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【J1:第24節 川崎F vs G大阪】レポート:一進一退の攻防は、試合終了間際のワンチャンスで決す。G大阪の勝負強さが光る一方、川崎Fは等々力での連敗によりタイトル争いからの後退を余儀なくされている。(10.09.26)

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9月25日(土) 2010 J1リーグ戦 第24節
川崎F 1 - 2 G大阪 (19:03/等々力/20,837人)
得点者:12' 中澤聡太(G大阪)、21' 黒津勝(川崎F)、86' ルーカス(G大阪)
スカパー!再放送 Ch181 9/29(水)後00:00〜
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体調不良に見舞われていた中村憲剛がベンチに回る川崎Fに対し、G大阪は前節の大阪ダービー時のメンバーをそのまま起用してきた。メンバー的にも、精神的にも、G大阪の優位が予想される試合前となる。

中村の不在を誰よりも意識していた選手の筆頭が、横山知伸であろう。中村に代わりピッチに立った横山は「ケンゴさんがいないと、相手は攻撃で怖くないと思うと思う。だから少しでも怖がらせられるよう、意識してました」と試合を振り返る。ボディーバランスだけで相手をかわし、ライン際のヴィトールを走らせた開始2分のプレーを皮切りに、横山は落ち着きを見せつつも急所を突くプレーを見せていく。

一方のG大阪は、前半からペースを握るべくハイテンポで試合を推し進めていく。橋本英郎から「自信を持ってやっている」と太鼓判を押される宇佐美貴史は前半9分にGKとの1対1を軽快にかわし無人のゴールにシュートを放つが、これはポストに。しかし3分後の12分に橋本のシュートをキッカケにCKを奪うと、ショートコーナーからファーサイドの高木和道を経由して、ゴール前の中澤聡太につなぐ。「GKが来てるのはわかってました。競り勝つ勢いで行こうと思いました」と話す中澤は、左右にふられたGKの相澤貴志の伸ばした手よりも高い地点にジャンプして頭で押し込み、これが先制点となる。

失点を喫した川崎Fは、焦ることなく反撃の機会をうかがう。怖さをだそうとしていたという横山に対し、稲本は積極的に前線へと顔を出し、分厚い攻撃を演出。また、1点のリードでは満足できない、とばかりに攻撃の手を緩めないG大阪に対し、川崎Fは試合前の狙い通りの展開へと持ち込む。それがロングパスだった。

川崎Fの選手たちが共有していたG大阪の戦いのイメージの一つに最終ラインの高さがある。試合前の横山は「ラインを高くしてコンパクトなので、その裏を一発で狙えると思う」と話しており、試合中盤から裏を狙うパスが見られ始める。皮切りとなったのは、前半21分のプレーだった。自陣の深い地点でボールを奪った田坂祐介は「ボールをとった瞬間にクロさんが走るのが見えた」とその場面を振り返る。田坂からのロングボールは黒津勝につながり、高木との競り合いに。「相手が来てたのもわかったし、しっかりブロックして、切り返しました」と話す黒津は、利き足ではない右側にボールを持ち替えて、冷静に同点ゴールを決めた。

1−1になってからはまさに一進一退の攻防となる。ポゼッションされながらも要所要所を抑える川崎Fは、同点ゴールと同じロングボールでG大阪に揺さぶりをかける一方、細かいパスワークでG大阪陣内深くへと攻めこむ場面が増えるようになる。1−1のまま前半を終えた試合は、勝負の後半へと進む。

先に動いたのは、ホームの川崎F。62分にヴィトールに代えて中村を投入すると試合は徐々に川崎Fのペースに。65分にはペナルティエリア内でジュニーニョとパス交換した田坂が抜けだしてGKと1対1に。しかしこれはGKの藤ヶ谷陽介がセーブ。またその直後の66分には中村のミドルシュートの跳ね返りをジュニーニョがつめてあわやという場面を作り出している。

運動量の落ちた後半のG大阪に対し川崎Fがペースを握るが、そうした試合展開にあっても橋本は「残り15分になっても、1-1で終わる気がしなかった。攻められてても、やれていた」と感じていたと話している。そうした精神的な余裕と、勝ちを意識した試合運びが成果を出したのが試合終了間際の86分の場面だった。

川崎Fは77分から交代出場していた矢島卓郎が、ジュニーニョからのパスを受けてシュート。ディフェンスのブロックをかすめてバーの上を超えたようにも見えたこの場面で、判定はゴールキックに。重要な判定という事もあり、頭の切り替えが遅れた川崎Fの選手に対し、G大阪は素早く頭を切り替えていた。

GKキックから縦に素早くボールを動かすと安田理大、遠藤保仁とつなぎ最後はルーカスに。「他の形が取れなくて(他の選択肢がなかったので)位置的には遠かったが打ちました。毎年ゴールをあげてますが、今年はこんないいゴールは無かったです」と自賛するシュートは、ディフェンスの足をかすめて弾道を代えゴールネットを揺らした。

負けられない川崎Fはここから猛攻を仕掛けるが、G大阪もしっかりとゴールに鍵をかけ、失点を防いだ。ロスタイムの3分を大きく経過しながらも川崎Fは同点ゴールを奪うことができず、そのまま試合終了。22節の横浜FM戦に続くホーム2連敗となった。

この結果、川崎Fは首位名古屋とは勝点13点差を付けられ、タイトル争いから一歩後退。一方のG大阪はC大阪と入れ替わる形でACL圏内の3位へと浮上。首位名古屋を追走する位置をキープしている。

以上

2010.09.26 Reported by 江藤高志
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