9月23日（木） 2010 J2リーグ戦 第27節
富山 0 - 3 甲府　（16:05／富山／3,319人）
得点者：11' マラニョン（甲府）、45'+1 パウリーニョ（甲府）、54' ハーフナーマイク（甲府）
スカパー！再放送 Ch183 9/24（金）後02:30〜
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甲府がよく戦い、順当に勝点３を積み上げた。６試合ぶりの完封によってＪ１復帰がかかる残り10試合に弾みがついた。富山は４月の対戦に続き、再び甲府を勇気づける勝利を献上した。連敗はクラブワーストの４となり、正念場が続く。

甲府のGK荻晃太は「きょうのような試合が理想。全員が労を惜しまずにハードワークし、高いレベルで集中力を発揮した。１−０のように集中して戦えた」と振り返った。内田一夫監督には選手たちが頼もしく映ったようだ。前半の２得点に安心することなく、ハーフタイムでプレーを確認し合う引き締まった空気があったという。「このゲームを完封したいという思いが出てきていた。最近は良いゲームをしても勝ち切れなかったが、それを自分たちで修正していこうという気持ちが生まれた」と語った。

甲府はFWマラニョンが３試合ぶりに先発した。ハーフナー・マイク、パウリーニョとの３トップは開幕戦以来。11分に幸先よく先制点を奪った。MF養父雄仁のスルーパスから右サイドの裏に躍り出たパウリーニョがGK橋田聡司に倒され、マラニョンがPKを決めた。
その後はやや富山ペースとなり、CKなどからピンチを迎えるが無失点で乗り切った。「７番（MF朝日大輔）がフリーになっていたので誰がみるのか確認した。選手たちで意識しながらプレーすることができ、相手にチャンスをつくらせなかった」とハーフナー。３トップも献身的に動いて中盤を助け、守りのすきを埋めていった。ポジショニングの修正と寄せの早さによって富山のパスがつながらなくなり、30分過ぎからは再び流れは甲府に。そして前半ロスタイム、左サイドで起点を作り、中央でもらったパウリーニョが右へ切り込みながら右足を強振して２点目を挙げた。
甲府は後半９分にハーフナーの今季15点目でリードを広げる。CKの流れから富山のルーズボールへの反応が遅れ、DF内山俊彦が足を伸ばしてゴール前のハーフナーに送った。その後は余裕をもって要所を抑えて悠々と逃げ切り。富山は後半に入って元気がなく、シュートも３本に終わった。

甲府にとって４月の富山戦はチームを勢いづける５−０の快勝で、前半戦のベストゲームに挙げる選手もいると聞く。そして今回も、しっかり守り、攻めては個の力で凌駕して甲府の良いところばかりが目立った。
富山は復調を狙って、橋田が今季初先発するなど前節から先発６人を入れ替えて臨んだが、強豪と伍して戦うだけのパワーを生み出すことができなかった。前半20分にCKからDF金明輝がヘディングシュートを放った場面など少ない好機を生かすこともできず、格上の力に屈した。３失点は２試合連続で課題の守りに立ち直りの兆しがない。球際で体を張ろうとする必死さはピッチ外にも伝わってくるが、DF堤健吾は「１人だけでなく、２、３人で止めようとする迫力に欠けているような気がする。それが昨年との違いなのかもしれない」と話した。危機感は各選手が共有しており、チームとして前向きのベクトルに結集したい。
次節は中２日で行われる。富山は東京・国立競技場に乗り込み、横浜FCと対戦。甲府は地元に戻らず岡山に直行して連勝を目指す。

以上

2010.09.24 Reported by 赤壁逸朗