9月25日(土) 2010 J1リーグ戦 第24節
山形 1 - 1 湘南 (16:04/NDスタ/7,782人)
得点者:33' 阿部吉朗(湘南)、77' 宮崎光平(山形)
スカパー!再放送 Ch183 9/27(月)前05:00〜
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「非常にヘディングの多い、つまりグラウンダーのボールというより長い、または浮いたボールが多いゲーム」(湘南・反町康治監督)。前節、みちのくダービーに敗れて3連敗の山形と、前節で川崎Fに6失点と守備が崩壊した4連敗の湘南という状況に加え、ともに攻撃力を売りにしているチームではないこともその背景にある。慎重な立ち上がりのなかで、しかし少しずつ山形が主導権を握っていく。
開始3分、石川竜也のクロスがファーサイドの北村知隆のヘディングシュートを放つ。3試合ぶりに先発したエメルソンは守備への切り換えで戻りが遅く、山形の左サイドはこのあとも攻撃の起点となり、得点チャンスを徐々に増やしていく。同サイドを崩し、ファーサイドへのクロスに直接のシュートや折り返しの形を繰り返す。さらに山形が前節と違うのは、攻撃時のリスク管理。「攻めてるときも、こういう試合だから絶対後ろのリスクマネージメントはしっかりしようと。そこは悪くなかった」とボランチに入った下村東美。ゴールへの迫力と引き換えにする部分もあったが、形をなぞるようにボールをサイドへ、そしてゴール前へと運び続けた。攻め込みながらいつまでも得点が入らないケースでは、自滅的にミスが出ることが多い。山形も30分頃にそうした時間を迎え、33分、フリーキックから1点を失った。
フリーキックは右から角度のある位置。左サイドに張っていた鈴木伸貴がスルスルと上がり、空けたスペースに阿部吉朗が入れ替わり入ると見せかけ加速しながら再びゴール前へ。GK清水健太の手前にエメルソンからピンポイントで届けられたボールにジャンブしヘディングした。湘南のもっとも近い勝利は第13節・京都戦。それ以来、11試合ぶりの先制点だった。「2点目を取れれば我々に勝点3は来る」と反町監督も勝利を確実にしたかったが、「センターサークル付近ではこっちのほうがボールを拾えましたよね。それからのプラスアルファの攻撃力というのはちょっと我々にはなかった」とその後の攻撃は停滞。それだけに、鮮やかに見える先制ゴールだった。
攻め込みながら得点を奪えず、流れが変わりセットプレーからの失点。山形の試合経過だけを見れば前節・仙台戦と同じ展開になった。ここで佐藤健太郎が足元のトラップを誤り、園田拓也へのバックパスを狙われるなど、「かなりプレッシャーを受けたなかでイージーミスが増えた。あのへんで追加点が取られなくてよかった」(山形・小林伸二監督)という重い雰囲気がスタジアムには漂ったが、ハーフタイムをはさむとそれもすっかりリセットされていた。佐藤健のアプローチから下村が奪って左へ展開。スペースで追いついた田代のクロスが折り返されると最後はゴール前に詰めていた石川がシュートを放った。これは寺川能人のブロックに防がれたが、その4分後にも北村をオーバーラップした小林亮のクロスを増田誓志がヘディングシュート。両サイドバックがたびたび高い位置まで攻め上がれたのは、ロングボールで田代が確実に起点としての役割を果たしたため。クロスが上がる際にもゴール前に人数をかけ、その回数も十分だった。あとは決めるだけ。しかし、山形はその時間から解放されるまでは長い時間がかかった。
63分、小林のクロスにダイレクトで打ち込んだ増田のシュートがGK野澤洋輔に阻まれたのをはじめ、北村のシュートがわずかに左へそれ、ピンポイントで合わせたつもりの下村のクロスも野澤がポケットキャッチ。必死で守り抜く湘南守備陣の執念も勝り、クロスを打てども打てどもゴールにはつながらなかった。ここで自分たちに焦れれば反撃の隙を与えてしまうが、「忍耐力という面ではかなり試された試合だった」(下村)と攻めきれない自分たち自身に耐え続けた。忍耐がようやく結実したのは77分。起点は佐藤健の矢のような低いくさびだった。「頭でもらうより足元で欲しかった。奥行きでうまくボールが入ってきたので、そのままうまく周りを使えた」とこの直前にピッチに登場したばかりの長谷川悠がボールを落としたのは、やはり途中出場でピッチに立っていた宮崎光平。「パスは考えてなかった」と思い切り振った右足から糸を引くようなシュートがゴールネットに吸い込まれていった。長谷川のくさびの瞬間に湘南のディフェンスラインが引いたことも、ミドルシュートが可能になった背景にあった。
終了間際、再び宮崎に訪れた逆転のチャンスは生かせず、試合はそのまま1-1。「今の状況ではどことやっても、自分たちがどう切り開いていくかというところ。今日は連敗のあとに追いついたというところで、次のガンバのゲームに持っていけるように準備していきたい」と小林監督は前を向く。10月に上位陣との対戦を控えている山形としては、なんとしても勝ちたかった一戦だったが、小林監督はこの時期の戦い方として示唆に富む話をしている。「勝たなくちゃいけない、負けたくないと、その先のことだけを考えてプレーしてしまっている。プレーをひとつひとつていねいにする、コントロールだったり、キックだったり、パスしたらポジションを変えたり、素早くそういうことをやっていったなかでボールが運べるというところをないがしろにして、『負けるんじゃないか』と先の不安が随分のしかかったのではないか」。
「我々の立場から言うと、勝点1はまったくよろこべないのですが、今チームにある課題を今日実戦の場でいい成果を上げることができたというのは、次のゲームにつながると感じている」。最下位脱出がならず、残留のボーダーに近づけないまま1節を消化した反町監督も悔しさをにじませたが、前節6失点から確かに立ち直りかけているチームに、残り10試合の望みをかける。
以上
2010.09.26 Reported by 佐藤円
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