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【J1:第25節 鹿島 vs 清水】レポート:90分の激闘は両者痛み分け。名古屋との勝点差は開いたが、優勝への望みを繋ぐ内容を見せた。(10.10.03)

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10月2日(土) 2010 J1リーグ戦 第25節
鹿島 1 - 1 清水 (17:04/カシマ/22,236人)
得点者:11' 小野伸二(清水)、53' 岩政大樹(鹿島)
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それは痛恨のミスだった。愛娘と入場したことで少なからず気負いがあったのかもしれない。日本代表に選ばれたばかりの伊野波雅彦の楔のパスが、同じく代表に入った本田拓也にカットされてしまう。するとパスを受け持ち上がったのは小野伸二。3対3の状況で非凡なパスセンスを持つ小野がどういう選択をするのかに焦点が集まったが、カシマスタジアムは浦和時代から数多くのビューティフルゴールを決めてきた場所。
「パスをしようかと思ったけど、ここは1発狙ってみようかなと思った」
自陣に下がりながら時間を稼ごうとする鹿島ディフェンスを嘲笑うかのように、糸を引く強烈なロングシュートを見舞う。横っ飛びする曽ヶ端準が懸命に手を伸ばすが、ボールはゴール左隅に突き刺さり、清水が先制点を奪った。

水曜日にヤマザキナビスコカップを戦った清水は、中二日という厳しい日程だった。そのため試合開始時から、いつもより低めのポジショニングでスタート。[4-3-3]の布陣で3トップからアグレッシブにプレスをかけてきた前回の対戦とは違い、自陣でブロックをつくってスペースを消す戦い方を選択していた。見方によっては[4-5-1]にも見える布陣だったが、鹿島とすればフリーなのがセンターバックの二人だけだったため、突破口を開くためには楔のパスを打ち込む必要があった。そこを見透かされたようにパスを奪われてしまったのである。

とはいえ、この日の鹿島はこれまでになくパスミスが目立った。伊野波だけでなく、フェリペガブリエル、野沢拓也、中田浩二らもミスを連発。荒れた芝に苦労したのがその原因と言えるだろう。その影響からいつものパステンポが生まれなかった。だが、ここから臨機応変に戦い方を変えていくのである。「点をとられても焦らずにやれた」(中田)と言うように、中盤を省略したパスを前線に入れ、マルキーニョスと興梠を走らせる。例えロングフィードが繋がらなくとも、ボールコントロールに苦心するのは相手も同じ。鋭い出足で清水の選手を囲み、ボールを奪い返すことで徐々に試合を支配していった。
 
後半7分、フェリペ渾身のシュートを西部洋平に弾かれてしまう。しかし、ドラマは直後のCKに待っていた。清水ディフェンス陣にマークにつく準備が整っていないことを見て取った小笠原満男が、すぐにリスタート。ボールはそれを感じ取ってゴール前に飛び込んでいた岩政大樹の頭にピタリと合い、豪快なヘディングシュートで鹿島が同点に追い付いたのである。すると、試合は一気にヒートアップ。怒濤の攻撃を見せる鹿島に対し、清水もカウンターで対抗。疲労が顔をのぞかせる時間帯だったが、勝点3を巡る死闘が始まった。
 
清水は59分に伊東輝悦を投入して布陣を[4-4-2]に変更。中盤の守りを安定させ、攻撃はトップ下に移った小野のアイデアに託す。60分には小笠原から小野がボールを奪い、カウンターに移るがヨンセンがボールの処理を誤ってしまう。しかし、62分に枝村匠馬が右サイドからカットインしながらクロスを送ると逆サイドにいた岡崎慎司がうまくトラップ。新井場徹を背負いながら反転し、左足でシュートを放ったが曽ヶ端の正面だった。
鹿島も負けじと反撃、67分、68分、70分と立て続けにマルキーニョスにクロスが送られたがゴールならず。72分にはマルキーニョスが強烈なミドルシュートを放つも、これをボスナーが顔面でブロック。勝利への執念を感じる気迫溢れるプレーの連続となった。
さらに攻め立てる鹿島。85分には、ジウトンのクロスにフェリペがジャンピングボレーで合わせるもクロスバーを直撃。ロスタイムにはペナルティエリア内でマルキーニョスがマークを外しシュート態勢に入るも、猛烈なダッシュで帰陣した岡崎がこれを阻止。最後まで、どちらのチームにも軍配は上がらなかった。

鹿島は2位を守ったものの、首位の名古屋が勝利したため勝点差は9にまで開いた。だが、内容としてはベストなフォームを取り戻しつつある。ジウトンやフェリペ・ガブリエルといった今季加入した選手もかなりフィットしてきた。残り試合数の9という数字を多いと見るか少ないと見るかで、この試合の印象は大きく変わる。07年、鹿島が逆転優勝を決めたとき成し遂げた連勝数が「9」だった。稀代のモチベーターであるオリヴェイラ監督は「我々はまだ諦めずに34試合の最後まで戦い抜く」と宣言した。玉座は簡単には渡せない。

以上

2010.10.03 Reported by 田中滋
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