10月2日(土) 2010 J1リーグ戦 第25節
京都 0 - 3 広島 (13:04/西京極/7,220人)
得点者:12' 槙野智章(広島)、51' 李忠成(広島)、58' 李忠成(広島)
スカパー!再放送 Ch185 10/4(月)後01:30〜
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第25節西京極での戦いは、チームがバランスを崩した印象を残し京都が広島に大敗した。土台を建て直した様に観えた京都だったが、改めて、そのもろさを露呈した結果となった。
出場停止から郭泰輝、森下俊が戻った京都。対する広島はストヤノフが最終ラインに入るも、森崎和幸がベンチスタートなど、「水曜日にヤマザキナビスコカップがあり厳しい状況」(ペトロヴィッチ監督)での試合となった。
開始早々は京都が広島にリズムを作らせない守備意識の高さを見せた。
しかし、それも長くは続かず、12分。ストヤノフからのロングボールに抜けだした李忠成を倒し与えたFKを槙野智章に決められ、絶対に与えてはいけない先制を早い時間帯に許してしまう。この失点で「ゲームプランが全て狂ってしまった」(秋田豊監督)京都は、前線から奪いに行く守備に切り替えるが、最終ラインと前線までの意思疎通が不完全で、簡単に広島に流れを掴まれた。
後半に入り、前からボールを奪いに行く守備でまとめた京都だが、51分、中盤の高柳一誠に水本裕貴がアタックに行くと、その瞬間、李忠成に裏へ走られ、高柳からの浮き球を通されて、追加点を許してしまう。
さらに、58分、中盤の中島浩司から山岸智へ大きく展開されると、最終ラインから上がってきた槙野に通され、クロスを入れられると中央でマークを外してしまった李忠成に決められ0−3と試合を決められる。
京都は柳沢敦を投入するなど最後まで得点を目指すが、攻守にちぐはぐさを見せ、最後まで広島守備陣を崩すことができずタイムアップ。無得点3失点で広島に敗れた。
広島のペトロヴィッチ監督は試合後、「我々の問題はプロフェッショナルな部分が足りていない」と口にした。「1点目を取った後にたたみかけて2点目、3点目を取れるシーンはあった」と18分の李忠成、44分の高萩洋次郎のシュートシーンを挙げ、課題としながらも「後半はその(プロフェッショナルな)部分は見せられた」と説明した。
後半の得点は後半6分のファーストチャンスをものにしてのもの。次の得点は、そのわずか7分後に挙げている。しかも、裏に走り出してのものと、サイドを崩しての得点。「相手の穴を探してそこをしっかりと突いて攻撃を組み立てることができた」(ペトロヴィッチ監督)形でのゴールである。
得点への推進力に「プロフェッショナル」という考えを示し、それを見事に表現した選手たち。広島の強さがここにある様に感じさせた。
対して京都。「相手を分析する中で、高い位置からボールを獲りに行けば、多分、うまくポゼッションをされて、ズタズタにされるというのは明白だったので、そういう意味ではリトリートしながらカウンターを狙うというのを、トレーニングではしてきました」(秋田監督)とプランを立てていた。だが、残り78分を残して、それが崩れると、選手の意思が食い違う様になり、バランスを崩す。
京都・角田誠は試合後、失点後の前半の戦いについて、「前の選手は負けているから点を取りたいというのがあるし、後ろからしたら、流れが良くなかったから0−1でいいと思っていたかも知れないし、そういうところもあったし、皆イライラしながら、やっていたから」と振り返った。秋田監督も失点後の前半の戦い方について「グランド外の所でも声をかけて、指示を出していた」と、問題を感じていた。
ポゼッションの上手い広島相手に先に失点するのは絶対に避けたい、という思いが強すぎ、実際に先に失点した場合の心の備えが出来ていなかったということだろう。「絶対に―」というのは、動機づけという面では大変重要だが、それが現実のものとなった場合のダメージも大きくなる。京都は今回、まともにそれを受けた形になった。
選手の個人的な意思も目に付いた。FWの選手がボールを奪いに行ってパスをつながれると後ろを向いて手を振りまわし「もっと前から!」というパフォーマンスを見せた。だが、その選手も前から追いかけるのをしつこくやっていた訳ではない。記者席から観ての感想だが、前線が気まぐれで追いかけても後ろの選手はそれを毎回理解することはできないだろう、と感じさせた。
残留争いで勝たなくてはならない、というのは分かるが、勝負以前に、チームが個々に走っていく姿だけはどうしても改めて欲しい。
どんなに点差をつけられて、内容的にも劣ると言われたとしても、「京都はチームで闘う」、という姿だけはどうしても崩して欲しくないと、個人的に願うばかりである。
以上
2010.10.03 Reported by 武田賢宗
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