9月25日(土) 2010 J1リーグ戦 第24節
横浜FM 0 - 1 仙台 (19:04/日産ス/20,250人)
得点者:14' 赤嶺真吾(仙台)
スカパー!再放送 Ch183 9/27(月)前11:00〜
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「今日の天候のような涼しいというか寒い試合になりました」
横浜F・マリノス木村和司監督は、しょんぼり…。皮肉を込めてそう振り返った。シュート数は相手の3倍となる18本。すべて空砲に終わり、拙攻が続いたのが、『寒い』ワケだ。
一方、ベガルタ仙台の手倉森誠監督はニンマリ。
「今日は8割がた守る覚悟で臨んだ」
その結果、2戦連続完封を達成。指揮官は気分がよかったのだろう。記者会見で饒舌だった。
試合前のスタメン発表。中澤佑二をケガで、松田直樹を出場停止で欠いた横浜FMは、センターバックに小椋祥平が入る。中盤の底には狩野健太が先発起用された。
仙台は赤嶺真吾がスタメン復帰を果たし期待に応え、決勝弾を叩き出す。前半14分。仙台の梁勇基が背後からのロビングを横浜FM・天野貴史と競り、体を入れて天野を転倒させる。
「相手にぶつけられて、ファウルかと思って、(チーム全体が)一瞬止まった」(天野)
その隙を見逃さなかった梁。遅れて対応してきたDF栗原勇蔵を振り切り、センタリングを送る。低い軌道の鋭利なパスを、赤嶺がニアできれいに合わせたのだ。
とはいえ、横浜FMには同点、逆転が可能な時間がたっぷりあった。なのに、正真正銘の決定機と呼べるシュートは1本だけだったように思う。特に前半は、ダイレクトを交えた華麗なパス回しで終始、ゲームを支配しただけに「もったいなかった」(栗原)。
最初で最後の決定機は、前半23分に訪れた山瀬のヘッド。右サイドで兵藤慎剛がボールキープして狩野に預ける。狩野は狙いすましたクロスを上げ、中で山瀬がジャストミート。しかし枠を捉えきれず、両手で顔を覆う。
後半は前記の手倉森監督の発言通り、仙台がより守りに専念。そのため、「ボールを持たされている」(狩野)感があった。後半、端戸仁と齋藤学の若きアタッカーを投入するも、流れは変わらず。終盤の栗原が最前線に張るパワープレーも実らぬまま、敗れた。
「いつでも点が取れるという雰囲気をチームとして出してしまったことがよくなかった」(兵藤)
その雰囲気を漂わせてしまったのは、松田と中澤という精神的な2本柱を欠いたことが遠因かも…。これを反省材料にするしかない。
仙台には得点以外に、もう一つビッグチャンスを生んだ。後半10分過ぎ、速攻から左サイドを梁がドリブルで侵入し、コースを突くミドルを放つ。これが右ポストを直撃。追加点は惜しくもお預けとなった。
梁と関口訓充の両サイドMFは、カウンターの急先鋒として活躍。戦前にリサーチ済みの、前がかりになる敵サイドバックの裏を巧妙に突く。さらに、守備でも貢献。自陣でボランチとラインの高さを揃え、ゾーンに入ってきた相手に詰め寄り、サイドへ追いやる。彼ら2人が愚直なまでの守備を遂行すれば、ボランチとセンターバックコンビの4人のユニットは、中央の守りに一層、集中できる。そんな相乗効果があったからこその、鮮やかな完封劇だった。
以上
2010.09.26 Reported by 小林智明(インサイド)
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