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第25節福岡戦で１−２の逆転負けを喫した千葉が、Ｊ１昇格圏内の３位から４位に後退して柏と対戦した第26節。連動性の高いスピーディーな攻撃、チャレンジ＆カバーの連係がとれた守備の柏が常に先手を取る展開で、チームの完成度で後れをとった千葉は２−３（千葉の得点者はＭＦ谷澤達也、ＦＷ青木孝太）で競り負けた。
千葉の試合開催がなかった９月23日の第27節では、３位の福岡が鳥栖を１−０で下して勝点を49に伸ばし、千葉との勝点差は７に広がった。その一方で、徳島に３−２で勝利を収めた東京Ｖは、勝点を千葉との差がわずか２の40に伸ばして５位に浮上。千葉は『上』にはさらに離され、『下』がかなり迫ってきた状況で、今節を迎えることになった。
千葉は練習開始が16時の予定だった９月22日の午後練習では、試合の映像を使ったミーティングに時間を割き、選手がグラウンドに姿を現わしたのは17時頃。「今までもやっていたけど、選手間でも意見を言い合って問題点を整理して修正を図った」（ＤＦ福元洋平）。第26節では相手の攻撃の流れを切れずに波状攻撃を受けたこともあり、練習では「クリアしたら（ディフェンスラインを）上げろ。クリアは遠くへ」という江尻篤彦監督の声が響いた。福元は、「栃木ＳＣはロングボールで攻めるけど、しっかり弾いてセカンドボールを拾えばいいので、やりやすい。そのためには競り合いに勝たないといけないし、カバーリングをしっかりすることが大事。ボールをつなぐ時と大きく蹴って流れを切る時の判断もしっかりやらないといけない」と話した。
栃木ＳＣは第22節大分戦に２−０で勝ってから２分２敗と４試合勝利なしだったが、第26節東京Ｖ戦では０−４で敗れた第25節徳島戦の反省を生かした守備の修正が奏功して無失点（スコアレスドロー）。栃木ＳＣの松田浩監督は「半歩前進」と評価した。
３連勝中の愛媛ＦＣと対戦した前節（第27節）は、26分の直接ＦＫの場面でＭＦ水沼宏太とのサインプレーからＤＦ那須川将大が無回転シュートでゴール。その後もカウンター攻撃やサインプレーを使ったセットプレーで愛媛ＦＣゴールを脅かし、ＦＷリカルド ロボや水沼のシュートがゴールポストやクロスバーに弾かれて外れるなど、何度も決定機を作ったが追加点は取れず。だが、愛媛ＦＣの決定力不足に助けられもしたが、きっちりとブロックを築く守備で無失点に抑え、「一歩前進」（松田監督）の勝利を収めた。
千葉が栃木ＳＣと初対戦した第９節は２−２（得点者は栃木ＳＣ＝ＦＷ崔根植…ＰＫの１点を含む２点、千葉＝ＤＦ茶野隆行、ＭＦ倉田秋）の引き分け。千葉はセットプレーから失点しているだけに、バリエーションの多い栃木ＳＣのセットプレーは要注意だ。また、栃木ＳＣの堅守を崩すには、９月22日の練習で江尻監督や米田徹コーチの指示にあった「一回詰まったら、そこで動き直す」「サイドを変える」ことがポイントになる。攻めきれない問題についてＭＦ佐藤勇人は「細かくパスをつなぎすぎずに、シンプルに攻めることも必要だと思う。選手がお互いの特長を生かすことが大事」と話した。
苦境に立たされた千葉だが、福元は「へこんでいる暇はない。我慢の時間帯で耐えて、90分で勝てばいい」と話し、佐藤勇は「連敗で、スタジアムに来るお客さんは減るかもしれない。でも、自分たちはあきらめていない。まだ死んでないというところをピッチで見せて、また戻ってきてもらうしかない」と言い切った。彼らの有言実行を期待している。
以上
2010.09.24 Reported by 赤沼圭子
