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【J1:第28節 仙台 vs 京都】レポート:ゴールこそセットプレーからの1発だったが、内容には小さくない差が。京都の一縷の望みを打ち砕く勝利で、仙台はさらに残留へ一歩。(10.10.31)

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10月30日(土) 2010 J1リーグ戦 第28節
仙台 1 - 0 京都 (13:04/ユアスタ/12,663人)
得点者:27' 赤嶺真吾(仙台)
スカパー!再放送 Ch180 11/1(月)前11:00〜
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敗れた京都・秋田豊監督が「なかなかいいリズムが作れず、試合が終わってしまったと感じている」と語れば、一方、勝利を手にした仙台・手倉森誠監督は「選手には『スコア以上の完勝だ』という話をした」と手応えある様子を見せる。確かにスコアこそ最少得点での決着となったが、仙台から見れば前節の3対24というシュート数と異なり、今節は15対7と手数でも優勢、さらに決定機も多く得るなど、狙い通りの試合運びで掴んだ勝点3となった。

そもそも終わってみればこの試合は、仙台の側が戦前に予想、もしくは意図していたゲーム展開をそのままなぞるような形となった。
「立ち上がりから京都が積極的に来る」。これは順位表上における獲得勝点の関係からも想像できることだったのだが、残り7試合でとにかく稼げるだけの勝点を稼いで天命を待つ状態の京都は、やはりアウェイでも攻勢に出てきた。7分には、ドゥトラの出場停止を受けて左サイドハーフで先発した中村太亮からのスルーパスにディエゴが反応。DFライン裏に素早く抜け出してゴール左から早いセンタリング。これはGK林卓人がはじき返すものの、早速チャンスを演出する。さらにこの後もしばらくは京都が、仙台のクリアを簡単に拾ってからボールを支配し、仙台エンドで相手を押し込む展開が続いた。
だが、この流れが織り込み済みだった仙台は、しっかりと自分たちで戦い方を修正し、流れを奪い返す。
まず、立ち上がりに多少揺さぶられた守備だが、柳沢とディエゴの関係(どちらかといえばディエゴが1.5列目から動き出すかに思われていたが、ドゥトラ欠場の影響がここにもあったのか、この日は柳沢敦と共に前線に2枚張る形が多かった)を認識。ボランチの一角、斉藤大介がDFラインへの吸収も辞さない意向で下がり、最終ラインで数的優位を保ち続けたことで、ゴール前の危険は消えた(そもそも京都の攻撃に、2トップがサイドに流れた際のゴール前スペースや、斉藤が後方に引いた後のバイタルエリアを脅かすための、2列目からの動きが少なかったことも、仙台としては幸いした)。
また京都の波状攻撃の原因ともなっていたエリゼウのむやみなロングボールが減り、奪ってから速攻に出られない際には、まずマークの緩かったボランチへ預けることを徹底しだした辺りから、仙台は京都の守備を崩していく。安藤淳が「自分たちのバイタル(を固めること)を意識しすぎて、相手ボランチへのプレッシャーが甘くなった」と振り返っていたが、仙台のボランチにボールが収まったことで、京都の守備は前後に揺さぶられることになる。実際には固めきれなかったボランチとDFラインとの間のスペースに、梁勇基、関口訓充の仙台攻撃的MF勢が入り込むのを許してしまったことが、結果的に試合を決めるゴールの引き金となった。
フェルナンジーニョが動いて作り、自らのヒールでボールを流し込んだ中央のスペースに関口が走り込み、そこからのパスを受けてゴール前へフリーで飛び込んできた菅井直樹が、シュートこそ打てなかったものの獲得した、27分の右CK。梁からのボールをファーサイドで頭一つ競り勝ったエリゼウが強烈に中央へ押し返すと、そのボールをGK守田達弥がキャッチし損ねてしまう。ゴールエリアにこぼれたボールに嗅覚良く詰めた赤嶺真吾が押し込んで、仙台に先制点がもたらされた。
内容で押していながら流れを明け渡し、セットプレーで先に失点してしまう。ダメージの小さくない展開となった京都もまだすぐに追いつけばわからなかったのだが、前半終了間際の44分にディエゴの左センタリングが仙台ゴール前で混乱を生み、そこから得たペナルティーアークからの水本裕貴の枠を突いたミドルも、林が反応良く掻き出して、ビハインドを埋めることができず。

そして、この時点でまだ後半の45分間は残っていたとはいえ、実際のところ、京都は試合をひっくり返すことが難しい状況になっていたと言える。前節、C大阪の攻撃陣を苦しみながらも完封した仙台にとって、チーム全員による怠慢のない守備で京都にチャンスを与えないことは、決して難しいことではなかった。
終始右サイドで運動量を落とさずに奮戦した渡邉大剛など、京都にも武器は存在していたのだが、攻撃はどれも単発に。さらに京都が何とか追いつこうと前に出てきたとしたら、それこそ仙台が前節の反省として取り組んでいた、素早く運んでフィニッシュへと持ち込むカウンターが機能する土壌となる。追加点こそ結局は生まれなかったのだが、仙台には後半だけでも、赤嶺、フェルナンジーニョ、そして後半終了間際の高橋義希と、DFライン裏にパスが通ってGKと1対1となった決定機が3つ。冒頭の両監督のコメント、そしてゲーム全体の印象を形成したものは、おそらくこの部分の差ということになるだろう。
関口の負傷退場こと気になるが、仙台は無事に勝点3を上積み。派手かつ華麗なサッカーとはいかないが、それはまず来季のJ1の座を確定させてかということにして、持ち前の手堅さで、まずは目標の残留へ向け、さらに大きく前進だ。
京都は…残留に向けた勝点の目安として現時点でのターゲットだった15位・F東京が、同時刻の試合で清水に勝利。残留圏内までの勝点差が、残り6試合で12と広がってしまった(本日の試合が延期となった大宮も、現時点で勝点はF東京と同じく28)。残りは6試合、仮に全勝したとしても、F東京と大宮がそれぞれ2勝分の勝点6を獲得すれば、勝点で上回ることはできない。まだその大宮(第31節)、F東京(最終節)との直接対決を残していることが数少ない光明ではあるが、状況はより厳しくなったと言える。
寒空の下での一戦は、2クラブの状況に大きな開きを生む結果となった。

以上
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