10月3日（日） 2010 J2リーグ戦 第29節
富山 0 - 1 千葉　（13:05／富山／4,632人）
得点者：25' 青木孝太（千葉）
スカパー！再放送 Ch183 10/5（火）後01:30〜
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富山は安間貴義監督のもとでの初戦を飾れなかった。しかし、思い切った選手起用とその期待に応える躍動感あふれるプレーでチームの再生を印象づけた。千葉は２連勝で３位の福岡に勝点１差に迫った。後半はピンチの連続で、試合に勝って勝負に負けた感ものある大苦戦だったが、アウエィでの勝利は５月２日の第10節以来。目的を達して残り９試合へ希望がふくらんだ。

監督交代から５日目。安間監督の大目標はチームに戦う姿勢を取り戻させることだった。選手の競争意識を高め、ゲーム形式の練習で勝ったグループの選手をそのまま先発に起用した。日々の練習が勝負の場であり、実績に関係なく調子の良い選手を使う―。自らの方針と決意を示す選手たちへのメッセージだ。
メンバーは前節から７人が入れ替わった。ルーキーのＦＷ平野甲斐とＤＦ吉井直人は初先発、５ヵ月ぶりに復帰した江添建次郎を中盤のアンカーに置くなど新風が吹き込まれた。フォーメーションは４バックを底辺として三角形をつくる４-３-２-１。千葉の強力なサイド攻撃に対抗するため、「斜めの防御ラインを敷いた」（安間監督）。

開始から千葉がボールを保持して攻めどころを探った。最近３戦で10失点の富山は丁寧な対応を続けて守りからリズムをつくろうとした。
均衡が破れたのは25分。千葉が左サイドからのボールを中央でＦＷ青木孝太がはたき、裏に抜けたＦＷ谷澤達也がＧＫと１対１となった。競り合いからポストに当たったこぼれ球を青木孝が押し込んで３試合連続のゴールを挙げた。

富山の安間監督は、失点時について「最近は見られなかった最後までボールに食らいついていく姿勢があった」と話す。そして、今回の試合を評価するうえで、失点後のプレーに注目していた。負けじと反撃に転じ、立て続けに決定機をつくった。27分にＦＷ石田英之のミドルシュートがゴールポストを直撃。33分には平野が右サイドからセンタリングして絶好機を迎えたが石田のシュートはＤＦに当たって外れた。44分にも石田のミドルシュートのこぼれ球にＭＦ朝日大輔が詰めるなど相手ゴールを脅かした。

千葉は後半立ち上がりもポゼッションで優位に立つが、やや手数をかけすぎて追加点が奪えない。「意識していたのにサイドチェンジができなかった」とＭＦ山口慶。サイドに押し出していく富山ディフェンスの狙い通りに攻撃が一本調子となり、なかなかシュートまでたどりつけなかった。
後半20分過ぎからは富山が勢いを増し、ＣＫなどから何度も惜しい場面をつくった。同24分からＪリーグ初出場を果たしたルーキーＦＷ関原凌河や、ＭＦ姜鉉守、ＦＷ木本敬介らが際どいシュートを放ったが同点ゴールは生まれなかった。「この試合にかけていた。みんな気持ちが入っていた」と平野。何人もの選手が試合後に悔し涙を流した。６連敗となったが、安間監督は「失点後も下を向くことなく、挑んでいく姿勢をみせたことは次につながる」と話した。

千葉の江尻篤彦監督は「どんな勝ち方でも勝点３を取ること。そのミッションを達成してくれたことに関して評価したい。ただ、細かい部分を拾い上げると足りないところがたくさんある」と語った。残り９試合がさらに厳しい戦いになることを考えると、心もとないゲーム内容だったかもしれない。９日には天皇杯３回戦でＪ１の京都と対戦する。今回とは違って、純粋にチャレンジャーとして臨むことができるだろう。リーグ戦に弾みをつけるゲームにしたい。

以上

2010.10.04 Reported by 赤壁逸朗