9月25日(土)J1 第24節 清水 vs 名古屋(15:00KICK OFF/アウスタ)
スカパー!生中継 Ch183 後02:50〜
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今後のJ1の優勝争いを大きく左右するであろう東海決戦がいよいよ始まる。とくに首位・名古屋と勝点8差の5位にいる清水にとっては、ホームで迎えるこのゲームは勝点差を縮めるための大きなチャンス。7月のリーグ再開後は1敗しかしていない名古屋の快進撃にストップをかけ、自分たちは再び勢いを取り戻すために、清水の選手たちはこの大勝負にすべてを賭けて勝利をつかみにいく覚悟だ。
9月に入ってリーグ戦の勝利がなく(1分1敗)、5位に順位を下げてしまった清水。ただ、8月に3連敗した頃と比べると、それほどムードが悪くなっているわけではない。とくに前々節の大宮戦は、あまりにも不利な条件で戦わざるを得なかった。異常な残暑の中、2週間で5試合というハードスケジュールの5試合目、しかもナビスコカップ準々決勝のF東京戦から中2日のアウェイゲームで、33度を越える中での15時キックオフ。対するホームの大宮は、リーグ戦は2週間空いて、その間に天皇杯2回戦があっただけ。失点の仕方がもったいなかったという面はあるものの、これだけの条件差で対等な戦いを見せろというのも無理な話だ。
その後は1週間空いて前節の浦和戦を迎えたが、ここでもホームの埼スタで激しく仕掛けてくる浦和に先制点を奪われ、そこからドローに持ちこむのが精一杯。しかし、後半に疲れて足が止まってくるまでは、「良い時に比べればまだまだだが、アグレッシブな戦いがやれていた」と長谷川健太監督も語る通り、自分たちの形を作った場面も何度か見られた。岡崎慎司の同点ゴールも素晴らしく、選手たちも手応えを口にしている。
「みんなでどんどん飛び出したり、足下で受けたりしていかないと攻撃がスムーズにいかないというのがわかった。自分自身も、ああいうワンチャンスでも決められるようになってきているので、それは自分の中で大きい」(岡崎)というエースの言葉も頼もしい。それによりゴール前での冷静さが増し、ここぞという試合での勝負強さを今回も発揮してくれることを期待したい。
キャプテンの兵働昭弘も、「また1週間空いて、ホームで移動もないので、良い状態で臨めると思う。その中でゴール前でダイナミックな動きが出てくると、相手もマークにつきづらいし、チャンスはふくらむと思う」と、攻撃力の復活に向けて自信を見せる。
清水の守備に関しては、右サイドバックの市川大祐に足の痛みがあり、彼が出られない場合はセンターバックの平岡康裕がサイドに回るか、辻尾真二が入るかといった状況。名古屋の高さを警戒するという意味では、平岡が有力か。いずれにしても、名古屋は1点差の勝利が非常に多いチームなので、先制点は絶対に与えたくない。
名古屋はセットプレーも大きな武器となるので、「不用意なファウルは極力減らさないといけない」(平岡)という部分も含めて、守備陣にとっては踏ん張りどころのゲームとなる。
一方、名古屋のほうは、前述の通りリーグ再開後は8勝2分1敗という快進撃。その中で完封勝利が5つ(そのうち1-0が4試合)あるなど、非常に安定した戦いを見せている。攻守のバランスが非常に良く、そのカギを握るダニルソンと中村直志が出場停止となった前節・横浜FM戦は引き分けに終わったが、その2人も今節には復帰する。ブルザノビッチは出場微妙だが、ほぼ現状のベストと言えるメンバーで、清水を優勝戦線から脱落させようと勝点3だけを目指してくるだろう。
攻撃では、センターフォワードを務めるケネディの圧倒的な高さと強さ、その両翼を務める玉田圭司と金崎夢生のドリブルや個人技など、強力な武器をいくつも備えている。また、予想されるスタメンの中には185cm以上の選手が4人いて(清水は2人)、セットプレーでの高さも抜群。闘莉王の攻撃参加も、相変わらず脅威となっている。
そう考えると、同じ4-3-3のシステムを採用する中で、カウンター攻撃やセットプレーでは名古屋がやや優位と言えそうだが、清水は中盤の構成力やゴール前での決定力などでは互角以上(清水はFW3人で27得点)。清水の攻守のバランスが整えば、守備力もほぼ互角と言えるだろう。
したがって、これまでの対戦と同様に、試合の主導権は時間帯によって行ったり来たりするだろう。その中で、どちらが攻守ともにゴール前で勝負強さを見せられるか。選手たちにとっては、気持ちの強さの見せどころでもある。もちろん、清水には何よりも強力なホームアドバンテージ(サポーターの熱い後押し)があるので、それを最大限に生かしたいゲームと言える。
この試合の後も、中3日でナビスコカップ準決勝(9/29 広島とのアウェイゲーム)、さらに中2日で2位・鹿島とのアウェイ決戦があり、清水には再び超ハードな日程が待っている。しかし、少なくともこの名古屋戦に関しては、後先のことを考えることなく「すべてを賭けて」(長谷川監督)勝点3を取りにいくしかない。選手やスタッフだけでなく、サポーターまで含めたクラブ全体の底力が見られるかどうか、本当に楽しみな一戦となる。
以上
2010.09.24 Reported by 前島芳雄
J’s GOALニュース
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