スカパー！生中継 Ch183 後00:50〜
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９月最後の試合となるこの第２８節。朝夜だけでなく、日中もすっかりと肌寒くなってきた札幌市内の厚別公園競技場で、勝点３０で１３位の札幌と、同３５で１１位の岐阜が対戦する。
札幌の前節は、敵地で首位の柏に１−５のスコアで敗戦。前半は柏のポゼッションをしっかりと受け止め、安定をした戦いをしていたのだが、後半に大量５失点を喫してしまった。ただし、失点の推移を見ていくと、リスタートからと、２本のＰＫで１−３にされてからは、退場によって２人少ない状況で前がかりになった結果、スペースを強襲されて加点されてしまってのもの。大差で敗れたのは、シチュエーションが大きく影響したと考えるべきだろう。それも前述したように、リスタートとＰＫ２本がそうさせたわけだから、もちろん結果に関しては反省をすべきなのだろうが、大差で敗れたという部分に関しては悲観をする必要はあまりないだろう。「首位のチームに勝つことで意地を見せたいし、流れを変えたい」と多くの選手が意気込んでいた試合だっただけに、メンタル的なショックは少なからずあるだろうが、そんなことを言っていても仕方がない。中２日ですぐに試合があることをポジティブに考え、そこで取り返すしかない。
ただし、メンバー構成は難しくなるかもしれない。負傷離脱中のキリノ、藤田征也の復帰はまだ難しく、岩沼俊介については微妙なところ。そして柏戦で退場処分となった上里一将、宮澤裕樹が出場停止となるため、特に中盤のメンバー構成については流動的なものとなりそうだ。「いる選手で気持ちを切り替えてやっていかなければいけない」と石崎信弘監督は現実を受け止めるが、難しい状況にあることは間違いない。ここでどういった選手起用を行なうのか、という部分には注目が集まるだろう。
一方で敵地へ乗り込む岐阜だが、前節は大分を相手に２−０で勝利している。雨中の難しい試合であったとともに、野田恭平、吉本一謙という守備の中心２選手を出場停止で欠くという苦しい条件のなかで、しっかりと完封勝利を収めている。そしてここにきて、なかなか連敗をしなくなっており、粘り強さも出てきている印象だ。「守備にしても、切り替えにしても、やるべきことを進めることができた」と倉田安治監督は自チームのパフォーマンスに対し、一定の評価を与えている。また、前節については相手の大分が森島康仁、高松大樹というサイズの大きな選手を先発起用し、そこを起点にチャンスメイクを狙ってきたが、そこであたり負けするばかりではなく、しっかりと対応した。その辺りを見ると、フィジカル的な部分でもチームは安定感を高めつつあると言えるだろう。得点源の押谷祐樹も前節、２得点を挙げるなど好調ぶりをアピールしている。
さて、そんな両チームの対戦だが、改めて「攻守の切り替え」を注目点に挙げたい。札幌は「苦しくなったときは原点に戻りたい」と西嶋弘之が話しており、そしてその原点というのは「高い位置からの守備でボールを奪い、そこから素早く攻撃に転じる」（西嶋）というもの。対する岐阜も、そのプレースタイルは奪ったボールをシンプルに前線へと運び、相手サイドバックの裏、あるいはダイレクトにセンターバックの裏のスペースを狙い、そこで押谷がフィニッシュまで持ち込むというのが理想的なもの。相手より素早く攻撃に転じる、あるいは意識を守備に切り替える。攻守の一体化というのはサッカーにおけるモダン要素のひとつであり、それをより相手チームよりも高い質で実践できたほうが、この試合で勝点３を得ることになるだろう。
冒頭でも記したように、札幌市内はすっかり気温が下がってきている。また、会場となる厚別公園競技場は特有の風が吹くため、予想される気温よりも、体感温度というのはグッと低くなるはず。夏の終わりというのは寂しいものだが、ここでもしっかりと切り替えて、上着の持参をしたいところだ。
以上
2010.09.24 Reported by 斉藤宏則
