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横浜Ｆ・マリノスは、８月29日の新潟戦以来、約１ヵ月ぶりに日産スタジアムに帰還する。前節は首位・名古屋グランパス相手に引き分けるも、８月からのリーグ戦の成績は５勝１敗１分け。好調以外のなにものでもない。そのためか、21日のトレーニングでも活気に満ちていた。シュート練習で外せば、いい意味でのヤジが飛び交う。ピリッとした中にも、多くの笑顔が散見された。
対するベガルタ仙台も、雰囲気はかなりいいはず。前節は、モンテディオ山形と戦い、「みちのくダービー」４戦ぶりの白星をもぎ取る。しかも、２−０の快勝だ。だが、浮かれることはない。「Ｆ・マリノス戦は、絶対に勝点を拾って仙台に帰ってこないといけないと思う」（関口訓充）と、すぐ気持ちを切り替えていた。
両チームは８月７日に１度、対戦した。結果は横浜FMの１−０。その一戦を横浜FMの何人かの選手に振り返ってもらったが、あまりいいイメージをもっていない。
「追加点が取れなくて、少し押し込まれた」(小椋祥平)、「(仙台は)嫌なチームだ。ギリギリで勝てた」(飯倉大樹)。
シュート数を見ても、仙台の「18」に対し、横浜FMは「13」と下回る。特に後半はホームの後押しを受けた仙台に攻め込まれる場面が多く、苦戦した印象が色濃い。
また、横浜FMは、上位チームよりも下位チームを苦手とする傾向がある。８月17日の地元での山形戦では、守りを固める相手の術中にハマり、０−１で敗れた事実も。上位に留まるためにも、現在13位の仙台に勝つか、負けるかは大きな意味を持つ。
勝敗のキーは「中盤でのサイドの攻防」か。そこでのマッチアップに注視したい。横浜FMの右MF中村俊輔と対峙するのは、前節２点を奪い、今季９得点を記録している梁勇基。お互い攻撃のタクトを振る者同士である。とはいえ、チーム力を考えれば、中村の方がボールに触れる回数が多くなるのは必然。梁は、まずは守備で中村を自由にさせないことが任務になるのでは。また、２人のFKが勝敗を左右する可能性もあり。特に仙台は少ないチャンスを生かす上でも、前節、約30ｍのFK弾を沈めた梁のキックに期待がかかる。
逆サイドの横浜FM・兵藤、仙台・関口の対決も重要。前回の対戦では関口のドリブルは攻撃のアクセントになっていた。横浜FMは容易に突破を許せば後手を踏む。それを知る兵藤は「しっかり潰す」と警戒。彼は11日の川崎フロンターレ戦で２ゴールを挙げるなど、攻撃面でも覚醒中。機動力の兵藤と突破力の関口、タイプの違う２人の争いを見届けよう。
お互いのスタメンにも着目を。横浜FMは松田直樹が累積警告で出場停止。中澤佑二もケガで離脱中だけに痛いところである。マイナス材料と言わざるを得ない。
仙台はケガ明けのフェルナンジーニョが復帰する可能性がある。今季７得点をマークする彼の存在は、仙台には心強い。こちらはプラス材料。
「マイナス」と「プラス」の影響の大きさも、試合の肝である。
以上
2010.09.24 Reported by 小林智明（インサイド）
