10月30日(土) 2010 J1リーグ戦 第28節
清水 1 - 2 F東京 (13:04/アウスタ/7,117人)
得点者:32' 平山相太(F東京)、65' 大黒将志(F東京)、78' 大前元紀(清水)
スカパー!再放送 Ch308 11/1(月)後10:00〜
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もちろん、勝ったF東京にとっては会心の勝利だっただろう。一方、敗れた清水のほうは、完敗というわけでもないが、何とも評価の難しい敗戦だった。
台風14号の接近により雨と風がどんどん強くなる中の14時キックオフ。風向きはまったく安定せず、ハイボールの軌道を気まぐれに変化させる。ピッチも多くの水を含んでスリッピーになったが、アウスタの良好な芝生が水を浮かせなかったのは幸いだった。
そんな中でも、アウェーのF東京は立ち上がりから積極的な攻撃を仕掛け、長いボールも使いながら、サイドからクロスを入れる場面を作っていく。それに対して清水は、グラウンダーのパスを主体に組み立てようとしたが、なかなか思うように前にパスがつながらず、ポスト役のヨンセンにもボールがあまり収まらず、なかなか主導権を握ることができない。
また、清水はDFラインをなかなか上げきれず、中盤との距離が空いて、そのスペースを使われてしまう場面も目立った。ロングボールに対する平山相太の高さや大黒将志の裏を狙う動き、そしてピッチ上を激しく舞う風と、警戒すべき要素は多かったが、そのラインの低さも、なかなか攻守にリズムが出ない一因となった。
逆にF東京のほうは、徳永悠平の出場停止によって今季初出場となった米本拓司が、ケガによる長期離脱の復帰戦とは思えない精力的な動きを見せる。とくに守備エリアの広さとボール奪取力は光るものがあり、バイタルエリアにボールを入れられても素早くプレスバックして攻撃を寸断し、カウンターにもしっかりと対応。清水に決定機を作らせないという意味で大きく貢献し、チームには守備のコンパクトさをもたらした。
そこからの攻撃では、平山がよくボールをキープして攻撃の流れを作り、石川直宏もよく攻守に絡んでいく。流れとしては清水が少しずつポゼッションする時間を増やしていったが、やりたいサッカーができていたのはF東京のほうだった。
そんな中、32分の左CKから石川が速いボールをファーサイドに送り、平山がフリーになってヘディングシュートを決め、自分たちの流れのうちに先制点を奪うことに成功した。清水にとっては、不用意なミスからCKを与えてしまったことと、岩下敬輔が平山の動きに付ききれず、フリーで打たせてしまったことが悔やまれる失点だった。
その後は、「点を取りにいかなければいけないということでボールが動くようになった」(長谷川監督)という清水が、徐々にF東京のゴールに迫っていく。44分には、小野伸二のパスを藤本淳吾がダイレクトで裏に流し、枝村がゴール右に飛び出して初めての決定的なシーンを作ったが、ここはGK権田修一の攻守に阻まれてしまう。その後も、CKから岩下、左クロスからヨンセンと続けざまにチャンスを作ったが、決めきれないまま前半が終了。
後半に入ると、清水がポゼッションしてF東京がカウンターを狙うという傾向がより強まるが、清水はあと1本のパスがなかなか通らず、むしろF東京のほうがゴールを脅かすシーンを多く作った。そして後半20分、F東京が右サイドで起点を作り、中に入れたパスを梶山陽平が素早く左に送ると、平山がどフリーの状態。そこからグラウンダーでクロスを入れ、DFがクリアしきれなかったボールを大黒がフリーで押しこんで、清水を突き放した。
その直後の21分、長谷川監督は腰に痛みのある小野に代えて、ついにケガ上がりの岡崎慎司を投入。本来は15分前後の起用にとどめる予定だったが、多少無理をしてもらうしかなかった。そこから清水は、ヨンセンに代わった永井雄一郎(後半11分〜)と岡崎の2トップに布陣を変え、岡崎の巧みな動き出しでF東京のDFラインを押し下げて、攻勢を強めていく。それにより流れが大きく変わり、清水がサイドの深い位置からクロスを入れる場面も増えた。
後半32分には3人目の点取り屋・大前元紀を投入し、33分に太田宏介が左からクロスを入れると、ニアで岡崎がつぶれて逆サイドの大前に通る。大前にとってはこれが最初のボールタッチだったが、シュートブロックにくるDFを冷静にキックフェイントでかわし、左足でGKの股間を抜いて、ようやく一矢報いた。
その後は清水がさらに勢いづき、F東京陣内でのプレーが続いたが、44分の永井のループシュートはバーに当たり、50分の藤本の決定的なボレーシュートは上に外れて、5分あったアディショナルタイムも時間切れ。自分たちのサッカーで狙い通りのゲーム展開ができたF東京が2-1で逃げ切り、アウェーで貴重な勝点3をつかみ取った。
一方、清水のほうは、監督や選手たちのコメントを総合すると、内容は悪くなかったが決めるべきところを決めきれなかったという振り返り。たしかに決定機の数では上回ったが、決定力不足を嘆くほどビッグチャンスが多かったわけでもない。また、ほとんどの決定機は、尻に火がついてから生まれたもの。ホームでもっと先手を取って主導権を握りたかったという意味では、やはり物足りなさが残った。
以上
2010.10.31 Reported by 前島芳雄
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