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【J2:第31節 横浜FC vs 千葉】レポート:岸野横浜FC バージョンアップ完了!千葉の良さを封じるゲームプランを完遂し、強さを見せつける勝利を果たした。(10.10.24)

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10月23日(土) 2010 J2リーグ戦 第31節
横浜FC 1 - 0 千葉 (16:03/ニッパ球/8,855人)
得点者:43' 西田剛(横浜FC)
スカパー!再放送 Ch182 10/25(月)後01:30〜
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進化を続ける横浜FCと、昇格への勢いを加速したい千葉。その両者の対決は、横浜FCの急成長ぶりが際立つ試合となった。第14節(鳥栖戦)のプレビューにも書いたように、横浜FCの岸野靖之監督は、常に「相手をとことん、しつこく追い回すチームになりたい」と語っていた。この試合では、岸野監督が目指す相手が嫌がるサッカーをJ1クラスの迫力を持つ千葉に90分見せ続けることに成功した。

横浜FCがこの試合でポイントとしていたのは2つ、1つは、パワーがあるネットへのロングボールへの対処。つまり、ネット自身に自由にポストをさせず、そのこぼれ球を確実に拾うこと。もう1つは、千葉がじれてきた時に上がり気味になる千葉のサイドバックの裏を使うことだった。

1番目のポイントについては、目算通り千葉は立ち上がりからネットのこぼれ球、セカンドボールを狙うプレーを徹底した。しかし、このプレーに対して、マッチアップした渡邉将基が90分間集中を切らさずにネットをほぼ完封。時には、ボランチのホベルトと2枚で挟み込む形も作った。そして、周囲の選手がセカンドボールを拾う作業を続けた。

10分を過ぎた辺りから、千葉は戦い方に変化をつけ、ワイドにボールを回しながら、スペースを作り出すプレーを混ぜる。20分に左サイドに飛び出したアレックスが放ったシュートはそのプレーから飛び出したもの。しかし、この形も横浜FCのバランスの良い守備と追い回しもあり長続きしない。さらに、2番目のポイントであるサイドバックの裏を使った攻撃が、千葉のリズムを奪っていく。横浜FCは中盤でボールを奪うと、素早くサイドの裏のスペースにボールを供給、そこに難波宏明を走り込ませた。「ぶつ切りになった」と江尻篤彦監督は振り返ったが、この動きは横浜FCのシュートチャンスを作り出すだけでなく、千葉のパス回しによる攻撃のリズムを奪っていった。

そして、この2つのポイントが43分の横浜FCのゴールに結実する。千葉の左サイドバック鎌田翔雅がドリブルで持ち上がった後に、ネットに入ったボールをCBでカット、セカンドボールを拾ったホベルトが、鎌田のオーバーラップで空いたスペースにロングボールを供給。そこに走り込んだ難波がダイレクトで折り返すと、西田剛がヘディングシュートをたたき込んだ。岡本昌弘は「事故のような点」と振り返ったが、むしろ緻密に計算された狙い通りのゴールだった。

千葉・江尻監督は状況の打開を図るためハーフタイムに谷澤達也を投入。この投入で、谷澤が横浜FCの守備ブロックの間でボール受けてタメを作るようになると、千葉はボール回しによる崩しを使いながら横浜FCを押し込むようになる。46分の裏に抜けた倉田秋のシュートはオフサイドとなり、63分CKからのネットのヘディングは枠を僅かにそれる。数多くのセットプレーの機会を作るものの、横浜FCの体を張った守備を破ることはできず。少しでもミスがあると、横浜FCの組織的で球際に強い守備に引っ掛かり、ボールを千葉側の自陣に戻される状況が続いた。千葉は75分に太田圭輔、青木孝太を同時に投入しパワープレーに出るが、この選手交代も実らず。守備の激しさを崩さなかった横浜FCが千葉を上回る強さを見せ、1-0の逃げ切りに成功した。

「結果にあとちょっとというところだったが、今日は勝つために根性を出して戦えるチームになった」という岸野監督のコメントが、この試合の横浜FCの全てを物語っている。天皇杯の川崎戦、鳥栖戦と、地力の強さを勝ちに結びつけられない試合が続いていただけに、千葉相手にサッカーのクオリティを90分間落とすことなく出し切り、勝点3に結びつけられたことが非常に大きい。けが人が多く、サブのメンバーの枠を1人余らせる状況を余儀なくされての結果は、「岸野横浜FC ver.3」へのバージョンアップが完了したと言ってよいだろう。大事なのは次の岐阜戦。ゲームのクオリティを落とさず、次の「目の前の一勝」を挙げられるかが、新バージョンのチームに問われることとなる。

一方の千葉は、横浜FCの勢いと集中を上回れるプレーを見せられなかった部分が、勝点を逃した大きな要因になった。個の力はJ2で一級品なのは間違いがない。一方でこの時期は、対戦相手のスカウティングも進み、はっきりとした戦い方をされた時の対応が鍵となる。これはJ2ではおなじみの光景。4回戦制の時には「魔の第三クール」と呼ばれる時期があったぐらいで、過去にJ1で昇格したチームが必ず通ってきた道だ。更なる武器を身に付けて残り7試合に臨むことが目標達成のために求められる。

決して千葉の出来が悪かったわけではなく、むしろ横浜FCの「根性」が格上千葉をねじ伏せた試合。8,855人のお客さんを満足させられる内容だったことは確か。残りの7節でも、このような熱戦を期待したい。

以上

2010.10.24 Reported by 松尾真一郎
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