのサッカーという意味では、千葉のそれはリーグトップレベルにあると言えるだろう。豊富な運動量とその質、スピードを武器に全体が連動して走り回り、もちろんボールも良く動く。2連敗中ではあるが、内容は決して悲観すべきものではない。ひとつ流れを得られれば、まだまだ上位に迫っていくことは十分に可能なはずだ。

考えるべき部分は、前節に続いてネットが出場停止になってしまっているところか。機動力を生かしたサッカーを展開しているなかで、体の強さを生かして前線でターゲットになれるネットの存在というのは、効果的なアクセントとして機能していた。ネットにダイレクトでボールを当てるプレーと、アグレッシブな機動力。この組み合わせこそが千葉の良さでもある。前回のこのカードでも、ネットは高い位置で起点を作り出しており、札幌の守備陣に圧力をかけていた。その選手を欠く状況で千葉がどういったサッカーを展開するのか、興味深いところだ。ただし幸い(?)にも、ネットを欠く状況というのは前節に経験したばかり。そこで見えた課題をしっかりと改善できれば、今度は違った形で札幌守備陣に圧力をかけることができるだろう。

さて、7月に行われた前回の対戦を振り返りたいのだが、このときは3−0で札幌が快勝している。ほぼ真正面から激突した試合で、札幌が的確にチャンスをモノにしたゲームだった。この試合で印象的だったのは、千葉のように狙いを持ってパスを動かしてくるチームには、札幌の積極的なプレスが効果的だったということ。今季の札幌はなかなかいい結果を残せていないが、ホームでの柏戦、そしてこの千葉との前回対戦のように相手がしっかりとしたビルドアップをしてきた場合には、チームとしての良さが引き出されている。そして今回千葉はターゲットになれるネットを欠くため、より一層、パスワークを主体とした戦いになるかもしれない。そう考えると、札幌のプレスがより効果的になるのか。それとも、千葉が何かしらの策を講じるのか。もちろん札幌のプレスを上回るパスワークを見せるのかもしれない。この辺りが試合の焦点となりそうだ。

いずれにせよ、3位・福岡との勝点差を考えると絶対に勝点3が欲しい千葉。そして3位入りが消滅した直後のホームゲームとあって、地元のファンの前でしっかりとした内容、そして結果を札幌は高い意欲で求めるはず。会場は札幌ドーム。外は寒気でも、屋内は熱気に包まれることになりそうだ。

以上

2010.11.06 Reported by 斉藤宏則
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